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Nothing Ear (stick) レビュー | オシャレなデザイン、軽くて快適な装着感で普段使いにピッタリ

2022年11月、英Nothing Technologyは、同社ブランドの 「Nothing」 から、完全ワイヤレスイヤホン 「Ear (stick)」 を国内発売した。

Ear (stick) は、快適な装着感と本格的なサウンドに加えて、Nothingブランドでお馴染みのスケルトン筐体や、円筒形のケースなどユニークなデザインが特徴の完全ワイヤレスイヤホンだ。

今回、Nothingから本製品を提供いただき、2ヶ月ほどにわたって使ってみることができたので、製品の特徴や音質に加えて、筆者の個人的な推しポイントなどについてもご紹介する。

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オシャレと使いやすさが融合したユニークなデザイン

Ear (stick) を一言で表すなら、とにかく 「オシャレ」 。イヤホン本体はもちろん、イヤホンを収納するケースでさえも細部までデザインにこだわっている。

イヤホン本体の前に、まずはケースをじっくりと見ていただきたい。ワイヤレスイヤホン界隈では珍しい円筒形に、Nothingブランドでお馴染みのスケルトンデザインが採用されている。初めて見た人はイヤホンケースだと気づかないかもしれない。

サイズもコンパクトで、小さめのカバンや服のポケットなどにも収納しやすい。筆者はカバンに入れて持ち運ぶことが多いのだが、その独特な形状から手探りでも簡単に探し当てることができ、使いたいときにスムーズに取り出して使える便利さがとても気に入っている。

ケースの天面にある赤色の部分には、充電用のUSB-Cポートが搭載。その隣にある銀色のボタンはペアリングボタンで、長押しすることでスマートフォンなどのデバイスとペアリングすることができる。

完全ワイヤレスイヤホンのケースというと、フタをパカっと開けてイヤホン本体を取り出すものが多いが、Ear (stick) のケースは円筒形になっていて、リップスティックのようにケースをくるりと回すことでイヤホン本体にアクセスできる構造になっている。

ただし、ケースの構造上、一度入り込んでしまったホコリがケース内にずっと溜まったままになってしまうのがちょっぴり残念ポイント。ケースは分解することもできないので、ホコリの侵入はある程度仕方ないと割り切るしかなさそう。

ケースは時計回り・反時計回りのどちらの方向で回しても開けることが可能。イヤホン収納部の反対側にある 「Nothing」 の文字が入った部分は、滑り止めのようにざらざらとした手触りになっていて、ケースを落としにくくなっている。

ケースを回すときにはわずかにカチッとした感覚が感じられ、回転もスムーズでとても心地よい。初めてケースを回したときには、あまりの気持ちよさに何度もくるくると回して遊んでしまった。イヤホンは普段から使うものということもあり、こういった細かい部分で心地よさを感じられるのはとても重要だと個人的には感じている。

上記がケースに収納されているイヤホン。左側には白色、右側には赤色のマークがついていて、ステム部分は中の基盤などが見えるスケルトンデザインが採用。ステム部分には、小さく 「ear (stick)」 の文字が入っているのも見える。ケースに負けず劣らず、イヤホン本体もユニークなデザインとなっている。

耳に入れる部分は楕円形のような形になっている。Nothingいわく、イヤホン形状は 「ハーフインイヤー型」 で、人間工学に基づいた形状で耳への圧迫感を軽減し、快適な装着感を実現しているという。

実際に装着してみると、確かにNothingの説明どおりの快適な装着感。イヤホン本体の重量が片耳4.4gととても軽いこともあり、本当に何も付けていないかのような軽い装着感になっている。耳に何かを入れているという圧迫感はほとんどない。

とはいえ、イヤホンはしっかり耳の中に収まっているようで、外出時に歩くときはもちろん、軽くジョギングしても落ちそうになることはなかったので、落下についてはあまり心配しなくても良さそうだ。

筆者は耳の形があまり良くないのか、人間工学に基づいた形状を謳ったイヤホンでも長時間つけていると徐々に耳が痛くなることが多かったのだが、Ear (stick) はずっとつけっぱなしにしても全く痛くならない。イヤホンを長時間使う機会が多い人には特にオススメだ。

