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Nothing Phone (2) レビュー。背面グリフがより多彩に、ハイエンド級SoC搭載で性能も妥協せず

英Nothing Technologyは2023年7月、待望の新型スマートフォン 「Nothing Phone (2)」 を発表した。

「Nothing Phone (2)」 は、先代モデルの 「Nothing Phone (1)」 とほぼ同じデザインを採用しつつも、背面のLEDインターフェイス 「Glyph Interface」 がさらに進化したほか、内蔵SoCに 「Qualcomm Snapdragon 8+ Gen1」 を採用したことで、先代モデルよりも80%の性能向上を実現した。

今回、Nothingから 「Nothing Phone (2)」 の国内発売に先駆けて実機を借りることができたため、デザインや仕様について細かくチェックしてみた。個性派スマートフォンの第2弾に期待している人は、ぜひご覧いただきたい。

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デザイン:透明デザインそのままにグリフが進化

Nothing Phone (2)のデザインは、先代モデルのNothing Phone (1)がベースになっている。全体的に無駄がなくシンプルで洗練されたデザイン、触れる部分はすべてガラスかアルミニウムでプレミアムな質感。そして背面はNothingの製品でお馴染みの、中の部品が透けて見えるトランスルーセントデザインが採用されている。

カラーはホワイトとダークグレーの2色で、今回紹介するのはダークグレーモデル。先代モデルのブラックよりも背面のGlyph Interfaceが強調されるようなカラーで、よりNothingらしさが感じられる良いデザインだと個人的には感じている。

本体サイズは、高さ162.1mm×幅76.4mm×厚さ8.6mm、重量は201.2g。片手でも持ちやすい程よいサイズ感。ミッドフレームは先代モデルよりも1mm薄くなったほか、背面のガラスはゆるやかなカーブを描きながら隆起しているため、持ったときの感触は先代モデルよりも良くなっている。

左:Phone (1)/右:Phone (2)

Nothing Phoneシリーズの最大の特徴とも言えるのが、背面のLEDインターフェイス 「Glyph Interface」 。Nothing Phone (2)では、先代モデルよりもLEDライトが細かく分割されたことで、より多彩な点灯パターンを楽しめるようになった。そのほかにも便利な新機能が追加されているため、また後ほど詳しく紹介する。

カメラは、リアがメイン(広角)+超広角のデュアル構成、フロントがシングル構成。カメラ構成は先代モデルから変わらないものの、着実に進化を遂げている。こちらも後ほど、筆者が実際に撮影した写真も踏まえながら詳しく紹介したい。

本体をひっくり返しておもて面へ。搭載ディスプレイは6.7インチのフレキシブルOLED (LTPO) で、解像度は2412×1080ピクセル (394ppi) 。最大輝度は1600ニトで、太陽が照りつける屋外でも難なく画面を見ることができる。リフレッシュレートは1〜120Hzに可変する仕様で、画面に動きがないときにはリフレッシュレートを下げてバッテリーを節約する。

おもて面で注目していただきたいのが、フロントカメラのパンチホールの位置が左上から中央に移動したこと。左右対称のデザインになったことで、先代モデルよりも統一感が生まれた。また、ベゼルも先代モデルより0.35mm細くなっている。

生体認証は画面内蔵型の指紋認証と顔認証の2パターンが利用可能。筆者の指は指紋認証が成功しにくい傾向にあるのだが、Nothing Phone (2)ではきちんと認証できているため、認証精度は問題なし。

 

側面には電源ボタンと音量ボタン、底面にはSIMカードスロットとUSB Type-Cポートが搭載。3.5mmオーディオジャックは引き続き非搭載だ。

SIMカードスロットは、表と裏にそれぞれ1枚ずつ、合計2枚のnanoSIMを挿入可能。eSIMには対応しないため、必ず物理SIMを準備しておこう。ちなみに、microSDカードの挿入にも対応しない。

