「Nothing Phone (1)」 長期レビュー。最大の特徴である背面LEDでの通知がやっぱり便利、新モデルの登場にも大いに期待

トランスルーセントボディや背面の独自LEDイルミネーションなどで話題となった、英Nothing Technologyの個性派スマートフォン 「Nothing Phone (1)」 。本製品が発売してからまもなく1年が経過しようとしている。

今年5月には、Nothingから新型スマートフォン 「Nothing Phone (2)」 が今夏に発表予定であることも案内されており、発表を楽しみにしている人も多いのではないだろうか。

実は筆者は、Nothingから長期でNothing Phone (1)をお借りしており、プライベートや仕事において、Nothing Phone (1)を半年ほど使わせてもらっている。まもなく次世代機も登場するということで、長期で使ってみて感じたこと、気づいたことなどをお伝えしたいと思う。

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Nothing Phone (1)の最大の魅力は目を惹くユニークなデザイン

Nothing Phone (1)の大きな魅力は、やはりそのユニークなデザインにあるといっても過言ではない。背面は、中の部品が透けて見えるトランスルーセントボディが採用されていて、ワイヤレス充電のコイルや各パーツの留め具など内部のパーツを見ることができる。

筆者が借りているのはホワイトモデルのため、内部のパーツはホワイト一色で統一されている。幾何学的な形のパーツが筐体にキッチリ収まっている様子はまさに芸術品だ。

背面には、LEDインターフェイス 「Glyph Interface」 が内蔵されており、ピカピカと光って着信や通知を教えてくれる。LEDのライティングパターンはカスタマイズ可能で、アプリごとに分けたりはもちろん、通話相手によって個別のライティングを設定することもできる。

LEDインターフェイスのライティングパターンは、発売当初は10種類と少なかったものの、現在は着信用にさらに11種類、通知用にさらに10種類が追加されており、より多彩なライティングを楽しめるようになった。

ライティングパターンは激しめなものが多く、音がなくてもしっかりと着信や通知があることが分かる。ただし、通知が多くてずっと激しい光にさらされているとなんだか落ち着かないときもあるので、もう少し落ち着いたライティングパターンも欲しいかもしれない。

飲み会などでNothing Phone (1)を取り出すと、初めて見た人からは 「そのスマホ何!?見せて!!」 と言われることもしばしば。特に背面のLEDインターフェイスが光る様子を見せると、多くの人が興味を持っていたようだった。

ちなみに、背面のデザインで個人的にお気に入りなのが、下部に隠された 「ゾウ」 。可愛らしいのはもちろんなのだが、充電中に首の部分にあるLEDライトが光ってバッテリー残量を教えてくれる。夜、疲れて家に帰ってきて、充電を始めたときにホッコリすることも多い。

Nothing Phone (1)を日常的に使う上で少し不安に感じるのが耐水性能。IP53等級というと、昨今のスマートフォンに比べると低めということもあり、お風呂やプールなどに持って行って使うのはあまりオススメできない。どうしても使いたいなら、サードパーティ製の防水ケースなどを用意した方が安心できるはずだ。

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ディスプレイはキレイで大画面。

画面はフラットな有機ELディスプレイが搭載されていて、写真や動画などのコンテンツを色鮮やかに映してくれる。

画面サイズは6.55インチと大きめで、出先での動画視聴がとても捗る。解像度は2400×1080ピクセル、画面密度は402ppi。リフレッシュレートは最大120Hzで、対応コンテンツをヌルヌルと滑らかな描写で楽しむことができる。

写真や動画を見たときにも、特定の色だけが変に強調されて表示されるということもなく、自然な色味でコンテンツを見ることができる。日常的にNothing Phone (1)を使っていて、画面の表示に関係することで使いづらさを感じることは一切なかった。

中庸なパフォーマンスで大多数のユーザーが満足できるはず

Nothing Phone (1)は、内蔵チップに 「Snapdragon 778G+」 を搭載している。最上位の性能というわけではないが、アプリを使ったり、カメラを起動するなどの日常的な操作をする上では操作の遅延などはなく、快適に使うことができている。アプリクラッシュなども頻発していない印象だ。

