
3月12日、Nianticは同社が提供している位置情報ゲームアプリ『ポケモンGO』『ピクミンブルーム』『モンスターハンターNow』とそれらのゲーム体験の提供に関わるチームを、米国のモバイルゲーム会社であるScopely (スコープリー) に売却することに合意したと発表した。
売却額は35億ドルで、同取引の一環として、Nianticからは3億5,000万ドルの現金が分配され、 Nianticの株主に対しては総額約3億8,500万ドルの価値がもたらされるとのこと。取引完了は2025年内を予定している。
なお、上記ゲームに関しては事業の移管後も引き続きサービスが継続して提供されることが発表されている。
Nianticが『ポケモンGO』『ピクミンブルーム』『モンスターハンターNow』を米Scopelyに売却

10年ほど前にGoogleから独立して生まれたNianticは、「テクノロジーを使って世界に豊かなデジタル体験を重ね合わせる」 というビジョンのもと、人々の関係性がデジタル化していく時代において、身近な世界を探検し、現実のつながりを育むきっかけをつくりたいという想いからゲーム開発をスタートした。
現在は年間1億人を超えるユーザーがNianticのゲームを楽しんでおり、世界各地で数えきれないほどのリアルな繋がりが生まれている。各ユーザーが参加者として楽しむスタイルのライブイベントでは、開催都市に10億ドルを超える経済効果をもたらしたとしている。
会社の成長とともに、同社は現実世界を舞台にしたジオスペーシャルゲームを作り続ける道と、ARやジオスペーシャルコンピューティング事業をさらに発展させる道の2つへと進化したという。
世代を超えて 「永く愛されるゲーム (forever games)」 を創り続けたいという想いはそのままに、近年のAIの急速な進歩によって 「ジオスペーシャルコンピューティング」 が新しい消費者体験や企業向けソリューションを生み出すカギになると確信した同社は、この2つの道を実現するため、2つの会社として役割を分担し、それぞれの目標を追求していることに決めたという。
まずNiantic, Inc.においては、『ポケモンGO』『ピクミンブルーム』『モンスターハンターNow』とそれらのゲームに関わるチームを米Scopelyに売却。ScopelyはNianticが描いたゲームの長期的なロードマップの実現に向けて運営・開発チームをサポートし、世界中のプレイヤーが今後もゲームを楽しめるよう、惜しみなく投資をする姿勢を示しているとのことだ。

そして、Nianticが先駆者として取り組んできたジオスペーシャルコンピューティング事業に関しては、新会社 「Niantic Spatial Inc.」 を設立し、空間コンピューティング、XR、地理情報システム (GIS)、AIを統合した体験を提供する 「Niantic Spatial Platform」 に取り組んでいく。
Niantic SpatialはNiantic創始者のジョン・ハンケがCEOを務め、Nianticからスピンオフする形で設立し、Nianticから2億ドルと、Scopelyからの5,000万ドルの投資を含む2億5,000万ドルの資金を活用する。なお、Nianticの従来の株主はNiantic Spatial Inc.の株主として引き続き参加することになる。
なお、『Ingress Prime』や『Peridot』といった現実世界を舞台にしたARゲームは引き続きNiantic Spatialが自社で運営していくとのことだ。
関連リンク
(画像:Niantic/Nintendo)