先ほど、カリフォルニア州サンフランシスコで行われているAppleのスペシャルイベント内で、新型iPhoneの「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」がついにお披露目となった!
発表と同時に、新型iPhoneに搭載される新機能や、スペック、価格など詳細な情報が発表されているので、早速それらをお伝えしていこう!
「iPhone 7 / 7 Plus」は、デザインに大きな変更はないがスペックが格段に向上
発売前の情報ではデザイン面に大きな変更はないものの、スペックが格段に向上すると噂されていた「iPhone 7 / 7 Plus」だが、概ねその噂通りの端末となった。
大きな変更点としては、3.5mmヘッドフォンジャックの廃止や感圧タッチ式ホームボタンの採用が行われているという点。そして「iPhone 7 Plus」においてはデュアルレンズカメラの採用になるという点だ。
「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」の主な変更点は以下のとおり。
- カメラ性能と処理性能が向上
- f値1.8のレンズになり、従来モデルよりも50%明るい写真が撮影可能に
- Retina HDディスプレイは25%明るく表示が可能に 色域も向上
- 「iPhone 7」にも手ブレ補正機能も搭載
- TrueToneフラッシュのLEDが2色から4色に フラッシュのおかげで50%以上明るい写真が撮影可能
- ホームボタンが感圧タッチ式ホームボタンに置き換え
- 防水・防塵性能が高められ、IP67程度の性能に
- RAW写真の現像が可能に
- FaceTimeカメラは500万画素から700万画素に
- NFC「FeliCa」に対応し、日本でも2016年10月下旬から「Apple Pay」が利用可能に
- バッテリー持ちが過去のiPhoneシリーズで最長に 「iPhone 7 Plus」に至っては「iPhone 6s Plus」から1時間長く駆動
- 「ジェットブラック」と「ブラック」モデルが追加になり、全5色展開
- 端末の上下にスピーカーが配置され、ステレオスピーカーに
- Lightning端子が搭載されたEarPodsと、Lightning端子と3.5mmヘッドフォンジャックを変換するアダプタが同梱
「iPhone 7 Plus」は、上記の新機能の他に「デュアルレンズカメラ」が搭載され、立体的で綺麗な写真撮影が可能になった。これらの特徴も踏まえて、スペックを以下の表にまとめたので確認してほしい。
仕様 | iPhone 7 | iPhone 7 Plus |
---|---|---|
ディスプレイ | 3D Touch搭載Retina HDディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) |
|
ディスプレイサイズ | 4.7インチディスプレイ | 5.5インチディスプレイ |
解像度 | 1,334×750ピクセル (326ppi) | 1,920×1,080ピクセル (401ppi) |
プロセッサ | A10 Fusionチップ(64bit) M10モーションコプロセッサ |
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RAM | 2GB | 3GB |
外向きカメラ | 12Mピクセル (1,200万画素) F値1.8 5倍デジタルズーム クアッドLED True Toneフラッシュ パノラマ(最大63Mピクセル) Live Photos バーストモード |
12Mピクセル (1,200万画素)広角カメラ 12Mピクセル (1,200万画素)望遠カメラ 広角:F値1.8 望遠:F値2.8 2倍光学ズーム 最大10倍のデジタルズーム クアッドLED True Toneフラッシュ パノラマ(最大63Mピクセル) Live Photos バーストモード |
内向きカメラ | 7Mピクセル(700万画素) F値2.2 バーストモード Retina Flash |
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動画撮影 | 4Kビデオ撮影(30fps) 1,080p HDビデオ撮影(30fpsまたは60fps) 720p HDビデオ撮影(30fps) ビデオの光学式手ぶれ補正 クアッドLED True Toneフラッシュ 連続オートフォーカスビデオ 再生ズーム |
4Kビデオ撮影(30fps) 1,080p HDビデオ撮影(30fpsまたは60fps) 720p HDビデオ撮影(30fps) ビデオの光学式手ぶれ補正 2倍光学ズーム、6倍デジタルズーム クアッドLED True Toneフラッシュ 連続オートフォーカスビデオ 再生ズーム |
スローモーションビデオ | スローモーションビデオ 1,080p(120fps) および720p(240fps) |
