
ストレージや接続ソリューションで知られるOWC(Other World Computing)が、最新規格Thunderbolt 5に対応する2つの新製品を発表した。Mac Studio向けの「OWC StudioStack」と、PCIe拡張ボックス「OWC Mercury Helios 5S」だ。いずれも2025年11月19日から21日まで幕張メッセで開催される「InterBEE 2025」で世界初公開される。
Thunderbolt 5は最大80Gbps(片方向最大120Gbps)の帯域を持つ最新規格で、従来より2倍の転送性能を実現する。OWCはこの規格をいち早く活用し、クリエイティブ業界やAI開発者が直面する「速度と容量の壁」を突破する製品群として打ち出している。
Mac Studioの限界を拡張する「OWC StudioStack」
「OWC StudioStack」は、Mac StudioやMac mini(2018〜2023年モデル)に対応したThunderbolt 5対応ストレージソリューション。
最大の特徴は、SSDとHDDを組み合わせたハイブリッド構成で、最大8TBのNVMe SSDと24TBのHDDを同時搭載できる点だ。512GB構成のMac Studioと比較すると、最大64倍もの容量を追加できる計算になる。
速度面でも妥協がない。Thunderbolt 5接続時には最大6,302MB/sという転送速度を実現し、動画編集やCGレンダリング、大規模AIモデルのデータ処理にも十分対応できる。さらにThunderboltやUSB-Aを含む6ポートを備え、外部ディスプレイや周辺機器との接続にも柔軟に対応する。
NVMe(PCIe 4.0対応)M.2 SSDとSATA 6Gbpsの3.5/2.5インチHDDスロットをそれぞれ1基ずつ備えるなど、構成の自由度も高い。AIエンジニアやVFXクリエイターなど、処理速度と容量を両立したいユーザーにとって理想的な拡張ベースになるだろう。価格は329.99ドルから。日本での発売時期は現時点で未定だ。
PCIeカードを手軽に外付け化する「OWC Mercury Helios 5S」
もう一つの新製品「Mercury Helios 5S」は、PCIeスロットを持たないMacやノートPCをプロ仕様のワークステーションへ変えるThunderbolt 5対応の拡張ボックスだ。PCIe 4.0 x4(フルハイト・ハーフレングス)スロットを1基搭載し、最大6,000MB/sの転送速度で動作する。
特徴的なのは、Thunderbolt 5ポートを3基備える点。最大80Gbpsの双方向通信をサポートし、ディスプレイ接続時にはThunderbolt Bandwidth Boostによって最大120Gbpsの映像帯域を確保できる。8Kビデオキャプチャカード、DSPカード、高速ネットワークカードなどを1本のケーブルで簡単に追加でき、ツールレスで拡張可能だ。
価格は税込56,300円を予定しており、国内発売は2025年12月の見込み。3年間の保証が付属する。ポストプロダクションやVFXチームなど、限られたスペースで高性能なPCIe拡張を求めるプロにとって、強力な選択肢になる。
InterBEE 2025ではこの2製品に加え、USB4 NVMe SSD「OWC Express 1M2 80G」や、Thunderbolt 5対応ドック「OWC Thunderbolt 5 Dock」、プロ向けRAID SSD「OWC ThunderBlade X12」など、同社の最新ポートフォリオが一堂に展示される予定だ。Thunderbolt 5時代の到来を告げるOWCブースは、次世代の制作環境を探るクリエイター必見の場になりそうだ。
(画像:OWC)
