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Mozilla、読了アプリ「Pocket」提供終了を発表。Firefoxへの注力でリソース再配分

Mozillaは2025年7月8日をもって、長年提供してきた「あとで読む」サービス「Pocket」の提供を終了すると発表した。Mac版アプリの終了から約2年、同社は「Firefox」への集中を掲げ、リソースの再編に踏み切る。これに伴い、2023年に買収したレビュー判定サービス「Fakespot」も段階的に閉鎖される予定だ。

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「Pocket」が提供終了へ。リソースをFirefoxへ集中

Pocketは2014年にMozillaが買収し、以降、数百万のユーザーに支持されてきた読了支援サービス。ウェブ記事を保存し、後からオフラインで読める機能や、音声読み上げ、キュレーション型のおすすめコンテンツ配信機能などが特徴だった。

しかし、Mozillaによれば「人々のコンテンツ保存・閲覧方法は進化した」とし、現在ではFirefox自体がおすすめ記事の配信機能を担っており、ブックマークやタブグループなど、読了リスト管理に代替する新機能も拡充している。

Mozillaは公式ブログにて、「どこに時間とリソースを投資するか、意図的である必要がある」と述べ、現在はFirefoxに注力すべきタイミングであると判断したと説明している。

▼ PocketとFakespot、それぞれの終了スケジュール

  • 2025年7月8日:Pocketサービス終了
  • 2024年5月23日より:新規ダウンロードおよびPocket Premiumの購読停止
  • 2025年7月から:Pocket Premium年額ユーザーへの自動返金開始
  • 2025年10月8日:ユーザーデータのエクスポート期限および永久削除日、APIの停止日

Fakespotに関しては、より早期にサービス提供を終了する。Firefoxに組み込まれていた「Review Checker」は2025年6月10日に機能停止し、モバイルアプリ、拡張機能、Webサービスを含むFakespot全体は2025年7月1日にシャットダウンする。

今回の決定は、コンテンツとの向き合い方が「ブックマーク」や「レコメンド」に変化した現代の潮流を反映したものといえる。

Mozillaはブログの中で、PocketがFirefox内のキュレーション機能に影響を与えたことを明かしており、今後もその体験は進化を続けるという。また、タブ管理機能やブックマーク機能の拡張も、読了リストを不要にする新しいUXの一部と捉えている。

一方で、MicrosoftやGoogleが先日の開発者イベントで打ち出したように、AI統合機能の開発がブラウザ体験の新たな軸になりつつある。

Pocketの愛用者にとって残念なニュースとはなるが、Readwise、Instapaperなど類似の「あとで読む」サービスは依然として健在。また、ChromeやSafariといった他ブラウザも保存・読了支援機能を内包しているため、それらを活用いただきたい。

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(画像:Mozilla)