
任天堂が6月5日に発売した新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」が、発売からわずか4日間で世界累計販売台数350万台を突破した。
同社の発表によると、この数字は任天堂のゲーム専用機としては歴代最速の記録となる。
前世代機「Nintendo Switch」は2017年に登場し、累計で1億3,000万台以上を販売。8年以上にわたり市場を牽引してきたが、その後継機として登場したSwitch 2は、発売初週から同社の販売記録を塗り替えるスタートを切ったことになる。
発売前から性能向上への期待が高まっていたSwitch 2だが、その期待を裏切らない立ち上がりとなった。前世代機が築き上げた膨大なユーザーベースと、コロナ禍における巣ごもり需要でゲーム市場全体が拡大した追い風も、この記録的な販売ペースを後押ししていることは間違いない。特に、既存Switchユーザーからの買い替え需要に加え、新たなゲーマー層へのリーチも成功していると見られる。
Joy-Con 2やゲームチャットなど、進化したユーザー体験をもたらすSwitch 2

Nintendo Switch 2は、ディスプレイ性能や内部処理能力の向上に加え、周辺機器と通信機能の進化が特徴だ。
特に注目されるのが、マグネット式で取り外しが容易になった新型コントローラー「Joy-Con 2」。従来の操作性を維持しながら、安定した装着性と新たな入力ボタン「Cボタン」を備えている。
このCボタンを使うことで、ゲーム中にリアルタイムでフレンドとボイスチャットやビデオチャットを行える「ゲームチャット」機能も追加された。これまでサードパーティ製アプリに依存していた音声コミュニケーションの課題を解消することが可能だ。
この「ゲームチャット」機能の内蔵は、任天堂が長年抱えていたオンラインコミュニケーションの課題に対する取り組みと評価できる。DiscordやLINEといった外部ツールに頼らざるを得なかった状況からの脱却は、ユーザー体験を大きく向上させるだろう。

また、ディスプレイは前世代機の6.2インチから7インチに拡大したことでより没入感が得られるように。内部的には、NVIDIA製のカスタムチップ「Tegra T239」を搭載し、DLSS技術にも対応することで、グラフィック性能は飛躍的に向上、よりリッチなグラフィック表現と安定したフレームレートでのゲームプレイが可能になっている。
また、同時発売タイトル『マリオカート ワールド』を同梱した「Nintendo Switch 2 マリオカート ワールド セット」も用意されており、初期販売の後押しとなった可能性がある。
『マリオカート ワールド』は、歴代シリーズのコースを網羅しつつ、新たなオンライン対戦モードやキャラクターを追加した意欲作だ。国民的タイトルであるマリオカートの最新作を本体と同時に投入した戦略は、ライトユーザー層への訴求力を高める上で非常に効果的だったと言える。アナリストたちは、年末商戦に向けて更なる販売加速を予測しており、Nintendo Switch 2がゲーム業界の新たなスタンダードとなる可能性は十分にある。
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