Pixel 9 比較｜Pixel 9／Pixel 9 Pro／Pixel 9 Pro Foldを全機種比べてどれがピッタリか考えてみよう

現地時間8月13日、米Googleは新製品発表イベントを開催。新型スマートフォン ｢Pixel 9｣ シリーズとして、｢Pixel 9｣ ｢Pixel 9 Pro｣ ｢Pixel 9 Pro XL｣ ｢Pixel 9 Pro Fold｣ の4機種を発表した。

これら新しい4機種はいずれも性能やデザイン、カメラ機能などにおいて異なる特徴を持っている。

そこで本稿では、｢Pixel 9｣ シリーズ4機種をすべて横並びで比較してみた。各モデルを比較しながら選びたい方はぜひ参考にしていただければと思う。

端末形状の違い：折りたたみかそうでないか

｢Pixel 9｣ シリーズ4機種からお気に入りの一台を選ぶうえで、一番最初に考えなくてはいけないのが、折りたたみできるモデルが欲しいかどうかだ。

シリーズ4機種のうち折りたたみができるのが ｢Pixel 9 Pro Fold｣ の1機種。一方で、折りたたみができないのが ｢Pixel 9｣ ｢Pixel 9 Pro｣ ｢Pixel 9 Pro XL｣ の3機種だ。

折りたたみができるスマートフォンは、大きな画面を折りたたみコンパクトに持ち運べることや、画面を分割して複数のアプリを同時に操作したり、スタンドや三脚といったアイテムを別途用意せずともセルフィー写真や動画を撮影することができるというメリットがある。

一方で、折りたたみができない従来型のスマートフォンは、折りたたみスマホに比べて製品性がシンプルであることから扱いやすいというメリットがある。

また、折りたたみができるスマートフォンはやはり高額になりがちだが、それは ｢Pixel 9｣ シリーズでも同様だ。後述するが ｢Pixel 9 Pro Fold｣ はカメラ性能が他2機種に比べて劣る部分があることから、カメラ性能を取るか、折りたためる利便性を取るかも大きな分かれ目となりそうだ。

ディスプレイ

各モデルの画面サイズは、｢Pixel 9｣ と ｢Pixel 9 Pro｣ が6.3インチ、｢Pixel 9 Pro XL｣ が6.8インチ。折りたたみできる ｢Pixel 9 Pro Fold｣ は、折りたたんだときが6.3インチ、広げたときが8インチだ。

先代の ｢Pixel 8｣ シリーズでは、上位の ｢Pro｣ モデルが大型＆高性能モデルとなっており、性能を重視する場合は必然的に大型の画面になることを享受しなければならなかったが、｢Pixel 9｣ シリーズでは、｢Pixel 9 Pro XL｣ が従来の ｢Pro｣ モデルのサイズ感、｢Pixel 9 Pro｣ が ｢Pixel 9｣ と同じサイズ感であることから、性能を重視する場合でも画面サイズの大小が選べるようになり、自分に合ったモデルをより選びやすくなったと言えるだろう。

もし ｢Pixel 9 Pro XL｣ よりも大きな画面が欲しい場合は、｢Pixel 9 Pro Fold｣ 一択ということになる。また、｢Pixel 9 Pro Fold｣ は画面を折りたたむと6.3インチになることから、大きな画面と小さな画面を使い分けて作業したい人に特にオススメだ。

搭載するディスプレイは、｢Pixel 9｣ のみがOLEDで、その他の3機種はLTPO OLED。LTPO OLEDの方がリフレッシュレートの最低値が低く、コンテンツに応じて消費電力を抑えることができるように思えるが、Googleの公称値的にはどのモデルもバッテリー駆動時間はあまり変わらないことから、ディスプレイの駆動形式と省電力性の関係についてはあまり意識する必要はないのかもしれない。

リフレッシュレートの上限は、4機種いずれも120Hz。どのモデルも滑らかなスクロールや滑らかなコンテンツ表示が利用できる。また、画面輝度もデバイスごとに多少数値が異なるものの、2,000ニト前後もあれば十分な明るさであることから、ここもあまり気にする必要はなさそうだ。

