現地時間2月12日、移動体通信業界団体のGSMA(GSM協会)は、今月24日から開催予定されていた世界最大のモバイルカンファレンス 「MWC Barcelona 2020 / (通称:MWC/Mobile World Congress)」 の開催を中止することを発表した。
同カンファレンス中止の理由は、中国武漢を中心に世界各地で感染者が出ている新型コロナウイルス (COVID-19)。GSMAのCEOジョン・ホフマン氏は、MWCが業界関係者が世界中から集まる大規模なイベントであることを踏まえて 「開催は不可能である」 とコメント。開催ホスト国や開催地となるバルセロナでの同ウイルス感染拡大を防ぐための措置として、イベントの開催を中止するとニュースルームを通じて伝えた。
今年の 「MWC」 は2020年2月24日から27日にわたって、スペイン・バルセロナで実施される予定だった。カンファレンスではそれぞれの会社から新製品が発表される予定となっており注目を集めていたが、昨今の新型コロナウイルス流行を危惧し、Intel、Vivo、NTTドコモ、SONY、Ericsson、Amazon、NVIDIA、ZTE、楽天モバイル (順不同) など多くの会社が参加取りやめを決めていた。
特にEricssonの参加取りやめはインパクトが大きかったものと予想される。同社は毎年、MWCで大きな出展ブースを確保していたこともあり、同社の参加取りやめは少なからず他企業にも影響を与えた可能性がある。
MWCは毎年5,000人以上の業界関係者が訪れる世界最大のモバイルカンファレンス。中止となれば開催地のバルセロナへの影響も懸念されるが、コロナウイルスは依然として感染者数を増やしており、現地時間2月11日時点で4万人以上の感染者、1,000人以上の死亡者を生んでいることから、開催中止はやむを得ないだろう。
ちなみに参加表明をしていた会社の一部は、独自にストリーミングによるカンファレンスを実施することを発表している。その際たる例はソニーで、同カンファレンスで新型Xperiaを発表する見通しとなっている。