プロレスの聖地で『ポケモン チャンピオンズ』日本最速試遊&レビュー。観て楽しい・遊んで楽しい対戦ゲームへ

ポケモンバトルに特化した新作タイトル『ポケモン チャンピオンズ』が、4月8日にNintendo Switch向けに配信開始となる。本作の配信に先駆け、3月23日には格闘技の聖地として知られる後楽園ホールにて、先行体験会が開催された。

本イベントは前半・後半の二部構成で実施され、前半ではスペシャルゲストによるエキシビションマッチを実施。後半には各メディアに1台ずつ試遊機が用意され、日本最速で『ポケモン チャンピオンズ』を体験できる機会が設けられた。

本稿では、イベントの模様をレポートするとともに、実際にプレイして感じた『ポケモン チャンピオンズ』の印象をお伝えしたい。

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『ポケモン チャンピオンズ』とは

『ポケモン チャンピオンズ』は、ポケモンのタイプ、特性、わざの選択といったシリーズ伝統の本格的なポケモンバトルを、デバイスを問わず手軽に楽しめるクロスプラットフォーム対応タイトルだ。

ゲーム内では、共に戦うポケモンを「スカウト」して自分だけのチームを編成できるほか、「トレーニング」機能によって従来よりも手軽にポケモンの育成が可能だ。さらに『Pokémon HOME』との連携にも対応しており、これまでのシリーズで仲間にしたポケモンを活躍させることもできる。

『ポケモン チャンピオンズ』は、Nintendo Switch版が2026年4月8日、スマートフォン版が2026年夏に配信予定。本作は、世界大会『ポケモンワールドチャンピオンシップス 2026』のゲーム部門で使用されることも決定しており、競技シーンの中核を担う一作となる。

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聖地・後楽園ホールでの熱きエキシビションマッチ。長州 VS 武藤シスターズ

体験会の前半では、スペシャルゲストによるエキシビションマッチが行われた。会場にはリングが設置されており、そこで『ポケモン チャンピオンズ』を使って対戦するのだという。

赤コーナーから登場したのは、引退後初の後楽園ホール入りとなるプロレス界のレジェンド・長州力さん。対する青コーナーには、芸能界屈指のポケモン好きとして知られる姉妹の武藤十夢さん・小麟さん(武藤シスターズ)が登場した。

かつて数々の激闘を繰り広げたリングに戻ってきた長州さんは、「7歳の孫にポケモンのやり方を教えてもらっている」と、微笑ましい練習風景を明かして会場を沸かせた。

一方、父親の影響で家族で後楽園ホールにプロレスを観戦しに来ていたこともあるという武藤シスターズも、レジェンドを前に「絶対に負けません!ボコボコにします!」と強気な意気込みを語り、試合がスタートした。

試合は3対3のシングルバトル形式で行われた。武藤シスターズ(操作は妹の小麟さんが担当)はガブリアス、キュウコン、カイリューを選出。対する長州さんは、ガオガエン、カイリキー、ユキメノコを繰り出し、世代を超えた真剣勝負が繰り広げられた。

序盤、武藤シスターズのガブリアスが強力な「じしん」を放ち、長州さんを苦しめるが、ユキメノコがそれを凌ぐ展開に。しかし、武藤シスターズがキュウコンの「かえんほうしゃ」で長州さんのカイリキーをやけど状態にするなど、知識に裏打ちされた戦略を見せる。

バトルのクライマックスでは、武藤シスターズが「メガ進化」を発動させ、カイリューをメガ進化させた。長州さんのユキメノコが強力な「ふぶき」で猛追し、カイリューの残りHPがわずかになるという手に汗握る展開となったが、最後は特性で耐え抜いたカイリューが勝利を収めた。

試合後、勝利した武藤シスターズは「メガ進化のキラキラ感にワクワクした。たくさんの方にプレイしてほしい」と笑顔を見せ、惜しくも敗れた長州さんは「今日帰ったらまた孫に教わります」とリベンジを誓っていた。

『ポケモン チャンピオンズ』国内最速で試遊。ターン制ポケモンバトルの基本を押さえつつ、直感的に遊びやすい設計

イベント後半では、各メディアに試遊機が配布され、実際に『ポケモン チャンピオンズ』をプレイすることができた。

本作では、1匹ずつポケモンを場に出して戦う「シングルバトル」と、2匹ずつ同時に場に出す「ダブルバトル」の2種類が用意されている。今回はこのうち、シングルバトルを体験した。

ルールはシンプルで、6匹のバトルチームの中から3匹を選出して戦う形式。バトルの流れ自体は従来の『ポケットモンスター』シリーズと同じターン制で、わざを選択すると、すばやさやわざの優先度に応じた順番で攻撃が繰り出される。

