経営難に陥っていたオンキヨーホームエンターテイメントは本日5月13日、大阪地裁に自己破産を申請し、同日中に破産手続き開始決定を受けたと発表した。
負債総額は約31億5000万円。今回の破産申請にともない、同社は 「取引先、株主、関係者の皆様には多大なるご迷惑をおかけしますこと、誠に申し訳なく心からお詫び申し上げます。」 とコメントしている。
オンキヨーは1946年に創業し、1980年内には高級スピーカーなどで人気を博したオーディオ名門。高品質な音響メーカーとして愛好家も多かったが、スマートフォンなどより手軽なデバイスで音楽を楽しむユーザーが増えたことによるオーディオ市場の縮小に対応できなかった結果、資金繰りに行き詰まり経営破綻に至った。
2019年5月に、Sound United LLCの持株会社であるViper Holdings CorporationとホームAV事業の売却で合意。その事業売却代金で債務解消や資金繰りの改善を図る予定だったが、同年10月に本事業譲渡が中止となった。
その後、Voxx International Corporationと米国での販売提携によるワーキングキャピタルの良化および構造改革によるスリム化を実施。再度ホームAVを中核に事業の再建を目指しながら、米国ファンドとの資本増強策で債務超過解消、上場維持を計画したが、米国ファンドの増資が行われず二期連続の債務超過が確定。上場廃止が決定した。
今度は債務超過の解消および遅延債務の完済を目指すため、新たに2019年5月にVoxx 社とホームAV事業売却で合意に至ったものの、新型コロナウィルスによる影響などで売却に時間を要した結果、その期間の固定費のコストが吸収できず、結果的に約20億円を超える債務が完済できない事態となる。オンキヨーマーケティングやオンキヨーサウンドなどの子会社・事業を売却することで解決を図ったが、長く続く半導体不足の影響で残る2社の事業継続も困難となり、2022年2月に事業活動を停止。
その後も半導体供給不足の解消の見通しが立たず、手数料収入も当初予定を大きく下回る。一方で、費用削減にも限界があり、資金繰りに困窮したことから、これ以上の事業継続は困難と判断。破産手続きの申し立てをすることになったとのこと。
関連リンク
・関係者の皆様へ – onkyo.com (PDF)
・破産手続開始の申立てに関するお知らせ – onkyo.com (PDF)
(画像:オンキヨーホームエンターテイメント)