SoCの性能

スマートフォン全体の処理速度が決まるSoC (System on Chip)。｢Pixel 9｣ シリーズは4機種どれも同じ ｢Tensor G4｣ を搭載するため、SoCの性能については特に考える必要はないだろう。

本SoCは、最先端のAIモデルを実行できるように最適化されており、スマートフォン上でテキストや画像、音声を利用できるマルチモーダルなAI ｢Gemini Nano｣ を実行できる初のプロセッサとして搭載される。また、高度な写真撮影や動画撮影を可能にするほか、WEBブラウジングが最大20倍高速になり、アプリの起動も17倍高速になったとしている。

なお、Google独自設計のセキュリティチップ ｢Titan M2｣ も引きつづき搭載される。本チップは Googleが実際のデータセンターで使っているチップラインと同じもので、スマートフォンに入っている写真や動画、連絡先などのデータをセキュリティの脅威から守るほか、デバイスの起動時にセキュリティチェックを行い、不正なソフトウェアの実行を防ぐのに役立つ。

カメラ性能

｢Pixel 9｣ シリーズはカメラの性能に大きな違いがある。まずアウトカメラだが、カメラ構成は ｢Pixel 9｣ のみが広角＋超広角のデュアルカメラ構成 (=望遠なし)、その他のモデルはいずれも広角＋超広角＋望遠のトリプルカメラ構成となっている。

望遠カメラがあると遠くの被写体も光学ズームでキレイに撮影できるほか、最大20〜30倍の超解像ズームも利用できる。｢Pixel 9｣ の広角・超広角カメラは ｢Pixel 9 Pro／9 Pro XL｣ に搭載されているものと同じ性能であることから、｢Pixel 9｣ の性能も決して悪くはないものの、推し活などで遠距離の撮影を頻繁に活用するようなら、｢Pixel 9｣ 以外のモデルを選んだ方が良いだろう。

｢Pixel 9 Pro／9 Pro XL｣ と ｢Pixel 9 Pro Fold｣ から選ぶ場合でも、カメラ性能が異なることに注意が必要。たとえば超広角カメラの画素数は ｢Pixel 9 Pro／9 Pro XL｣ が4,800万画素であるのに対し、｢Pixel 9 Pro Fold｣ は1,050万画素しかない。望遠カメラも ｢Pixel 9 Pro／9 Pro XL｣ が4,800万画素、｢Pixel 9 Pro Fold｣ は1,080万画素とかなり差があることから、カメラ性能を重視する人は ｢Pixel 9 Pro／9 Pro XL｣ がオススメだ。

動画撮影においても性能差が設けられている。AIが色彩や明るさ、手ぶれを自動的に補正する ｢動画ブースト｣ 機能は、｢Pixel 9｣ 以外のモデルでしか利用することができない。動画撮影に力を注いでいる人も、やはり ｢Pixel 9｣ 以外のモデルがオススメだ。

インカメラについては、｢Pixel 9 Pro／9 Pro XL｣ の画素数が4,200万画素と最も高く、｢Pixel 9｣ ｢Pixel 9 Pro Fold｣ に関しては1,000〜1,050万画素程度に性能が抑えられている。

ただし、｢Pixel 9 Pro Fold｣ は高性能なアウトカメラを使ったセルフィー撮影ができるという、折りたたみならではの特徴があることも忘れないようにしたい。｢Pixel 9 Pro Fold｣ のアウトカメラと ｢Pixel 9 Pro／9 Pro XL｣ のインカメラでは、実は ｢Pixel 9 Pro Fold｣ のほうが画質が高いため、高品質なセルフィーを撮影できる。

日頃からセルフィーの撮影割合が多いという人は、｢Pixel 9 Pro／9 Pro XL｣ はモチロン、｢Pixel 9 Pro Fold｣ を選ぶのもアリということは覚えておこう。

