「iOS 13」 は今年9月にリリースされてから、一部のユーザーから不具合が多いと指摘された。現在は複数回のアップデートによって多くの不具合は解消されているものの、そもそもの話として、どうして 「iOS 13」 は不具合まみれだったのだろうか。
その原因はどうやらAppleのソフトウェアの開発環境に問題があったようだ。Bloombergの記者Mark Gurman氏が 「iOS 13」 開発当時の環境について伝え、またAppleは来年のソフトウェアとして次期iOSこと 「iOS 14」 の開発フェーズに入っているが、「iOS 13」 とおなじ轍を踏まぬよう、ソフトウェアのテスト体制に変更を加えたことも伝えている。
iOS 14に向けてiOSの内部テスト方法が変更
Mark Gurman氏によると、Appleはソフトウェア開発チームが社内で毎日行なっているデイリービルドにおいて、ソフトウェアフラグを使用して機能を安定化する方式に変えたとのこと。
Appleの開発チームはこのフラグをもとに 「iOS 14」 のベータ版に対して変更を加えることができるようになり、有効にしたり無効にしたりを繰り返すことで不具合が出るかどうかを検証できるようになったという。もちろん、この方式はGoogleなど他の企業で行われていることと同じもので、Appleだけが特別に行なっているものではない。
また品質管理についても一部変更が行われていて、「ホワイトグローブ」 と呼ばれる1〜100の採点で品質をチェックするテストが実施されているとのこと。安定している状態であれば80以上をつけ、バグを含む不安定なものであれば60〜80程度で評価されるとのこと。また、マイナーな不具合を含む場合は5、重大な不具合がある場合は0がつけられる。
ホワイトグローブテストとは、一般的には商品の出荷前に行われるテストを指す。白い手袋をはめて実際の商品を手に取り検品を行い、手袋に汚れが付かないかを確認するが、それと似たようなことがAppleのソフトウェア開発でも行われているという。
またソフトウェアの品質を視覚的に示すため、各機能にグリーン、イエロー、レッドの3色が割り当てられているとのことだ。
これまでの開発体制では、まだテストが完了していない機能を毎日のように追加してくるチームもあれば、(機能などの)変更を毎日行うチームもありカオス化していたとのこと。おかげでiOS 13の品質は昨年のiOS 12に比べて低いものとなっていたが、期限が迫っていたこともあり、結果的に低い品質のままユーザーに提供するほかなかった可能性がある。
しかし、Appleの新しい開発体制ではこれらの問題を解決できるかもしれない。ちなみに、「iOS 14」 には “Azul” というコードネームが付けられている。Azulはスペイン語やポルトガル語で青を意味する言葉だが、「iOS 14」 はぜひ一点の曇りもない青空のような状態でリリースされて欲しいものだ。
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