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Glyph Interface:ライトがより細かく分割

Nothing Phone (2)の大きな注目ポイントが、背面のLEDインターフェイス 「Glyph Interface」 。通称 「グリフ」 と呼ばれている。

グリフは、ライトの点灯パターンによって、画面を確認せずとも着信や通知を確認できる便利機能。連絡先と点灯パターンを連携させておけば、誰からの着信なのかを一目で判別することもできる。

Nothing Phone (2)では、Nothing Phone (1)に比べてライトが細かく分割されたことで、点灯パターンがより多彩に。特に円を描くように配置されたメインのライトは、全部のライトが一気に光るのではなく、光る部分が分割されたことで、先代モデルよりも目に優しい光り方になった印象だ。

Nothing Phone (2)には、新機能として 「Essential Glyph Notification」 が追加された。同機能は、設定したアプリの通知が来たときに、ユーザーが通知を確認するまで右上のLEDライトを点灯させるというものだ。

ユーザーが通知を確認しない限りはライトが点灯し続けるため、Nothing Phone (2)の画面を伏せて置いて作業に集中しているときにも、確認しなければならない通知が来たことが一目で分かる。

また、個人的には新たに追加された 「Glyphタイマー」 が面白くてお気に入り。設定すると、円形に配置されているライトの右上が全点灯し、残り時間に応じて徐々に消えていく。このライトが全部消えるとタイマー終了というわけだ。同じようにして、Uberなどの配車アプリでも車と自分の距離をグリフで確認できる。

新機能として追加された 「Glyph Composer」 にも注目。最大2秒間の単音クリップを使って8〜10秒のマルチトラックオーディオファイルを作り出し、自分だけのオリジナル着信音として設定できる。単音クリップはGlyph Interfaceと同期させることもできる。

オリジナル着信音を作るには、「コンポーザー」 アプリを使用する。音の種類は5種類から選ぶことができ、種類を選んだらあとは自分の思うままにボタンをタップしてサウンドを作っていく。リズム感やセンスが求められるが、もし良い着信音ができたら設定して使ってみると楽しいはずだ。

OS:「Nothing OS 2.0」 でより便利に

Nothing Phone (2)の発売に合わせて、Nothing OSも2.0にアップデート。様々な新機能が使えるようになった。

まずはアプリアイコンの配置をより自由に変更できるようになったこと。アプリを4列並びにするのか5列並びにするのか、アプリ名や検索バーの表示の有無を自由に変更可能。アプリをまとめておくフォルダは四角と丸などデザインの変更も可能。以前よりもホーム画面を自分好みにカスタマイズできるようになった。

アイコンパックの選択ができるようになったのも面白いところ。従来通りのカラフルなアイコンでも使うことができるが、クールなモノクロ調にできるようになった。モノクロ調に設定すると、Google PlayやGmailなどのデフォルトでインストールされているアプリはほとんどがモノクロで表示されるが、一部アプリはカラーで表示されてしまうこともあるようだ。

ロック画面にはウィジェットを表示できるように。天気アプリなどを追加しておけば、すぐにアクセスできて便利だ。

スペック:ハイエンド級SoC搭載で性能大幅アップ

Nothing Phone (2)は、SoCに 「Qualcomm Snapdragon 8+ Gen1」 を採用。他社のハイエンドクラス級のスマートフォンと比べても見劣りしない性能を手に入れた。

先代モデルに比べると、パフォーマンスは80%以上向上。「アプリの開く速度が2倍になった」 とNothing創業者兼CEOのカール・ペイ氏は伝えている。

上記がAnTuTuベンチマークとGeekbench 6のベンチマークスコア。先代モデルで動作の遅さを実感したことはあまりなかったように感じているが、確かにNothing Phone (2)を使っていると動作がキビキビしたように感じられる。カメラアプリの起動も先代モデルよりスムーズになった。

ゲームはどれほどプレイできるようになったのか。先代モデルでは『原神』を画質 「中」 でプレイしたところ、デバイス負荷が 「非常に高い」 になって動作がカクカクしてしまっていたが、Nothing Phone (2)で『原神』を起動したところ、画質 「中」 のときのデバイス負荷は 「スムーズ」 と表示され、余裕でプレイ可能だった。

