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法人向け翻訳サービス 「ポケトーク for BUSINESS」 が発表。音声認識エンジンにOpenAIのWhisperを使用

3月14日、ポケトークは事業戦略・新製品発表会を報道機関向けに開催。法人向けの翻訳サービスとして 「ポケトーク for BUSINESS」 を発表した。

本サービスは、主に観光や一般的なコミュニケーションとして使用されるAI翻訳 「ポケトーク」 を法人向けに拡大したもの。ビジネスシーンにおける翻訳工数を減らすことで、グローバルな経営を円滑にできるように支援する。

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法人向け翻訳サービス 「ポケトーク for BUSINESS」 が発表

ポケトークによると、国内企業の経営層の約60%が外国語のコミュニケーションの齟齬でビジネス機会を損失していると認識しているとのこと。さらに、通訳・翻訳にかかるコストについても84.2%が高いと回答しており、89.5%がコストだけでなく翻訳の工数も負担に感じているという。

「ポケトーク for BUSINESS」 は、これらの負担を解消することを目的としたサービスだ。

ポケトークは、主に音声からテキストに変換する音声認識エンジンと、テキストを翻訳する翻訳エンジン、そして翻訳したテキストを音声で発話する音声合成エンジンの3つのエンジンを組み合わせて構成されており、話者が話したことを相手の言語にあわせて表示したり、翻訳したテキストを音声で読み上げる。

「ポケトーク for BUSINESS」 は、「同時通訳」 「カンファレンス」 「ムービー翻訳」 の3つのサービスに対応する。

まず 「同時通訳」 は昨年発表されていた機能で、リモート会議など対話型コミュニケーションにおいて、自分/相手が話したことを翻訳し画面に字幕表示するというもの。

「カンファレンス」 は、登壇者の話す言語を英語など特定の言語に翻訳してテキスト化し、スマートフォンに表示させるというもの。

「ムービー翻訳」 は、映像データで話されている言葉を自身の言語に翻訳するというもの。使用するには、翻訳をかけたい動画を 「ポケトーク for BUSINESS」 のサービスにアップロードする必要がある。

たとえば5分の動画なら、その半分の時間、つまり2分30秒ほど待つことで翻訳と字幕作成が完了し、動画に表示されるようになるとのこと。

いずれの機能も自身のデバイスのみで完結し、相手のデバイスにソフトウェアをインストールする必要はない。

まずは、「同時通訳」 機能から本日3月14日より販売を開始する (Windows版のみ、macOS版は近日公開予定)。料金体系は月額2,200円(税込)で、毎月30分まで無料で利用できる。なお、4月16日まではトライアル的に時間制限なしの完全無料で利用可能だ。

「カンファレンス」 「ムービー翻訳」 については2023年夏頃の販売を予定している。

「ポケトーク」 の言語翻訳にはDeepLなどいくつかの音声認識モデルが使用されているが、今回の 「ポケトーク for BUSINESS」 にははじめてOpenAI社のジェネレーティブAIのひとつである音声認識モデル 「Whisper」 が採用されている。「Whisper」 を使用することで、音声認識精度がさらに向上するだけでなく、翻訳・発話の正確性も向上する。

また、日本語の音声合成エンジンには、東芝デジタルソリューションズが提供する日本語の音声合成 「ToSpeak」 を使用。ちなみに、すでに展開されている端末型ポケトークでも使用しているエンジンだ。

今回の事業戦略・新製品発表会では、「カンファレンス」 機能のデモを体験することができた。

英語で話されたプレゼンテーションをスマートフォンの画面にテキスト表示するというもので、発表側が用意したQRコードをスマートフォンで読み込むことで翻訳がはじまる仕組み。スマートフォンに別途イヤホンを接続することで、翻訳した内容を音声で聞くこともできる。

デモでは概ね正確に翻訳はできていたものの、車の話をしていたにも関わらず 「オリーブオイル」 に誤翻訳されていた場面もあった。これについては、まだデモ段階で翻訳精度が甘いところがあり、今夏の正式リリースに向けて精度を高めていく予定だという。

ポケトーク株式会社の代表取締役社長の松田憲幸氏は、「世界の競争力ランキングにおいて、日本の総合順位が落ちてきている現状を踏まえて、日本のグローバルなプレゼンスを高め、国際的競争力の向上に貢献していきたい」 と話す。ポケトークで言語の障壁をなくし、グローバル市場で日本企業の強みを発揮できるよう支援していく考えを示した。

なお、ポケトークは経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム 「J-Startup」 のパートナー企業として、「J-Startup」 に選定された188社の支援を行なっていく予定だ。

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