
3月19日、PLAUD株式会社は都内で新製品発表会を開催し、ウェアラブルAIボイスレコーダーの最新モデル「Plaud NotePin S」を発表した。メーカー希望小売価格は28,600円(税込)。
発表会では、PLAUDがAIノートテイキングデバイス市場において世界No.1ブランドに認定されたことや、日本が世界最大のアクティブユーザー数を誇る最重要市場であるという最新の市場動向が報告。
あわせて、トレジャーデータとの提携による日本企業向け法人ソリューション「Treasure AI Voice」の展開、プロサッカー選手の長友佑都選手を起用したブランド初のテレビCM放映、そして映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』とのコラボレーションキャンペーンなど、日本市場におけるビジネスとマーケティングの両面を強化する新たな戦略が語られた。
物理ボタン搭載と図解化機能で使い勝手を強化した「NotePin S」
「NotePin S」の製品紹介に登壇したセールスディレクターの鈴木直幸氏は、ユーザーの声を反映した進化点を説明した。
今回の大きな変更点は、操作系の見直しだ。従来の表面プッシュ式から物理ボタンへと改めたことで、ポケットの中など本体を見ずに操作する場面でも扱いやすくなった。長押しで録音開始、短押しで重要箇所をハイライト記録といった操作が、より確実に行える。
鈴木氏は「一言一句を逃せないレコーダーとしての役割を果たすため、確実に『押した感』が得られる操作性を追求した」と説明している。
装着方法の自由度も向上した。前モデルでは一部別売りだったアクセサリーが、新モデルではマグネットピン、クリップ、リストバンド、ネックレスの4種類すべてが標準同梱。約17.4gという軽量設計を維持しつつ、利用シーンや服装に合わせてスタイルを自在に選択できる。カラーはブラック、シルバー、パープルの3色展開。
さらに、今後のアップデートによりAppleの「探す」機能への対応も予定されており、紛失リスクへの対策も強化されている。
ソフトウェア面では、AI機能「Ask PLAUD」が大幅にアップデート。文字起こしや要約に加え、会議やブレインストーミングの内容を解析して図解形式で出力する「インフォグラフィック生成」機能を新たに搭載した。出力内容はそのまま資料として活用できる点が特徴だ。
要約には「GPT-5.2」や「Gemini 3.1 Pro」など複数のモデルを選択可能。112言語への対応に加え、話者識別、15種類以上の要約スキル、最大10件までのカスタムスキル作成にも対応するなど、実務での使い勝手を意識した設計となっている。
世界No.1ブランドへ、日本市場が成長をけん引
PLAUDは現在、世界170以上の国と地域で150万人を超えるユーザーを抱えるまでに成長している。調査会社のユーロモニターインターナショナルが2026年3月にまとめた最新レポートによれば、2025年のブランド別小売販売台数において、AIノートテイキングデバイス市場で世界トップブランドに認定されたという。今後は2030年までに、世界で5,000万人のプロフェッショナルの生産性向上に貢献することを目標に掲げる。
なかでも日本市場の伸びは際立っている。2024年の本格参入以降、2025年の売上高は前年比で約4倍に拡大し、グローバル全体でも売上構成比第2位の市場へと成長した。利用面でも存在感は大きく、月間アクティブユーザー数では米国を上回り世界第1位を記録。日常的な業務の中で活用されている実態がうかがえる。
こうした普及の背景には、国内での販売網拡大とデータ管理体制の整備がある。国内では大手家電量販店を中心に取り扱い店舗が400以上に広がっているほか、ユーザーデータはAmazon Web Servicesの東京リージョンで管理。
ハードウェア製造とデータ管理を分離した設計に加え、複数の国際的なセキュリティ基準に準拠することで、法人利用も見据えた信頼性の確保を進めている。こうした取り組みもあり、日本は同社にとって最重要市場の一つに位置付けられている。
法人向け展開と大規模プロモーションを本格化
発表会では、トレジャーデータ株式会社との提携による法人向けソリューションも紹介された。
同社代表取締役社長の三浦喬氏は、2026年4月13日から日本企業向けに「Treasure AI Voice」の提供を開始すると発表。録音データをクラウドへ即時転送し、端末内のデータを自動消去する仕組みを採用することで、情報管理面の不安に配慮している。
想定される用途としては、営業現場におけるトップパフォーマーの会話内容の共有・標準化や、カスタマーハラスメント対策などが挙げられる。
マーケティング面では、長友佑都選手を起用した初のテレビCMを公開。会場では本人のビデオメッセージも上映され、「記録をPlaudに任せることで、より会話に集中できて、後で振り返りまでできちゃうという、これがまた新しい時代が来ているな」とAIデバイスがもたらすコミュニケーションの変化を強調。
また、製品を実際に使ってみて最も驚いた点として、「Plaudが常に進化し続けている」ことを挙げ、トップアスリートらしく「これに関してはライバル感すら感じます。自分自身も絶対負けられない、成長したいという風に感じています」と述べ、「皆さんもぜひPlaudと一緒に最高の成長を目指して挑戦していきましょう」と呼びかけた。
さらに、発表会ではSF映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』との大型コラボレーションや、東京ビッグサイトで開催される国内最大級のIT展示会「Japan IT Week 2026」への出展などについても紹介された。PLAUDは個人・法人の両面から、国内での展開を一段と加速させていく構えだ。