画質 「高」 「最高」 にするとデバイス負荷は 「非常に高い」 にはなってしまうものの、カクつくことなくプレイ自体はできていた。ただし、長くプレイしていると本体がかなり熱くなってしまっていたので、本体への負荷を最小限にしたいならやはり画質 「中」 でプレイするのが良さそうだ。

メモリとストレージ容量のラインナップは、8GB+128GB、12GB+256GB、12GB+512GBの3種類が用意されている。Nothing Phone (2)はmicroSDカードが使えないため、写真やアプリをたくさん保存しておきたい人はストレージ容量の多いモデルを購入していただきたい。

カメラ:カメラ構成は変わらず性能アップ

Nothing Phone (2)はカメラ構成は先代モデルから変わらないものの、性能が大幅にアップしている。

背面カメラは、メイン(広角)+超広角のデュアルカメラで、画素数はどちらも50MP。カメラ設定では、品質で12MPと50MPのどちらかを選択可能で、メイン(1x)も超広角(0.6x)も50MPが利用できる。実際に写真を撮影してみると、かなり綺麗に撮影できていた印象だ。

x0.6

x1.0

x2.0

12MPを選択するとメインカメラを使った2倍ズームが利用でき、ちょっと遠い場所の被写体もサクッと撮影できる。クオリティも悪くないので、望遠カメラが搭載されていないデメリットは以前よりも感じづらくなった印象だ。

マクロ撮影

そのほか、4cm以内の被写体を綺麗に撮影できるマクロ撮影や、夜間の撮影も綺麗に仕上げてくれるナイトモードなども利用可能だ。

そのほか、実際に撮影した写真は以下。

今回は梅雨らしい曇天の中での撮影となったのだが、色味も質感もかなりいい感じに撮影することができた。旅先での写真撮影も十分にオススメできるクオリティだ。

ビデオは先代モデルが4K/30fpsまでしか対応していなかったのに対し、Nothing Phone (2)は4K/60fpsに対応。よりスムーズな映像が撮影できるようになった。

フロントカメラは引き続きシングルカメラが採用されているものの、画素数が16MP→32MPに。先代モデルも自撮りは比較的綺麗に撮影できていた印象だったが、より高品質な自撮りが撮影できるようになったことで、思い出作りやSNS投稿用の写真撮影がこれまで以上に捗りそうだ。

まとめ:新機能や高性能SoCのおかげでより便利に

Nothing Phone (2)は、進化したグリフや高性能SoC、カメラに加えて、様々な新機能が利用できるようになったNothing OS 2.0のおかげで、先代モデルのNothing Phone (1)よりも使い勝手が向上しているように感じた。

特に、最大の特徴とも言えるグリフの使い勝手が向上し、よりグリフの存在感が際立ったことで、先代モデルよりも独自性を強くアピールできるようになったのではないだろうか。

ただし、依然としてFelica非対応でタッチ決済が利用できないことは、日本市場においては大きなデメリットになりそうだ。Suica/PASMOをはじめとした交通系ICカードのモバイル対応は着実に広がってきており、今やスマートフォン選びをする上でFeliCa対応はマストとも言われている。

そういった意味では、先代モデル同様にメインデバイスとしてNothing Phone (2)を利用するには少しハードルが高いと感じるユーザーが多いかもしれない。この点は次期モデル以降に期待ということになりそうだ。

とはいえ、スマートフォンとしては着実に進化を遂げてきたNothing Phone (2)。実際に触った感触はかなり良かったので、たとえばSuica対応のスマートウォッチを持っているなど、スマートフォンがFeliCa非対応でも日常生活にあまり支障が出ない人や、サブデバイスとして持っておきたい人は、購入を検討してみてはどうだろうか。

Nothing Phone (2)の販売価格は79,800円(税込)~。国内では7月21日(金)0時よりNothing公式サイトで予約受付が開始され、7月25日(火)に発売する予定だ。