
AI画像生成サービスが増える中、無料で使えるオンラインツールとして「PicLumen」が公開されている。
本ツールはブラウザ上でプロンプト(テキスト)を入力するだけで画像を生成でき、写真の編集や白黒写真のカラー化にも対応する。登録不要で始められ、試しやすい点が特徴だ。本記事では、PicLumenが提供する3つの主要機能と、その概要を紹介する。
(提供:EaseUS)
PicLumenとは
PicLumenは、無料で利用できるAI画像生成サイトで、テキスト入力による画像生成のほか、画像の一部をAIで置き換える編集機能、白黒画像のカラー化などを備えたサービス。生成やダウンロードは無料で行うことができ、さらにオプションとして追加の解像度向上や限定スタイルなどが提供されている。
画像生成モデルは多様なスタイル指定に対応し、「リアル」「油絵」「アニメ」「サイバーパンク」など、プロンプト次第で幅を持った画像を作ることが可能。プロンプト解析には大規模言語モデルが用いられており、文章の文脈や雰囲気を読み取ったうえで出力されるのが特徴だ。
機能①:AIアート生成
PicLumenの中心機能となるのが、テキストを入力して画像を生成する「AIアート生成」だ。入力欄にイメージを記述し生成ボタンを押すだけで、数秒程度の処理で画像が生成される。
出力される画像の仕上がりはプロンプトの書き方に大きく左右され、スタイルや構図、雰囲気まで指定することで適度にコントロールできる。
現時点では日本語でのプロンプト入力には対応していないようだったので、英語のプロンプトでいくつか画像を生成してみた。プロンプトの内容はきちんと理解してくれているようで、こちらの意図を理解した画像を生成してくれていた印象だ。
▼ 入力したプロンプト
A wide-angle shot of a futuristic city with layered highways, flying vehicles, and detailed buildings at different depths.
▼ 入力したプロンプト
A cat sitting on a wooden table, soft morning light, high detail fur texture.
▼ 入力したプロンプト
A futuristic city skyline at sunset, anime-style, bold outlines and vivid colors.
SNS投稿やYouTubeサムネイル、印刷用ポスターなど、用途そのものはユーザー次第だ。出力画像はアップスケーリングにも対応しており、用途によっては高めの解像度も選べる。
機能②:AI置き換え(インペイント)
画像の一部をAIで編集できるのが「AI置き換え」機能だ。不要物の削除、背景の変更、髪型や服装の変更、色の置き換えなど、ブラシで対象部分を塗りつぶし、指示を入力するだけで編集ができるという機能で、PicLumenで生成した画像に加えて、ユーザー自身の写真をアップロードして編集することもできる。
用途としては、EC商品の背景差し替えや色違いパターンの作成、SNS用の写真調整、マーケティング素材の一部修正などが挙げられる。また、顔の入れ替えや髪型の変更といった遊び用途にも利用できそうだ。
利用するにはアカウント登録が必要になる。1日に数枚程度の写真を処理する分には無料で作業できるため、まずはアカウントを作成しよう。
編集の流れは以下のとおり。
- 修正する部分をブラシで塗りつぶす
- テキストで指定を入力する
- 生成を実行する
今回はPicLumenで生成した画像の一部(女性が持つ本)をブラシで選択してプロンプトを入力してみたところ、なぜか全体が置き換わってしまった。何度か試しても筆者の環境では結果は変わらなかったため、この機能については残念ながらこれ以上試すことはできなかった。
ただし、AI置き換えではなく、「編集」からプロンプト入力で本を置き換えるように指示してみたところ、自然に修正してもらうことができた。画像の一部分だけを置き換えしたい場合には、この方法を試してみていただきたい。
ちなみに、自分の写真をアップロードして編集できないか試してみたところ、現時点で自分の画像の一部だけを編集することはできないようだ。この点については今後のアップデート待ちとなりそうだ。
機能③:AIカラー化(白黒写真・線画の着色)
白黒写真や線画をカラー化するための専用機能「AIカラー化」も用意されている。アップロードした画像を分析し、自動で色を適用する仕組みだ。家族写真など過去のモノクロ画像の復元から、線画を着色してイラスト化したいケースまで幅広く対応する。
また、プロンプトを入力することで、色味の方向性やスタイルを調整することもできる。線画をアップロードしてそのまま着色するほか、PicLumenのラインアートモデルで線画化したうえで着色に進むことも可能だ。手順は以下のとおり。
- 画像をアップロードする
- カラー化ツールを開く
- 必要であればプロンプトで色味の指定を行う
- 確認して生成する
まずは「AIアート生成」で線画を生成してもらい、その線画に対して着色するよう指示してみたところ、イラストのディティールは少し変わってしまったが、概ね指示通りに着色してもらうことができた。
まとめ
PicLumenは、AI画像生成、画像編集、カラー化の三つをブラウザだけで完結できる点が特徴で、追加のアプリや編集ツールを必要としない。生成自体が無料で試せるため、AI画像を使ってみたいユーザーにとっては入り口として扱いやすい。
SNS投稿やEC商品画像の作成など、明確な用途があるユーザーだけでなく、AI画像を試してみたい人にも向いている。編集経験がないユーザーでも扱えるインターフェースになっているため、操作の難易度は比較的低いと言えるだろう。あとは日本語でのプロンプト入力に対応すれば、より手軽に使えるサービスになってくれそうだ。
今回試した中では、「AI置き換え(インペイント)」のように正しい挙動ができない機能もあったものの、基本的に「編集」機能を使ってプロンプトで修正したい部分を指示することで代替することはできた。こちらの指示内容は概ね問題なく理解できていることから、各機能の調整は今後のアップデートに期待して、現段階ではプロンプトを使って作業するのがオススメだ。