筆者はNothing Phone (1)でゲームをプレイすることがあるのだが、動作の快適さはゲームによって大きく異なる。

たとえば『ポケモンユナイト』は3Dゲームではあるものの、バトル中に動作のカクつきを感じることはなく、快適にプレイできている。一方で、グラフィック重視の『原神』は画質 「低」 以下でしかスムーズに動作させることができず、画質 「中」 以上でプレイしようとすると高負荷だと警告されてしまった。

『原神』は画質 「中」 でも警告が表示されてしまった

Nothing Phone (1)はゲーミング用スマートフォンほどの性能は持っていないことから、プレイするならカジュアルなゲームだけにとどめておいた方がよさそうだ。

ちなみに、ゲーミング性能とは少し違う話になってしまうのだが、Nothing Phone (1)はゲームアプリの起動時に 「ゲームモード」 が利用できる。このゲームモードでは、通知の表示を最小限にしたり、不用意なタップを最小限に抑えることができる。

ゲームモードはGoogle Playストアからダウンロードしたゲームを起動したときには自動でオンになるように設定されているため、わざわざゲームをダウンロードした後に設定をいじる必要もなし。ゲームプレイに集中したいときにはとても便利なので、ぜひ活用していただきたい。

カメラ性能はスナップ程度には十分。世界中で写真も撮ってみた

Nothing Phone (1)には、背面に広角+超広角のデュアルカメラが搭載されている。画素数はどちらも50MPだ。

下記は筆者がNothing Phone (1)を使って色々なところで撮影した写真だが、曇り空や屋内での撮影でも自然な色味で撮影できている。夕暮れ時などの撮影の難しい場面でもキレイな写真が撮影できているように感じている。旅先での思い出撮影も問題なくこなせるだろう。

ディズニーシーのヴェネツィアン・ゴンドラ付近

春先に撮った旧函館区公会堂

取材先への移動中に偶然見つけたアジサイ

台湾・台北の忠烈祠

NYの摩天楼を撮影

マンハッンの表玄関ペンステーションの駅舎「モイニハン・トレイン・ホール」

自由の女神は顔認識できた

また、暗い場所での撮影時には、背面のGlyph Interfaceを簡易的な照明として利用することで、被写体を際立たせることができる。この機能も地味に便利で、暗い場所での写真の仕上がりをグッと向上させることができるので積極的に使っていただきたい。

自撮り用のフロントカメラはシングルカメラ仕様、画素数が16MPで、こちらも背面カメラと同様に肌の色を補正なしでも明るく表現してくれる。屋内などでの自撮り写真も、十分な明るさで撮影することが可能だ。

半年使ってみた感想。背面のGlyph Interfaceは思いのほか日常に溶け込んだ

筆者が初めてNothing Phone (1)を触ったのは2022年7月で、当時はトランスルーセントボディや背面のLEDインターフェイス 「Glyph Interface」 といった強烈な個性にワクワクするだけにとどまっていたが、実際に半年間使い続けてみると、ただワクワクするだけでなく、愛着がわいたり、便利だと思う気持ちが大きくなっていったように感じている。

Nothing Phone (1)を使い始めてから、スマートフォンを背面を上にした状態で机の上などに置く癖ができた。一般的なスマートフォンでは通知を確認するために画面を見ることで集中力が途切れてしまうことがあるが、Nothing Phone (1)なら背面のライトの点滅パターンで、今すぐに確認しなくてもいい通知は一旦スルーして、着信など対応しなければならないものを一目で判別できる。集中して効率よく作業したいときには本当に便利だ。

しかし、どうしても悔やまれるのがおサイフケータイ (FeliCa) に非対応であること。首都圏などでSuicaやPasmoで通勤・通学をしているユーザーからすれば、おサイフケータイが使えることがメインのスマートフォンの最低条件になりつつあることから、この基準を満たせていないNothing Phone (1)は必然的に選択肢から外れてしまう。

Nothingは、おサイフケータイなどの日本ユーザーが望む機能を実装するか否かについては、コスト面から多くのユーザーに購入してもらうことが重要になると話していた。デザインや機能は気に入ってるが、おサイフケータイ非対応が最大のネックだったという人は、今夏発売予定の次期モデル 「Nothing Phone (2)」 に期待してみてはどうだろうか。

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