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センサー | Touch ID(第2世代) 3軸ジャイロ 加速度センサー 近接センサー 環境光センサー 気圧計 |
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通信 | Bluetooth 4.2 802.11a/b/g/n/ac MIMO対応 |
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バッテリー |
通話時間 : 最大14時間(3G) インターネット利用 |
通話時間 : 最大21時間(3G) インターネット利用 |
ホームボタン | 感圧タッチ式 | |
ヘッドフォン端子 | なし | |
スピーカー | 2基(ステレオ) | |
重量 |
138g |
188g |
本体サイズ | 67.1 × 138.3 × 7.1 mm | 77.9 × 158.2 × 7.3 mm |
カラー | ローズゴールド / ゴールド / シルバー / ブラック / ジェットブラック | |
価格 | 32GB:72,800円 128GB:83,800円 256GB:94,800円 ジェットブラックは128GBと256GBのみ |
32GB:85,800円 128GB:96,800円 256GB:107,800円 ジェットブラックは128GBと256GBのみ |
その他機能 | テザリング / Siri / Apple Pay / FeliCa / VoLTE | |
iPhone 7 | iPhone 7 Plus |
カラーラインナップは、従来の「シルバー / ゴールド / ローズゴールド」に加えて「ブラック」と「ジェットブラック」が追加される。
ストレージ容量は32GB/ 128GB / 256GB。「iPhone 7」の価格は649ドルから、そして「iPhone 7 Plus」は769ドルから。予約受付開始日は9月9日から。そして、発売日は9月16日とのこと。
デザインの変更点は少ないが、背面のアンテナラインは消え、イヤフォンジャックが廃止
結局のところ事前の情報通り、従来モデルからのデザインの変更点はさほど多くなかった。主な変更としては、背面のアンテナラインの一部(背面を横切るアンテナ部分)が廃止になり、3.5mmのイヤフォンジャックが廃止になる。
おかげで「iPhone 6 / 6s」時代に不評だったDラインが消失し、背面のデザインはすっきりとした印象に生まれ変わった。
3.5mmのイヤフォンジャックが廃止になるのは事前の情報でもほぼ確定路線だったわけだが、今後はワイヤレスイヤフォンやLightningイヤフォンを使ったりして音楽を聴くか、同梱されるアダプタを使って従来のイヤフォンと接続する必要がある。
Appleはワイヤレス式イヤフォンの使用を推奨しており、今後は有線式からワイヤレス式イヤフォンへユーザーが移って行く可能性がある。
ちなみに、「iPhone 7 / 7 Plus」は初めてのステレオスピーカーを採用する。端末の上下にそれぞれ1つずつスピーカーが配置され、音楽などをステレオ出力で楽しむことができるようになるとのこと。
新プロセッサ「A10 Fusion」を搭載し、処理速度が大きく向上
「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」の大きな特徴として、着実な性能の向上が挙げられる。
今回の新型iPhoneには、「A9」から性能が引き上げられた「A10 Fusion」プロセッサと「M10」モーションコプロセッサが搭載。処理性能が大きく引き上げられているという。
「A10 Fusion」の実力は実際に触ってみないことには分からないが、Appleの発表によると「iPhone 6s / 6s Plus」に搭載されていた「A9」チップよりも40%処理が早くなり、「iPhone 6 / 6 Plus」に搭載された「A8」チップに比べると約2倍の処理能力を持っているという。
また、GPU性能も向上。「A10 Fusion」はグラフィック処理にも長けており、「A9」に比べて50%、そして「A8」チップに比べて3倍の能力を持つ。3Dゲームなど高いグラフィック処理が必要な時に役立つだろう。
ホームボタンは「物理式」から「感圧タッチ式」ホームボタンに置き換え
「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」はどちらも感圧タッチ式ホームボタンを採用する。この技術は今まで触ったことがない人には馴染みのないものなので、おそらくイメージしにくいと思うのだが、現行のホームボタンのようにポチッと押すタイプ(物理式)のものとは異なり、ユーザーの押す力を感知して、あたかも押しているような感触を与えるというもの。
iPhoneの内部に内蔵された「Taptic Engine」と呼ばれたモーターが動作し、ユーザーには押し込んだ感触を伝える。 おそらく使っている感触は現行のホームボタンとさほど違いはないだろうが、その分操作の幅が増えたり、防水性能を高めることに成功していると思われる。