実際にバトルに触れてみて印象的だったのが、タイプ相性の表示だ。本作では、攻撃するわざのタイプが相手ポケモンのタイプに対して有利な場合には、2倍のダメージを与える「ばつぐん」と表示され、相手ポケモンが2つのタイプを持っていて、それぞれのタイプに対して2倍の弱点が重なると2×2=4倍で「ちょうばつぐん」と表示される。

たとえば、ボーマンダやガブリアスといったドラゴン・ひこうタイプのポケモンには、ドラゴンタイプもひこうタイプも弱点であるこおりタイプのわざが「ちょうばつぐん」となる、といった具合だ。

これまでの「ポケットモンスター」シリーズでは、弱点を突いたときに「こうかは ばつぐんだ!」というメッセージが表示されるのみで、ダメージ倍率はプレイヤー側で判断する必要があったが、本作では視覚的にわかりやすく整理されている。同じように、相性の悪いわざには「いまひとつ」(=0.5倍)、「かなりいまひとつ」(=0.25倍)と表示され、直感的に状況を判断しやすい。

実際にプレイしてみると、この表示は想像以上にありがたかった。複数のタイプが絡む場面でもほとんど迷うことがなく、「これでいいのか」と一瞬立ち止まる場面がかなり減る。操作のテンポが崩れにくく、そのままの流れで判断できる感覚があった。

ポケモンバトルに慣れているプレイヤーにとっては不要に感じるかもしれないが、細かい判断に気を取られず、読み合いや立ち回りに意識を向けやすくなる点は素直に良いと感じた。

もちろん、従来通りの戦略性も健在だ。どうぐやとくせいに加え、「ねこだまし」や「しんそく」といった先制できるわざを絡めた読み合いなど、駆け引きの奥深さはしっかりと残されている。

実際のプレイでも、その面白さを強く実感できた。HPが残りわずかのゲンガーで「みちづれ」を選択し、相手の攻撃でひんしになりながら相手も巻き込む、いわゆる “道連れ戦法” を狙った場面だ。こちらがゲンガーを場に出した時点で相手も警戒している動きだったが、読み合いを制して成功。ほぼHPが満タンだったバンギラスを一気に持っていけたときは、思わず声が出るほど気持ちよかった。

さらに印象に残ったのが、どうぐによる逆転のシーンだ。お互い残り1匹、こちらは弱点を突かれる状況で、相手のほうがすばやさも上と見られる不利な展開だったが、「せんせいのツメ」が発動してこちらが先に行動。結果的にそのまま勝利につながり、思わずガッツポーズが出てしまった。

こうした「読み」と「運」が噛み合ったときの一発逆転はやはり気持ちよく、バトルに特化した本作ならではの醍醐味だと感じられた。

バトル演出についても、今回の試遊で印象に残ったポイントのひとつだ。わざのエフェクトやカメラワーク、メガシンカの演出などは全体的にテンポよくまとめられており、過度に派手すぎない一方で、しっかりと見応えがある。操作を邪魔しないバランスに収めつつ、「見ていて楽しい」ラインをきちんと押さえている。

会場では、一部メディアが後楽園ホールのリングに上がり、大画面に対戦映像を映しながら、MCの解説付きでバトルを行う場面もあった。激しい読み合いの末に生まれたナイスプレーに、思わず筆者も手元の試遊機から目を離して見入ってしまい、勝負が決着した瞬間には周囲の記者と一緒に自然と拍手をしていた。観戦コンテンツとしての魅力もしっかりと感じられる一幕だった。

本作は今後、ポケモンの世界大会である「ポケモンワールドチャンピオンシップス」のゲーム部門で採用されることも決定している。こうした大会での観戦体験も見据えた、分かりやすさと見栄えを両立した演出設計になっていると感じた。

また、公開されている最新映像によると、本作ではバトル中にステータスが大幅に強化される「メガシンカ」に加えて、「テラスタル」の実装も予定されている。

本作のプロデューサーである星野氏によると、リリース当初はメガシンカのみが実装されるとのことだが、今後はテラスタルをはじめとした様々なバトルシステムとの複合を考えているという。バトルバランスについては、初代『ポケットモンスター 赤・緑』のバトルシステムを設計したゲームフリークの森本氏も関わっており、今後の長い運用の中で面白い対戦環境を提供していくつもりであるとのことだ。

対戦環境については、マッチングの精度も強化されており、できるだけ近い実力帯のプレイヤー同士で対戦できる設計になっているという。競技性を意識した作りになっている点も、本作の特徴のひとつといえるだろう。

厳選の手間を省き、構成の試行錯誤に集中できる育成設計

育成まわりのシステムも、本作ならではの設計が取り入れられている。

「スカウト」では、1日1回提示される10匹のポケモンの中から1匹を選び、VP(バトルポイント)を消費して「レギュラースカウト」を行うことで仲間にできる。スカウトしたポケモンは無期限でチームに組み込むことが可能だ。

