現地時間9月13日、米NVIDIAはソフトバンクグループおよびソフトバンク・ビジョン・ファンドから英Armの全株式を取得・買収することを正式に発表した。
買収総額は約400億ドル(約4.25兆円)、NVIDIAがソフトバンクGに対して120億ドルの現金および215億ドル相当のNVIDIA株式を渡す。さらに、アーンアウトとして最大50億米ドルが、Armの業績が最終契約において規定された一定の財務指標を達成することを条件としてソフトバンクGおよびソフトバンク・ビジョン・ファンドに対して支払われることになっている。
買収には英国や中国、EUおよび米国など複数の規制当局の承認等が必要なため、取引の完了には約18ヶ月かかる見込みだ。買収後、Armの拠点は引き続きケンブリッジに残されるかたちとなり、同社ブランドも残される予定だ。
米NVIDIAが英Armの全株式を取得
英Armは、ソフトバンクGおよびソフトバンク・ビジョン・ファンドが保有する100%子会社。マイクロプロセッサーの IPおよび関連テクノロジーのデザイン、ソフトウェアツールの販売、ソフトウェアサービスの提供を主に行っている会社だ。ソフトバンクが2016年に約3.3兆円で買収したことが世界的な話題となった。
売却先となる米NVIDIAは、半導体の製造・販売を行う会社だ。かつてソフトバンクGはNVIDIAの株式(4.9%)をソフトバンク・ビジョン・ファンドを通じて保有していた。2019年に一度手放していたが、今回の買収によってふたたび同社の主要株主となる。
ソフトバンクGの孫正義社長は、今回の売却発表にあわせて以下のコメントを発している。
NVIDIAは、Armにとって理想的なパートナーです。Armを買収して以来、私たちは私たちの掲げたコミットメントを重んじ、人材、テクノロジー、R&Dに重点的に投資し、高成⻑を見込める新しい領域にビジネスを拡大してきました。テクノロジーのイノベーションにおける世界のリーダーと一緒になることはArmに新しくエキサイティングな機会をもたらします。このたびの両社の魅力的な連合は、Arm、ケンブリッジ、英国が現代のテクノロジーのイノベーションの最前線に立つことであり、当社がNVIDIAの主要株主として、Armの⻑期に渡る成功に投資していくことをうれしく思います。今後のビジネスの継続的な成功をサポートしていけることを楽しみにしています。
今回の買収は、新型コロナウイルスを受けて投資による損失から回復したいソフトバンクにとって、大きなディールとなるだろう。ただし、NVIDIAによるArm買収は独占禁止法関連との精査が必要になることから、買収取引は当初想定よりも長引く可能性がある点に留意が必要となる。
ちなみにArmといえば、AppleがMacにARMベースチップを採用することを今年6月に発表している。Armはプロセッサーのアーキテクチャーを設計・開発しており、こういった企業に対してライセンスを付与している。
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