近年、スマートフォンやタブレットが急激に普及し、PCよりも小さな画面でブラウジングをする「モバイルユーザー」が多くなってきている。
中には「スマホやタブレットさえあればPCはいらない」という人もいるようで、Webコンテンツを提供している側は、PCだけではなく、スマホやタブレットでもコンテンツが見やすい「モバイルフレンドリー」なページを提供することを求められてきた。
そんな中、Googleはモバイルユーザーがよりコンテンツを見やすいように、新たにモバイル検索結果に2つの変更を加える方針であることを発表しているので、詳細をお伝えする。
「スマホ対応」ラベルが消え、画面全体に広告が表示されるページの検索順位が低くなる
今回、Googleの発表によると、モバイル検索結果に対する変更点は2つ。
まず1つは、「スマホ対応」ラベルの廃止だ。
Googleは2年前から、テキストやコンテンツを拡大しなくても見ることができたり、タップターゲットが程よい感覚で表示されている、いわゆる「モバイルフレンドリー」なページに「スマホ対応」と書かれたラベルを表示させていた。
このラベルは検索順位にも影響するということで、現在では検索結果に表示される85%のページに「スマホ対応」ラベルが表示されているとのこと。この現状を踏まえ、Googleは、よりモバイルの検索結果をシンプルにするために、「スマホ対応」ラベルの表示を停止することにしたようだ。
もちろん、表示はされないものの、検索順位には引き続き影響があるとのことなので、Googleが提供している「Search Console」の「モバイル ユーザビリティ レポート」や「モバイル フレンドリー テスト」などを使って、サイト運営者は今後もチェックを怠らないようにする必要がありそうだ。
そして、2つ目が「インタースティシャル広告」が表示されるページの検索順位を下げるということだ。
これまでもGoogleは、コンテンツが見づらかったり、意図せず広告を押してしまうような広告の表示方法に対して、何度も苦言を呈してきた。
その中でも今回は、ポップアップで画面全体に表示されたり、コンテンツを覆い隠してしまうような「インタースティシャル広告」を表示しているページの検索順位をこれまでよりも低くするということを明言している。
具体的にNG例として挙げられている広告は次の3パターンだ。
- ユーザーが検索結果からページに移動した直後やページを閲覧している最中に、メインのコンテンツを覆い隠すようにポップアップを表示する。
- スタンドアロン インタースティシャルを表示して、それを閉じないとメインのコンテンツにアクセスできないようにする。
- スクロールせずに見える部分がスタンドアロン インタースティシャルのように見えるレイアウトを使用して、インラインのメインのコンテンツはスクロールしないと見えないようにする。
普段からブラウジングをすることが多い人だったら、一度は見たことがあるタイプの広告なのではないだろうか。これらの広告が表示されるページは、「コンテンツにアクセスしにくい」と判断され、2017年1月10日からはこれまでの検索順位よりも低くされる可能性があるとのこと。
しかし、これに似たもので、影響を受けないとされるものも同時に発表されている。次の3パターンだ。
- 法律上の必要性に基づいて表示されているように見えるインタースティシャル(Cookie の使用、年齢確認など)。
- 一般公開されていないコンテンツ(そのためインデックス登録ができない)を有するサイトが表示するログイン ダイアログ。たとえば、メール サービスのように個人的なコンテンツが含まれる、有料のコンテンツであるためインデックス登録できない、などの場合が考えられます。
- 画面スペースから見て妥当な大きさで、簡単に閉じることのできるバナー。ここで言う妥当な大きさとは、たとえば Safari や Chrome に表示されるアプリ インストール バナー程度の大きさです。
これらのポップアップや広告は、検索順位には影響されないとのことなので、現在表示させているという人は安心してほしい。
今回Googleが発表した2つの変更のうち、2つ目の「インタースティシャル広告」に関しては、モバイル検索順位に影響を与える要素になることは間違いない。
「スマホ対応」ラベルの表示停止はいつ頃になるかは不明だが、「インタースティシャル広告」が表示されるページの検索順位に関しては、2017年1月10日から変更されることが明記されているので、サイト運営者の方々はそれまでには必ずサイトを修正するように心がけよう。