Facebook傘下のOculusは、2018年9月に開催された開発者向けイベント 「Oculus Connect」 でスタンドアロン型ヘッドセット 「Oculus Quest」 を発表していたが、さらにもう1つの新型VRヘッドセットも開発中であることが明らかになった。
その新型モデルの名前は 「Oculus Rift S」。名前から推測するに、現行の 「Oculus Rift」 の後継にあたるモデルだ。米メディアUploadVRは、Oculus Riftソフトウェアのサポートファイルの中から、この 「Rift S」 の存在が確認できるコードが発見されたと伝えている。
「Rift S」は外部センサー不要、ソフトウェア側でIPD調整可能
今回発見されたコードからは、「Rift S」 のトラッキング方式とIPD調整の方法が現行モデルの 「Rift」 からアップグレードされていることが推測できる。
まずトラッキング方式に関してだが、「Rift」 が外部センサーをPCに接続してトラッキングする 「アウトサイドイン方式」 であるのに対し、「Rift S」 はヘッドセット自体にセンサーを内蔵し、外部センサーを必要としない 「インサイドアウト方式」 であるという。
これは、「Rift S」 の設定内にカメラを室内照明の周波数に合わせる項目があり、この設定項目がヘッドセットのセクションの中にあることから判明した。トラッキングを行うための外部センサーは基本的には別のデバイスとして認識されるため、ヘッドセットのセクションに設定項目があるということは、トラッキング用のカメラが 「Rift S」 本体に搭載されると考えられるだろう。
そして、次がIPD調整に関して。こちらは 「Rift」 が本体にあるツマミを使って物理的に調整するのに対し、「Rift S」 はツマミが廃止され、ソフトウェアベースでの調整になるという。
IPDとは 「瞳孔間距離」 といって左右の黒目の間の距離を示すもので、これを正しく設定することでVR空間を正しく見えるようにする重要な設定だ。多くのVRヘッドセットは 「Rift」 と同様にIPD調整をハードウェア側で物理的に行っているのだが、これが「Rift S」 ではソフトウェア側で調整する方式に変更されるという。
上記2つの変更が本当に行われたなら、「Rift S」 は 「Rift」 よりも快適にVR体験ができるようになりそうだ。
特に重要なのがトラッキング方式がインサイドアウト方式になること。現行の 「Rift」 は高負荷をかける外部センサーをPCに繋ぐ必要があり、そこそこ高いスペックを持ったPCでなければその負荷に耐えることができないという問題があったため、外部センサーが不要になることでもう少し性能の低いPCでも、VRを楽しむことができるようになるかもしれない。
現時点で 「Rift S」 に関する情報はまだ少なく、発表日や発売日がいつになるのかは不明。もし近々 「Rift」 の購入を検討している方は、もう少し待てば最新モデルを手に入れることができるかもしれない。続報に期待したい。
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