スカウトに登場するポケモンは、リリース時点ではフシギバナやバンギラスなど進化を重ねた姿が中心となるが、今後は期間ごとのレギュレーションに応じて順次追加されていく想定とのこと。進化前のポケモンが登場する可能性もあり、ラインナップの広がりにも期待できそうだ。

特徴的なのは、その後の「トレーニング」だ。本作では、VPを使うことで能力ポイントの配分や能力補正(従来の「せいかく」に相当)、わざ、特性まで自由に変更できる。

実際に触ってみると、この仕組みはかなり快適に感じられた。従来のシリーズではタマゴから時間をかけて厳選していた要素を、その場で試行錯誤しながら調整できるため、「この構成を試してみたい」と思ったときにすぐ実践に移せる。

一方で、従来のように時間をかけて理想の個体を育てていく過程に楽しさを感じていた筆者としては、その手間が大きく整理されている点に少し物足りなさを覚えたのも正直なところだ。プロデューサーの星野氏は、「今後は(じっくりと育成する従来のスタイルについては)『ポケットモンスター』シリーズで楽しんでもらい、『ポケモン チャンピオンズ』ではそうやって育成してきたポケモンたちを連れてきて、すぐに対戦に入れるようにしている」と述べた。

本作は『Pokémon HOME』との連携にも対応しており、これまでのシリーズで育てたポケモンを “遠征” させることができる。わざや特性はそのまま引き継がれ、本作内でステータス調整を行うことも可能だ。

なお、遠征したポケモンは『Pokémon HOME』に戻る際に元の状態へと戻り、再び本作に連れてくると調整済みの状態で使用できる。既存シリーズとの棲み分けも意識された設計となっている。

VPはバトルによって入手でき、課金で直接購入することはできない仕様だ。そのため、いわゆる “Pay to Win(課金額の多いプレイヤーほどゲーム内で有利になり、勝利しやすい)” にはならない設計が取られている。課金要素として用意されているバトルパスやメンバーシップは、あくまでゲームをスムーズに進められる要素であるとのこと。

また、本作では各ポケモンの「生まれつきの強さ」の概念が廃止されており、プレイヤーごとの育成格差が生まれにくく、純粋にバトルの戦略に集中しやすい環境が整えられている。その一方で、色違いや「二つ名」付きのポケモンといったコレクション要素が用意されており、スカウト時には特別な演出が入る。見た目や個性にこだわったチーム編成も楽しめそうだ。

プレイを通じて感じた、育成とバトルの新しい距離感

『ポケモン チャンピオンズ』を実際にプレイしてみて感じたのは、「ポケモンバトルそのもの」にしっかりフォーカスしたタイトルだという点だ。

雰囲気としては、かつての『ポケモンスタジアム』シリーズを思い出すような、バトルに特化した構成に近い。そこにメガシンカなどの要素が加わることで、見た目の迫力と戦略性の両方がしっかり引き上げられている印象を受けた。

「ばつぐん」「ちょうばつぐん」といった表示や、わざの効果の明確化など、バトルに必要な情報が整理されている点も印象に残る。実際にプレイしていても判断に迷う場面が減り、そのぶん読み合いや立ち回りに意識を向けやすい。テンポよく試行錯誤を重ねられる設計は、本作の遊びやすさに直結していると感じた。

今回の体験会で特に印象的だったのは、育成とバトルの距離の近さだ。「スカウト」と「トレーニング」によって、従来は時間をかけて行っていた厳選作業が大きく整理されており、そのぶん構成を試す→対戦する→調整する、というサイクルをテンポよく回せるようになっている。このスピード感は、実際に触ってみて大きな魅力に感じた部分だ。

一方で、従来のように時間をかけてポケモンを育てていく過程に楽しさを見出してきた筆者としては、そのプロセスが簡略化されている点に少し寂しさを覚えたのも正直なところ。ただ、その役割は今後は「ポケットモンスター」シリーズに委ね、本作では “育てたポケモンで戦う楽しさ” に集中できるよう切り分けられていると考えると、狙いは非常に明確だ。

プロデューサーの星野氏によると、本作は長期的な運用を前提としており、プレイヤーの動向を見ながらバランス調整を行っていく方針だという。バトル設計にはゲームフリークの森本氏がすでに関わっており、今後新たなバトルシステムが追加される際にも調整に携わる予定とのこと。対戦環境がどのように変化していくのかにも注目したい。

育成をじっくり楽しみたい人にとってはこれまでのシリーズとはすこし異なる立ち位置の作品ではあるが、そのぶん「すぐに戦える楽しさ」と「対戦の奥深さ」を強く打ち出したタイトルに仕上がっている。ポケモンバトルが好きな人はもちろん、これまで対戦に一歩踏み出せなかった人にとっても、新たな入口として手に取りやすい作品になりそうだ。

©Pokémon/Nintendo/Creatures/GAME FREAK
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの商標です。
Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。
※画面は開発中のものです
(画像提供:株式会社ポケモン)

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