NTTドコモは2016年3月から「2年縛り」を違約金なしで解約できる「更新月」の期間を現行の1ヶ月間から2ヶ月間に延長する予定であることが明らかになった。
「2年縛り」解約時の相次ぐトラブルを減らすため
産経ニュースによると、NTTドコモだけでなく、携帯大手三社についても「更新月」の期間を延長する方針であると伝えており、今後ユーザーの乗り換えに対して障壁が減ることとなりそうだ。
現在、携帯大手3社は「2年縛り」を伴う契約方法を用意しており、スマホの端末料金を割り引く代わりに2年間の縛りをユーザーに対して課している。おそらくほとんどのユーザーがこの契約形態を取っていることだろう。
従来の制度では、ユーザーはキャリアと「2年縛り」契約を結んだ場合、契約から24ヶ月後の「更新月(1ヶ月間)」は違約金なしで他社への乗り換えができるようになっている。だが、この期間を過ぎてしまうと「2年契約」が自動更新されてしまい、次の「更新月」になるまで解約する際に違約金が発生してしまうというものだった。
この「2年縛り」をめぐっては、ユーザーとキャリア間で解約時のトラブルが相次いで発生しており、総務省や消費者団体は各社の契約の形態を問題視している経緯がある。
これらを是正し、ユーザーとのトラブルを少しでも軽減するために携帯大手三社は解約金のかからない「更新月」の期間を現在の1ヶ月から2ヶ月に延長する意向を示したとのことだ。
具体的な日付についてはまだ分からないが、まずはNTTドコモが2016年の3月に実施する予定で、その後KDDIは5月から、ソフトバンクは3月以降できるだけ早期に実施する方針だそうだ。
総務省が求める2年縛り廃止や「契約月」期間ルールの廃止には至らず
今までもキャリア側は「更新月」の期間を延長する以外にも、更新月が訪れる前月にキャリア側から「更新月」が近づいていることを知らせるメールが送られる仕組みも導入しており、「2年縛り」ルールの廃止や「契約月」ルールの廃止には至らなさそうだ。
今回の「更新月」の延長も然り、「携帯料金の値下げ」も然り、総務省が大手三社に求めているのはより自由な競争とユーザーの利便性である。総務省としては、この「2年縛り」ルールや「自動更新」ルールなどに関してもキャリア間の競争を妨げていると問題視していることもあり、今後もこれらのルール自体の是非が問われることになるだろう。
ただし、大手キャリア三社の今までの傾向を見ていると、仮にこれらのルールが廃止されたとしても、また新たな顧客囲い込みルールが新設されるイタチごっこになるのではないかと僕個人としてはとても心配だ。
[ via 産経ニュース ]