カメラ性能が大幅に向上 「iPhone 7 Plus」はデュアルレンズカメラを採用
カメラ性能は事前の情報通り、大幅に性能が向上している。特に「iPhone 7 Plus」に関しては広角レンズと望遠レンズの二つのレンズカメラを備えた「デュアルレンズカメラ」が採用。
今までのカメラに比べて、立体的で綺麗な写真を撮影することができるようになっている。また、内部のスペックが向上していることもあり、写真撮影にかかる時間も大幅に短縮。撮影処理時間が60%も短くなっているとのこと。
さらに、F値1.8のレンズが採用され、より明るい写真を撮影することができるように。従来カメラよりも50%も光を多く取り入れることができるという。暗所などでの撮影がより簡単になるかもしれない。
そのほかにも最大10倍のデジタルズームに対応していたりと、カメラ周りはかなり進化している。また、FaceTimeカメラも500万画素から700万画素に上がっているので、セルフィー写真を撮影したり、FaceTimeのビデオ通話で綺麗な映像を届けることができるはずだ。
地味に嬉しい変更点としては、LEDフラッシュ(True Toneフラッシュ)が2色から4色になったこと。今までのLEDフラッシュではどうしても被写体が白っぽくなっていたため、正直フラッシュは使い物にならなかったわけだが、4色になったことで被写体の本来の色を引き出せるようになるかもしれない。
防水性能が大幅に向上 IP67レベルの防水・防塵性能に
先述した通り、「iPhone 7 / 7 Plus」はホームボタンが感圧式ホームボタンになっていたりと、水が内部に侵入するスペースを極限まで少なくしているようだ。そのおかげで「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」は防水規格で言うと、IP67レベルの防水性能を持つ。
さすがにプールや海などで潜水したりすると故障してしまう可能性が高いが、少し水に濡れる程度だったり、上から水をこぼす程度では故障することはなくなりそうだ。
日本でもいよいよ「Apple Pay」が利用可能に FeliCaチップが内蔵するため自動改札でも使用できる
2014年に米国で始まったAppleの独自決済サービス「Apple Pay」が、いよいよ日本でも利用可能になる。
この発表については別記事にまとめてあるので詳しくはこちらからご覧いただきたいのだが、「iPhone 7」シリーズには初めて「FeliCa」が内蔵される。
この「FeliCa」はSuicaなどで採用されているNFC仕様で、自動改札や自動販売機、コンビニなどでの支払いに利用できる。いわゆる「おサイフケータイ」。
新型iPhoneはこの「FeliCa」に対応するため、普段からSuicaを持ち歩くことなくiPhoneのみで決済が可能になるとのこと。また、「Apple Pay」も利用可能になるので、電子決済をモバイル端末で済ませたい人にとっては、ある意味これが一番嬉しい報せかもしれない。利用可能になるのは2016年10月下旬から。
ストレージ容量は全体的に増量 最小ストレージ容量は32GBに
「iPhone 7」シリーズから、iPhoneのストレージ容量は増大することが決まった。今まで「iPhone 6s / 6s Plus」のストレージ容量は「16GB / 64GB / 128GB」だったのだが、今後は「32GB / 128GB / 256GB」に。
「iPhone 7 / 7 Plus」はカメラ性能が大きく向上していることから、1つ1つのデータ使用量が多くなる可能性がある。また、今までの最低ストレージ容量の16GBでは「iOS」のアップデートのために一定の容量を空ける必要があるため、満足にストレージを活用できないことから一部では不満もあった。
これらを解消する意味を含めて、「iPhone 7」シリーズではストレージ容量が向上しているのではないだろうか。おそらくこのストレージ容量だと128GBモデルが人気になるのでは。
価格は「iPhone 7」が72,800円から、「iPhone 7 Plus」は85,800円から
すでに価格も発表されている。日本のApple公式サイトでの販売価格は以下の表の通り。
iPhone 7 | iPhone 7 Plus | |
---|---|---|
価格 | 32GB:72,800円 128GB:83,800円 256GB:94,800円 ジェットブラックは128GBと256GBのみ |
32GB:85,800円 128GB:96,800円 256GB:107,800円 ジェットブラックは128GBと256GBのみ |
気をつけなければならないのは、新色の「ジェットブラック」モデルのみは「128GB」と「256GB」モデルしか用意されておらず、32GBモデルは販売されない。色によって価格は変わらないので、あとは性能やスペックを吟味して、好きなカラーのモデルを購入するようにしよう。
予約開始は9月9日(金)午後16:01から開始され、発売は9月16日(金)。Apple公式サイトや各キャリアで販売が行われる予定。キャリア版に関しては、価格がそれぞれ異なるので予約前に確認するようにしよう。