2021年1月、OWCはThunderbolt 4に対応したドッキングステーション 「OWC Thunderbolt Dock」 を発売した。
本製品はApple Silicon MacやIntel Mac、Thunderbolt 4ポートを搭載するWindows PCで11ポートを拡張できる便利アイテム。特に搭載ポート数が少ないM1 Macに多数のアクセサリを接続したいときに活躍してくれる。
今回、この 「OWC Thunderbolt Dock」 を販売元から提供いただき、約1ヶ月ほどじっくりと試用することができたため、仕様や使い勝手など本製品の特長を紹介したいと思う。
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デザイン・仕様
上記写真が 「OWC Thunderbolt Dock」 の本体。外装はアルミニウム仕上げになっていて、同じくアルミニウム仕上げのMacとの相性は抜群だ。
本体サイズは長さ7.4cm×幅19.8cm×高さ2.6cmと大きめで、重量も400gとPC周辺機器としてはヘビー級。ACアダプタも大きくて重いので、基本的にデスクに据え置いて使うことを前提とした製品になるはずだ。
搭載ポートは以下の11ポート。各ポート類は前面と背面に分かれて配置されている。
- 最大90W出力対応のThunderbolt 4ポート ×1
- 高電力充電付きUSB 2.0 Type-A (BC 1.2) ×1
- SD4.0カードリーダー ×1
- コンボオーディオ入力/出力ジャック ×1
- Thunderbolt 4 (USB-C) ×3
- USB 3 Type-A (10Gb/s) ×3
- ギガビットイーサネット ×1
本製品とMac・PCを接続するだけで、USB 3 (Type-A) ポートを3つ、Thunderbolt 4 (Type-C) ポートを3つ拡張できる。これらのポートは従来規格との互換性もあるため、古めの周辺機器から最新の周辺機器までどんなデバイスも接続できる。
特に注目していただきたいのが背面の3つのThunderbolt 4ポート。これらのポートではそれぞれ独立した3つのデイジーチェーンを作成できるため、各チェーンから他のデバイスに影響を与えることなくデバイスを自由に取り外せる。
さらにMacやPCと接続する前面のThunderbolt 4ポートは最大90Wのパススルー充電にも対応する。MacBook Proなどの高出力を必要とするデバイスでも、充電しながら使い続けることが可能だ。筆者の13インチMacBook Proも60Wのフルスピードで充電できていることを確認した。
画面出力はThunderbolt 4ポートを使用する。4Kディスプレイなら最大2台(60fps)、5K/6K/8Kディスプレイなら最大1台(30fps)をサポート。HDMIポートは搭載されていないため、もしHDMI接続のディスプレイを使っているならHDMI変換アダプタを用意しておこう。
SDカードリーダーや3.5mmオーディオジャック、ギガビットイーサネットポートなどが搭載されているのも嬉しいポイント。特にSDカードリーダーについては現行MacBookシリーズからは排除されているため、カメラの写真の移し替えの際に何度も活躍してくれた。
各ポート類の上に用意されている小さな穴は、ケーブル抜け防止スタビライザー 「
実際に使ってみた
実際に 「OWC Thunderbolt Dock」 を筆者のM1 MacBook Proに接続して使ってみた。
筆者は外出時、どこでも仕事ができるようMacBook Proを普段から持ち歩いていて、自宅に帰るとMacBook Proをデスクに置き、充電ケーブルと外部ディスプレイを接続して作業を継続することも多い。
そのため、デスクにOWC Thunderbolt Dockを配置し、背面ポートに普段使う外部ディスプレイやWebカメラ、マイク、外付けHDDなどの周辺機器をあらかじめ接続。帰宅したときにMacBook ProやMacBook Airを接続するだけで、普段の作業環境をすぐに構築できるようにしてみた。
MacBook Proとの接続には、付属のThunderbolt 4ケーブル (0.8m) を使用するのが手っ取り早くてオススメ。Thunderbolt関連の規格は適合・不適合を調べるのがすこし複雑なため、最適なケーブルが最初から用意されているのは非常にグッドなポイント。
実際にこの方式を採用してから約1ヶ月が過ぎたが、帰宅してケーブルを1本接続するだけで全部の周辺機器がすぐに使えるようになるのはやはり便利。MacBook Pro本体の充電すらもできてしまうので、帰宅してから作業を始めるまでの時間がとても短くなったように思う。
先日発売したばかりの初のApple Silicon搭載iMac 「24インチiMac」 にも接続してみた。iMacもMacBook Proと同じM1チップが搭載されていることから、基本的にはMacBook Proと同じように動作することが確認できた。
iMacは背面側に外部ポートが集約されているため、OWC Thunderbolt Dockに接続することで各種デバイスが接続しやすくなる。iPhoneやiPadのバックアップを取得したり、ミュージックライブラリを更新するときにも、わざわざ背面に手を伸ばすことなく手元で簡単に接続できて便利だ。
筆者は所有していないが、おそらくMac Proとの接続も快適だろう。Mac ProはThuderbolt 3をサポートしているが、筐体の大きさゆえデスクトップと遠い場所に設置していることが多いと思う。「OWC Thunderbolt Dock」 を使用することで、手が届く範囲に各種ポートをもってこられるのは地味に便利なはず。
OWC Thunderbolt DockはMacだけでなくWindows PCにも対応する。Thunderbolt 4ポートを搭載したデスクトップ・ノートPCがあるならMac同様に便利に使えるはずだ。
まとめ
「OWC Thunderbolt Dock」 は、ケーブル1本でMac・PCと接続するだけで、高規格なポートを多数拡張できる超便利アイテム。
ポート数がすくなく、そのままではたくさんの周辺機器が接続できないM1 MacBook ProやMacBook Airの拡張はもちろん、ポートが背面にあってアクセスしづらいiMacにも最適だ。
サイズや重量の関係で普段の持ち運びにはあまり適さないものの、ワーケーションなどで自宅から長期間離れて仕事をするときには、旅行カバンに入れて持って行くと滞在先でも役に立ってくれるはず。
個人的には本製品にはHDMIポートが搭載されていたなら完璧だったと思うのだが、筆者の場合は小型のHDMI変換アダプタを持っているのでとりあえずそれを継続使用することにする。もし万が一外出先のディスプレイ・テレビで映像出力する機会がある場合には、HDMI変換器を持って行くのをお忘れなく。
本製品は41,800円 (税込) とドッキングステーションとしてそれなりに高額な部類に入る。とはいえ、実質的に 「OWC Thunderbolt Dock」 のようにThunderbolt 4に対応しながら、USB Type-Aポートなど複数のポートをもつ製品は他にはほとんどないことから、現状ではThunderbolt 4対応のドッキングステーションの決定版的製品とも言える。
今後登場するMac・PCや周辺機器を使う上でも活躍が見込めることを考慮すると、奮発して購入するのはアリなのではないだろうか。
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