ByteDance社の子会社であるPICOは20日、最新のXRデバイス 「PICO 4 Ultra」 を中国で発表した。
今回新たに発表された 「PICO 4 Ultra」 は、既存の 「PICO 4」 をベースに、性能とユーザー体験の両面で進化した高性能モデルとして投入される。
性能強化した 「PICO 4 Ultra」 が海外発表。簡易フルトラ実現できる小型モーショントラッカーも発売へ
「PICO 4 Ultra」 は、「PICO 4」 よりも高性能なハードウェアを搭載する。クアルコムの最新XR用チップセットである 「Snapdragon XR2 Gen2」 を採用し、GPU性能は約2.5倍、AI性能は約8倍向上した。また、メモリも12GBに強化。ストレージは256GBを用意。
ディスプレイも、片目あたり2160×2160の解像度で、リフレッシュレートは90Hzと同じだが、レンダリング解像度が1920×1920に向上 (PICO 4に比べて62%向上) したことで、画面に表示される映像がより高精細になり、細部までクッキリとした表示が可能になる。また、PICO 4と比較してディスプレイの明るさは25%向上しており、より鮮やかな映像体験が可能だ。
自由度は6DoF、トラッキングはHMDに搭載されたセンサーのみで行うインサイドアウト方式なので外部センサーは必要ない。
カメラは4つの赤外線カメラと2つの3200万画素のカラーパススルー対応カメラを搭載しており、精度の高いトラッキングと環境認識が可能。ハンドトラッキングにも対応する。
さらに、新たにiToF深度センサーを導入し、最大3メートルまでの距離をセンチメートル単位の精度で測定することができる。これによって、より自然で臨場感のあるMR (Mixed Reality) 体験が利用できる。
さらに 「PICO 4 Ultra」 では、空間ビデオ録画機能も充実している。解像度4096×1536で、60fps動画を撮影可能。加えて、空間手ブレ補正とジェリーフィッシュ効果 (映像や画面における歪み現象の一種) の軽減機能が搭載されており、より安定した映像を撮影できる。Appleデバイスなどほかデバイスで撮影した空間ビデオも視聴することが可能だ。
また、「パノラマワークベンチ」 機能も新たに追加され、最大20個のアプリケーションを同時に開き、360°のパノラマ表示が可能だ。これにより、作業効率が大幅に向上する。
「PICO 4 Ultra」 は、ソフトウェアも大幅にアップグレードされる。コントローラー、ジェスチャー、キーボード&マウスの同時使用が可能な 「多モードインタラクション」 を新たにサポートするほか、周囲の環境認識もリアルタイム環境マッピングやオブジェクト認識、空間アンカーの設定が可能。さらに、四季をテーマにした高解像度のメインコントロールルーム環境を追加し、より豊かな没入体験をもたらす。
本体重量は約580g (フロント304g+バック276g)。内蔵バッテリーの容量は5,700mAh。通信は、低遅延のWi-Fi 7をサポートする。
項目 | 詳細 |
---|---|
プロセッサ | Snapdragon XR2 Gen2 |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 256GB |
ディスプレイ | 解像度:片目あたり2160×2160 リフレッシュレート:90Hz レンダリング解像度:1920×1920 |
ディスプレイ明るさ | PICO 4に比べて25%向上 |
トラッキング方式 | インサイドアウト方式 (6DoF) |
カメラ | 4つの赤外線カメラ、2つの3200万画素カラーパススルー対応カメラ |
センサー | iToF深度センサー (最大3メートルまでの距離をセンチメートル単位で測定) |
ハンドトラッキング | 対応 |
MR (Mixed Reality) | 対応 |
空間ビデオ録画 | 解像度4096×1536、フレームレート60fps、空間手ブレ補正、ジェリーフィッシュ効果軽減 |
パノラマワークベンチ機能 | 最大20個のアプリを同時に開き360°のパノラマ表示 |
環境認識 | リアルタイム環境マッピング、オブジェクト認識、空間アンカー設定 |
重量 | 約580g (フロント304g+バック276g) |
バッテリー容量 | 5,700mAh |
通信 | Wi-Fi 7対応 |
価格 | 4299元 (約8.8万円) |
中国発売日 | 中国:2024年9月2日予定 |
日本発売 | 未定 |
エンタープライズモデル価格 | 4299元 (約15.5万円) |
「PICO 4 Ultra」 の価格は4299元。日本円では、約8.8万円相当となる。また、エンタープライズ向けモデルが4299元 (日本円で約15.5万円) で用意される。
中国では9月2日に発売予定だが、日本における展開があるかどうかは現時点では未定。続報に期待したい。
なお、本デバイスで利用できる小型のモーショントラッカー 「PICO Motion Tracker」 も同時に発売予定。価格は399中国元で、日本円にすると約8,200円相当になる。
(画像:PICO)