サングラスのような見た目で気軽にAR体験ができる最新のスマートグラス 「Nreal Air」 が、今年3月にKDDIとドコモから発売した。
Nreal Airはサングラスのように装着するスマートグラスで、両眼のレンズにスマートフォンなどのデバイスから映像を投影してコンテンツを楽しむことができる。
今年4月、筆者はNreal Airをレンタルできる機会をいただき、実際に本製品を使ってみることができた。当記事ではNreal Airがどんな製品なのか、どんなことができるのかについて紹介したいと思う。
Nreal Airのデザイン/仕様
上記がNreal Airの本体。メガネ型のデバイスではあるものの、レンズやテンプル (つる) の部分が一般的なサングラスよりも大きいため、製品画像で見るよりもゴツめの見た目になっている。
本体サイズは幅148 × 奥行52 × 高さ159mmで、重量は約79g。VRヘッドセットなどに比べればずっと軽く、気軽に装着してコンテンツを楽しめる。折りたたんで持ち歩ける点もグッド。
ただし、メガネ型のデバイスということで鼻当て部分に重さが集中してしまい、ずっとつけ続けているとさすがに鼻が痛くなってきてしまった。長時間装着するときには適度な休憩を挟みつつ使いたい。
2つのレンズ部分には、解像度1920×1080の有機ELディスプレイがそれぞれ内蔵されていて、ハーフミラーによって視界に上書きするように映像が見える仕組み。
視力が悪い人は、付属する 「視力補正用レンズフレーム」 に専用の視力矯正用レンズを装着すれば、メガネをつけているときと同じような感覚で使用できる。メガネをつけた状態でNreal Airを装着することはできなかったので、メガネユーザーの人は視力矯正用レンズの購入が必要になることを覚えておこう。
ちなみに、Nreal Airの視力矯正用レンズはJUN GINZAで購入することができる。遠近両用レンズの取り扱いもあるため、とにかく視力の問題で見えづらさを感じた場合はJUN GINZAへ問い合わせを。公式サイトはこちらから。
Nreal Airは単体では使用できず、スマートフォンやタブレットなどの対応端末とUSB-Cケーブル経由で接続することで映像を投影する。今回筆者はNreal Air対応のAndroidスマートフォンと専用アプリ 「Nebula」 を使って映像を出力してみた。
「Nebula」 アプリには 「MRモード」 と 「Air Casting」 の2つのモードが用意されていて、さらに 「Air Casting」 はフルスクリーンモードとサイドスクリーンモードが利用できる。
「MRモード」 は自分の目の前にPCのような画面を表示するモードで、Google ChromeでWebサイトを見たり、YouTubeの動画を見たりできる。
実際に見える映像は上記画像のような感じ。この映像が背景の景色の上に浮かび上がっているようなイメージ。スマートフォンがコントローラーになっていて、アイコンに向けて画面をタップすることでコンテンツを選択できる。
「Air Casting」 は、単純にスマートフォンの画面を目の前の空間に表示するモード。手元のスマートフォンの映像を空中に表示するイメージだ。フルスクリーンモードにすると自分の目の前に大きく画面が表示され、サイドスクリーンモードにすると視界の端にだけコンテンツが表示されている状態。
がっつりコンテンツに没頭したいならフルスクリーンモード、マルチタスクのお供として使いたいならサイドスクリーンモードで使うようにしよう。
Nreal Airの映像はかなりはっきり見えるものの、後ろの景色を完全に遮断してしまうわけではないため、周りが見えなくなってしまうヘッドセットタイプのデバイスに比べると周囲の家具などにぶつかってしまうリスクは低い。
ただし、筆者が家の中を歩きながら使ってみたところ、映像に気を取られてしまって真っ直ぐ歩くことが難しかった。ある程度の慣れが必要なのかもしれないが、基本的には椅子やソファにしっかり座った状態で使うことをオススメする。
ちなみにNreal Airの音声は、本体のテンプル (つる) 部分に搭載されているスピーカーから聞こえてくる仕様で、イヤホンやヘッドホンを別途装着する必要はない。仕組み上、音漏れはないとは言い切れないので、公共の場で使うときには周囲への配慮をお忘れなく。
まとめ
スマートグラスは、現実にはないものをレンズを通して拡張する未来のガジェット。近未来SFなどでよく見るお馴染みデバイスだが、現代においてはまだ先のデバイスという感じ。普及を夢見ているユーザーもかなり多いのではないだろうか。
筆者もスマートグラスには個人的にはとても注目していて、今回Nreal Airを触らせていただいて、時代の最先端に近い体験を楽しむことができたように思う。
Nreal Airの良い点は、対応デバイスにケーブルで接続するだけですぐに使い始められること。ヘッドセットタイプのデバイスは使い始めるまでの準備に時間がかかりがちだが、Nreal Airはそういったデバイスに比べると 「気軽に使える」 感があった。
重量の関係でずっと使い続けるのが困難だったり、対応デバイス・コンテンツが限定されているという点においては、まだまだNreal Airを装着して毎日生活するのは現実的ではないかもしれない。
しかし、これからスマートグラスという新しいジャンルに足を踏み入れてみたい、体験してみたいという人にはワクワクできるデバイスになっているはず。価格も39,800円(税込)とこの手のデバイスとしては安めなので、興味がある人はぜひお手に取ってみてはどうだろうか。
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