日経225社の68%が利用するAI文字起こし「Notta」 年内に累計700万ユーザーへ成長見込み。新たに4つのAI機能が追加

文字起こしに長けたAI会議アシスタントサービスの 「Notta」 は、8月23日に報道関係者向けの 「AI新機能発表会」 を開催。

新COOに就任した田村清人氏による就任挨拶および、Nottaが提供する新しいAI機能を紹介した。本稿はそのレポート記事となる。

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今年8月に累計利用者500万人を突破。「Notta」 の現況が発表

新たにCOOに就任した田村清人氏

今回の新機能発表会では、冒頭にNotta株式会社のCOO (最高執行責任者) に新たに就任した田村清人氏による挨拶があったほか、Nottaの現況について紹介があった。

田村氏は、米国金融機関、アドテク企業を経て、2012年に米Treasure Date, Incに入社。2018年には英Arm社によるTreasure Date買収があり、Arm Treasure Dateの最高顧客責任者としてグローバルの顧客管理を担当した。そして、今年7月にNotta株式会社に入社した。

営業部長の八陣健一氏

Nottaは約4年前の2020年にはじまったサービスだ。同年1月にiOS版がローンチされ、4月にはAndroid版がリリースされている。6月にテレビ番組に取り上げられたことでユーザー数が大きく伸びはじめ、12月には累計ユーザー数が15万人を突破していた。

その後もユーザー数は順調に伸びており、2024年2月には累計300万人を突破、そして今年の8月には500万人を突破している。このペースのまま推移した場合、年末には700万人を超えることが見込まれる。会員の約95%が個人ユーザーだというが、今後は法人顧客の開拓にも力を入れる方針だ。

(画像:Notta株式会社)

既報のとおりNottaは直近でビジュアル・アイデンティティのリニューアルを行なっているが、これはその法人開拓の一環でもあるという。これまでのサービスデザインも決して悪いものではなかったものの、ややコンシューマ向けという印象があり、そのイメージの改善にも繋げたいとしている。

ちなみに、すでにNottaは4,000社以上が導入しており、日経指数225社のうち68%が利用したことがあるなど実績は十分。なお、もともとは中国を拠点としていたサービスだが、シンガポールに本社が移転しており、Notta株式会社はその日本法人という立ち位置だ。しかし、Nottaにとって日本市場が最も大きな市場であり、シンガポール本社としても世界市場の捉え方を 「日本とそれ以外」 としているくらい、日本市場を重要視しているという。

また、文字起こしやそれらをAIで要約する機能の処理等はすべてクラウドを介して行うが、これらのデータの保管先はすべて国内で完結しているとのことで、セキュリティの面に関しても安心と謳っており、大事な会議の議事録作成等にも利用できるとしている。

Nottaは今年8月、文字起こしをした文章をAIが自動で要約する 「AI要約」 機能において、複数の新機能を追加するアップデートを実施しており、今回の発表会ではその内容についての紹介もあった。

まずは文字起こしした内容に対して、特定の情報が知りたいときにAIにインスタントに聞くことができるのが 「Ask AI」 機能。AI要約タブの中でキーボードのスペースキーを押すことで起動でき、「次回の会議までに調査しておくように言われた3つの事柄について教えて」 のようにAIに質問するだけで、AIが文字起こしの内容から適切な答えを導き出して回答してくれる。

NottaのAI要約機能は、Notta側が用意した特定のテンプレートに沿って内容が要約されるのだが、このテンプレートをユーザー側でカスタマイズできる 「カスタムテンプレート」 も利用できるように。ユーザーが自分でプロンプトを入力してテンプレートを作ることで、ニーズに合った議事録や報告書を作成しやすくなる。カスタムテンプレートは、AI要約タブの中にある 「テンプレート管理」 から作成可能だ。

カスタムテンプレートを作る際には、テンプレートの中にプロンプトを挿入して、どのような内容の要約にするのかをAIに指示する必要がある。たとえばデフォルトで用意されている 「要約」 のプロンプトは、「テキストを以下の内容がわかるようにまとめてください:トピック、決定事項、重要なポイント、日付や金額などの数値的な情報。」 となっており、AIがこの指示に従って文字起こしした内容を要約しているということになる。

この 「要約」 のプロンプトのように、参加した会議などの内容について、自分がAIに何をまとめてほしいのかを簡潔に指示することで、カスタムテンプレートで自身が望む要約を作ってもらいやすくなる。

プロンプトが複雑な内容になってしまったときには、「プロンプト最適化」 によってAIへの指示をより明確にすることができる。これによってAI要約時の精度が上がり、業務効率をさらに高めることができる。

また、現時点ではベータ版の機能となるが、チャットボットに質問を入力することで、ChatGPTやMicrosoft CopilotのようにAIが複数のノートの内容に基づいて返答する 「Nottaチャットボット」 機能も登場。定例会議のように決まったタイミングで実施する会議の過去の内容なども参照して回答してくれるため、有能なアシスタントとして活躍してくれる。

文字起こしのほかには、新サービス 「Notta showcase」 についても紹介があった。同サービスは、動画の中で発話された言語をAIが任意の言語に吹き替え、元の言語と入れ替えるAI動画吹き替えツール。

動画の吹き替えは、動画内のセリフをAIが文字起こしして翻訳し、AIが音声に変換するという手順で実現している。たとえば世界中に従業員を持つ企業が業務をする上でのトレーニングをグローバルで標準化したとしても、各国のスタッフは自身の母国語で内容を理解できるということになる。

対応言語は現時点で15言語。変換した音声は機械的な合成音声のようなものではなく、自然な声色と話し方に仕上げることができるという。また、字幕も自動で生成して追加できる。

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