温度センサー

｢Pixel 9｣ シリーズ4機種のうち、｢Pixel 9 Pro｣ ｢Pixel 9 Pro XL｣ の2機種のみ温度センサーを搭載する。この温度センサーは、物体の表面温度を非接触で測定できる機能で、たとえば調理中のフライパンや子ども用ミルクの温度を測定する用途などで利用できる。あまり利用シーンはない気もするが、同機能が欲しい方は ｢Pixel 9 Pro｣ ｢Pixel 9 Pro XL｣ を選ぶべし。

ちなみに、米国では体温測定にも利用することができる。日本では現時点では利用することができないが、将来的には利用できるようになるかもしれない。

バッテリーと充電

スマートフォンを選ぶうえで多くのユーザーが気にするポイントと思われるのがバッテリー持ち。

｢Pixel 9｣ ｢Pixel 9 Pro｣ ｢Pixel 9 Pro XL｣ ｢Pixel 9 Pro Fold｣ の連続駆動時間について、Googleはいずれも “24時間以上” と記載している。実際に丸一日もつかどうかはさておき、どのモデルもおおよそ同じ時間駆動できるとされていることから、比べるという意味ではこの数字はあまり気にする必要はないかもしれない。

ちなみに、バッテリー容量は ｢Pixel 9｣ と ｢Pixel 9 Pro｣ が4,700mAh、｢Pixel 9 Pro XL｣ が5,060mAh、｢Pixel 9 Pro Fold｣ が4,650mAh。連続駆動時間は同じ24時間だが、スーパーバッテリーセーバー機能を利用した際の駆動時間は ｢Pixel 9 Pro Fold｣ のみ72時間と短めになっていることには留意しておこう。

有線充電に関しては、｢Pixel 9｣ と ｢Pixel 9 Pro｣ が最大27W、｢Pixel 9 Pro XL｣ が最大37W、｢Pixel 9 Pro Fold｣ が最大21Wとなっている。

また、ワイヤレス充電は4機種いずれも利用できるものの、｢Pixel 9 Pro Fold｣ のみ急速ワイヤレス充電を利用することはできない。

カラーラインアップ・価格

｢Pixel 9｣ シリーズのカラーラインアップは、2〜4種類。どのモデルにもObsidianとPorcelainの2色があり、これらのカラーに加えて ｢Pixel 9｣ にはWintergreenとPeonyが、｢Pixel 9 Pro／9 Pro XL｣ にはRose QuartzとHezelが用意されている。

ドコモ・au・ソフトバンクの各キャリアで取り扱われるモデルのうち、一部のストレージ容量はカラーが限定されているものも。さらにオンライン限定販売モデルもあるため、購入時には自分の好みのカラーやストレージ容量が用意されているか必ず確認していただきたい。

各モデルのGoogle公式ストアにおける直販価格は、｢Pixel 9｣ が128,900円〜、｢Pixel 9 Pro｣ が159,900円〜、｢Pixel 9 Pro XL｣ が177,900円〜、｢Pixel 9 Pro Fold｣ が257,500円〜 (いずれも税込) 。

国内キャリアではNTTドコモ／au／ソフトバンクでの取り扱いが発表されており、通常販売価格と割引施策を利用した際の実質負担額が明らかになっている。詳細は以下の表を確認いただきたい。

スペック比較表

最後に、全てのモデルのスペックを一目で比較できるように、表を用意してみた。細かい違いが気になる方は活用いただきたい。

※ソフトバンクで割引施策 ｢新トクするサポート (プレミアム)｣ を利用するには、機種購入時から特典利用申込日まで ｢あんしん保証パックサービス｣ の継続加入が必要。｢あんしん保証パックサービス｣ の月額料金は ｢Pixel 9｣ ｢Pixel 9 Pro｣ が990円、｢Pixel 9 Pro XL｣ が1,590円、｢Pixel 9 Pro Fold｣ が1,980円 (いずれも税込／2024年8月14日時点) 。

(画像：Google)