
NVIDIAはCES 2026において、描画性能の強化にとどまらず、ゲーム体験そのものを底上げする周辺技術のアップデートを発表した。新世代ディスプレイ技術「G-SYNC Pulsar」と、AIキャラクター技術「NVIDIA ACE」だ。
DLSS 4.5がレンダリングの中核を担う技術だとすれば、これらは「どう見え、どう遊ぶか」に直接関わる要素と言える。
1,000Hz超の体感を目指すG-SYNC Pulsar

G-SYNC Pulsarは、可変リフレッシュレート(VRR)技術を進化させた新しいディスプレイ技術だ。
360Hzの高リフレッシュレートパネルをベースに、可変周波数バックライト・ストロービングを組み合わせることで、実効的に1,000Hzを超えるモーションクラリティを実現するとしている。
従来のディスプレイでは、フレームが切り替わる間もバックライトが点灯し続けるため、動きの速い映像では残像が発生しやすかった。G-SYNC Pulsarでは、映像の更新タイミングに合わせてバックライトを精密に制御する「ローリングスキャン」を採用することで残像を大幅に抑え、通常の表示と比べて最大4倍の鮮明さを提供するという。高速移動する敵キャラクターや、エイム中の細かな動きも追いやすくなり、FPSやeスポーツ用途での効果が期待される。

あわせて発表された「G-SYNC Ambient Adaptive」は、ディスプレイに内蔵された光センサーを用いて、周囲の照明環境に応じて輝度と色温度を自動調整する機能だ。時間帯や設置環境が変わっても、見やすさを一定に保つことを狙っている。
G-SYNC Pulsarに対応するディスプレイは、ASUS、Acer、AOC、MSIといったパートナー各社から、2026年1月7日より順次発売される。いずれも27インチのIPSパネルを採用し、解像度はWQHD(2560×1440)、リフレッシュレートは360Hzという構成を共通仕様としている。価格は599ドルから。
NVIDIA ACEがもたらす「考える」ゲームキャラクター

もう一つの注目が、AIエージェント技術「NVIDIA ACE」だ。
ACEは、ゲーム内のNPCを、決められた行動や台詞を繰り返す存在から、状況を理解し、自律的に振る舞うキャラクターへと進化させるための技術スイート。『Total War: PHARAOH』では、ACEを用いたAIアドバイザーが導入される。

1,200以上のテーブルに及ぶ複雑なゲームデータを、RAG(検索拡張生成)と小型言語モデル(SLM)で処理し、プレイヤーの現在の状況に応じた助言をリアルタイムに提供する。単に操作説明をするだけではなく、ゲームの世界観やキャラクター設定を保ったまま案内する点が特徴だ。

『PUBG: BATTLEGROUNDS』では、ACEを活用したAIチームメイト「PUBG Ally」が発表された。PUBG Allyは、音声認識(ASR)、言語モデル(SLM)、音声合成(TTS)を組み合わせることで、音声による自然なコミュニケーションを可能にしている。
大きな特徴は、長期記憶(Long-term memory)を備えていることだ。過去の試合内容やプレイヤーとのやり取りを記憶し、それを踏まえたコメントや戦術提案を行う。プレイヤーごとに振る舞いが変わるため、BOTとは異なる協力プレイ体験を目指している。
PUBG Allyは、2026年前半に期間限定のテストとして提供予定。対応言語は英語、韓国語、中国語だ。
(画像:NVIDIA)




