先日、SONYはVRヘッドセット「PlayStation VR」の販売を開始し、世界中のゲーマーたちが日夜VRの世界に入り浸っている。
かくなる僕も「PS VR」を入手してから、毎日のようにVRの世界に旅立っているわけだが、そんな「PS VR」がもし壊れてしまった場合、修理は容易なのだろうか。ガジェットの分解に定評のあるiFixitが今回も分解レポートを公開しているようなので、早速内容を確認してみよう。
強力な接着剤などが使われている箇所は少なく、素直な作りをしていることが判明
今回、iFixitが分解を行ったのは「PS VR」のVRヘッドセットと、ヘッドセットをPS4本体に繋げるためのプロセッサーユニットの2種類だ。
ヘッドセットの遮光マスクやフロントパネルを取り外していくと、不思議な形状をした金色のLED用の部品が登場。
この部品から発せられる青い光を「PlayStation Camera」でトラッキングすることで、「PS VR」ではユーザーの位置を把握することができているようだ。
マザーボード部分には東芝製のHDMIインターフェイスブリッジやARM製のマイクロコントローラなどの様々な部品が取り付けられており、こうして見るとVRヘッドセットも小さなPCのようだ。
ディスプレイは5.7インチ、1920×1080ピクセル表示の有機ELディスプレイが採用。同じVRヘッドセットである「Oculus Rift」や「HTC Vive」とは違い、1枚のディスプレイを左右の目で見るようになっているとのこと。
そして、次はプロセッサーユニットだ。同ユニットには熱を逃がすためのファンやUSBポート、HDMIポートなどがあり、初めて見たときは小さなPS4にしか見えなかったのだが、中身もPS4に負けず劣らず、様々な部品が詰まっているようだ。
こちらもヘッドセットと同様に、マザーボードにはSamsung製のRAMやSSDなど、たくさんの部品が取り付けられているようだが、SONYによると、同ユニットにはグラフィックを処理するチップは搭載されていないとのこと。
しかし、その代わりにオーディオを処理することができるようになっているので、テレビとヘッドセットの両方で音を出力することができているのだという。両方から音を出力できるのにはこういった仕組みが関係していたようだ。
以上、iFixitが公開したレポートをかいつまんで紹介したが、この分解レポートには他にも様々なことが書かれているので、興味がある人はぜひ直接レポートを読んで見てほしい。
ちなみに、iFixitはガジェットの修理のしやすさを10段階で表した「Repairability Score」なるものを公開するのが恒例となっているのだが、「PS VR」は強力な接着剤などがほとんど使用されておらず、ほぼ全ての部品を標準ドライバーで分解が可能なことから、かなり修理しやすいという評価の「8」が付けられた。
しかし、iFixitは分解の専門であり、一般人が分解したところで修理はかなり難しいものと思われるので、もし壊れてしまった場合はSONYの公式の修理サポートにお願いするようにしよう。iFixitが公開した「PS VR」分解レポートはこちらから。