また、イヤホン本体はIP54相当の防水・防塵に対応しており、雨の日でも安心して使うことができる。

スマートフォンなどのデバイスとは、Bluetooth経由でペアリングする。ペアリングが完了していると、装着時に 「ピコン♪」 という可愛らしいデジタル音が聞こえてくる。

イヤホンのステム部分には、音楽の再生・一時停止や曲のスキップ、ボリュームアップ・ダウンなどができるプレスコントロールが搭載されている。指でステムを挟むようにして押すとプチっとした感触が感じられて、ちゃんと押せたかどうかが分かりやすい。

Ear (stick) には 「低レイテンシーモード」 というモードも用意されており、オンにすることで音声の遅延を最低限に抑えることができる。音ゲーなどシビアな判定を求められるゲームや、YouTube視聴時などの音ズレが気になるときには便利な機能だ。ちなみに、Nothing Phone (1)でゲームをすると、自動で低レイテンシーモードが起動するようになっている。

バッテリー持ちは、公式仕様では最大7時間、ケースの併用で最大29時間となっている。電車や徒歩での移動時に使う程度なら、毎日充電せずとも1週間は使うことができた。

もし万が一充電が足りなくなってしまった場合には、10分の充電で最大2時間再生できる高速充電が利用できるほか、ケースの充電も、わずか10分の充電で最大9時間分の充電ができる。

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クリアで鮮明なサウンド、低音も意外としっかり

Ear (stick) には、カスタム設計された12.6mmの大型ドライバーが搭載されており、豊かな深みとクリアな高音、忠実なディテールを実現しているという。対応するBluetoothコーデックはAACとSBCだ。

実際にApple Musicで様々な楽曲を聴いてみたところ、一つ一つの音の粒がはっきりと聴こえて、全体的に鮮明さが際立つ音に仕上がっている。細かい音のニュアンスなどもしっかりと表現できていて、他の完全ワイヤレスイヤホンと比べてもかなりレベルの高い音になっていると感じた。

開放タイプのイヤホンは低音が弱くなってしまうことが弱点として挙げられることが多いが、Ear (stick) は開放タイプでありながら力強い低音も楽しめる。これは、ユーザーの外耳道の形状やイヤホンの装着感を自動で測定し、失われる低音の量を検知して最適な低音になるようにチューニングする 「Bass Lock Technology」 による恩恵だ。このおかげで、低音から高音までの音のバランスも良く、どんな楽曲でも聴きやすい。

ただし、低音が増幅されているとはいえ、やはり密閉度の高いカナル型イヤホンほどのどっしりとした低音とまではいかないので、映画の視聴時には少し物足りなさを感じることがあった。

Ear (stick) の音の特徴を踏まえると、自宅のソファでゆっくり音楽鑑賞をする場面よりかは、電車や徒歩での移動中、作業中にBGMを聴き流すなどの用途に適したイヤホンと言えるかもしれない。

ちなみに、「Nothing X」 アプリではイコライザーを使うことができ、自分好みに音を調整することができる。高音がキツすぎる、低音が弱いと感じたときには、結構自由に調整がきくので、ぜひ活用していただきたい。

まとめ

Ear (stick) は、Nothingらしいユニークなスケルトンデザインと抜群の装着感、そして12.6mmの大型ドライバーが生み出す鮮明かつバランスの取れたサウンドのおかげで、かなり完成度の高い完全ワイヤレスイヤホンになっていると感じている。

特に筆者が気に入っている部分が、デザインと装着感。毎日見ても飽きのこないユニークなデザインと長時間使っても耳が痛くならない軽い装着感は、Ear (stick) の唯一無二の特徴であり、普段使いのイヤホンとしてピッタリだ。

昨今人気のノイズキャンセリング機能や、ケースのワイヤレス充電などには対応していないものの、ウォーキングなど外で運動するときには外部からの音が聞こえた方が安全ではあるし、まだまだ有線充電オンリーの製品が多い中、ワイヤレス充電は必ずしも必須の機能とまでは言えない。

イヤホンを選ぶ上で重要視する機能は人それぞれではあるが、上記の機能にはこだわらないという人で、開放タイプのイヤホンが好き、デザインにこだわりたい、耳が痛くならないイヤホンが欲しいという人には、ぜひEar (stick) がピッタリなはず。ぜひともお手に取っていただきたい。