『Minecraft Legends』先行レビュー。フランチャイズ初のPvP要素を入れた新作ストラテジー、ゴーレムを引き連れて敵本陣まで攻め込め

昨年6月の『Developer_Direct』で発表された『Minecraft Legends』が、いよいよ4月18日 (日本では時差の関係で19日) にリリースする。『Minecraft』フランチャイズ初のアクションストラテジーということで、注目している方も多いのではないだろうか。

『Minecraft』は、ネザーから訪れる敵 「ピグリン」 の侵略から世界を守るため、馴染みのモブやまだ見ぬ仲間たちとともに戦うーーという内容になっている。また、フランチャイズで初めてのPvPを導入した作品になっていることも必見だ。

リリースに先駆けて、日本マイクロソフトの本社オフィスにて報道関係者向けの『Minecraft Legends』先行プレビューイベントが開催された。当記事では、実際に『Minecraft Legends』をプレイしてみて感じた感想等を詳しくお伝えできればと思う。ちなみに、アジア地域で『Minecraft Legends』を外部の人がプレイするのは、今回の先行プレビューが最速だという。

なお、今回のイベントでは並行して『Minecraft Legends』のエグゼクティブプロデューサーであるデニス・リース氏へのグループインタビューが行われた。そちらのインタビューの内容は、以下記事にてあわせてご覧いただければと思う。

『Minecraft Legends』エグゼクティブプロデューサーのデニス・リース氏にインタビュー。シリーズの統一感をもたせながら新たなストラテジー作品を作るための工夫とは
Minecraftの世界観をもった『Minecraft Legends』が、いよいよ今月18日 (日本では時差の関係で19日) にリリースを迎える。 『Minecraft』は、ネザーから訪れる敵 「ピグリン」 の侵略から世界を守るため、馴染...
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『Minecraft Legends』はどんなゲーム?

まず、『Minecraft Legends』とはどんなゲームなのか、いま一度おさらいしておきたい。

『Minecraft Legends』は、『Minecraft』の世界観を持つアクションストラテジー。「ストラテジー」 という言葉を辞書で引くと、”ある特定の目的を達成するため、長期的視野と複雑な思考に基づき資源などのリソースを運用する戦略的考え方” と出るが、ゲーム業界においては戦略性を重視する作品のことを指すことが多い。

そして、『Minecraft Legends』のストラテジーは、ターン制ストラテジーとは異なり、ゲームの進行がすべてリアルタイムで進行する “リアルタイムストラテジー (RTS)” に分類される。

ストラテジー作品は多数の要素が絡み合うため、一般的には複雑で難解になりがちだが、『Minecraft Legends』は誰でも手軽にプレイできるように工夫して作られてあるため、わずか10〜20分ほどのチュートリアルをプレイするだけで大まかなゲーム性はあっさりと理解できるため、ぜひ安心して欲しい。

『Minecraft Legends』には、キャンペーンモードと対戦モードの2種類が用意されている。

キャンペーンモードは、お馴染みのモブやまだ見ぬ仲間たちと協力し、ネザーから訪れる敵 「ピグリン」 の侵略から世界を守るために戦うというストーリーを楽しめる。シングルプレイだけでなく、マルチプレイも可能だ。

一方の対戦モードは、シリーズ初のPvP。4対4の対人戦を楽しむことができる。それぞれ実際のプレイフィールを以下で紹介していこう。

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キャンペーンモード

今回の先行プレビューイベントでは、まずキャンペーンモードからプレイを開始した。

今作の舞台は、『Minecraft』シリーズでお馴染みの風景だけど、どこかいつもと違う世界。ネザーから訪れる敵 「ピグリン」 の侵略からオーバーワールドを守るため、プレイヤーはお馴染みのモブたちを鼓舞して、戦略的に導くことが求められる。

世界は、沼地の壮大な木々から荒野の深い渓谷までさまざまなバイオームで構成されており、プレイヤーは世界の端から端まで自由に行動することが可能だ。序盤で、「敵が押し寄せてくるから急いで」 的なことを言われるものの、実際には目的地に達するまでイベントは進行しないため、フィールドをじっくり探索し、アイテムを収集しながら目的地に向かうこともできる。そのあたりの自由度というかスピード感は『Minecraft』のみに限らず、フランチャイズすべてでお馴染みという感じだ。

本作を最大限に楽しむためには、まずはチュートリアルをしっかりプレイしておくべきだろう。基本となる操作やゲームシステム、ストーリーに関係するキャラクターたちをひとつひとつ丁寧に教えてくれる。本作の操作やゲームシステムは複雑ではないものの、プレイを始めて間もない頃は細かな部分まで理解するのが意外と大変で、頭に落とし込むまですこし時間がかかる。

きちんと理解できていないとキャンペーンやPvPでスムーズに動くことができないため、チュートリアルでしっかりと勉強しておくことをオススメする。

ゲームシステムはかなりシンプル。手順はオリジナルの『Minecraft』と同様に、資材を集めて建築。ただし、ストラテジー要素としてゴーレムを作り出して連れ歩き、戦闘に出すという点では『Minecraft』とは異なる部分となる。

チュートリアルでは、移動や攻撃などの操作はもちろん、本作で最も重要な要素である 「建築」 の基本的な流れを理解することができる。

本家の『Minecraft』では、プレイヤーが自らブロックを1つ1つ配置して建造物を作っていたと思うが、本作ではリュートでメロディを奏でることで 「アレイ」 と呼ばれる妖精を呼び出し、階段や防壁などの建造物を作ってもらうシステム。

つまり、プレイヤー側の操作としては 「どの建造物をどこに建てるか」 を指示するだけとなっていて、あとはアレイが自動で建造物を完成させてくれる仕組みだ。

建造物を建てるには、木や石などの資材が必要になる。資材は『Minecraft』のようにフィールド上から収集することができるのだが、本作ではこの資材の収集もプレイヤーが自ら行うのではなく、アレイにお願いする仕様だ。

アレイに特定の範囲を指定すると、範囲内にある木や石などの資材を収集し始める。資材ごとに収集のメロディーが異なっていて、木の収集をお願いしたときには木だけを、石の収集をお願いしたときには石だけを収集し、別々の資材をまとめて収集することはできないので注意だ。

現在プレイヤーが持っている資材の量は画面左下に表示されていて、ここから必要な分の資材を消費して建造物を建てていく。資材はフィールド上に大量に配置されているため、いざというときに足りなくならないよう、移動中などに適宜回収しておくのがベストだ。

建築の次に重要になるのが、ピグリンの軍勢たちと戦ってくれる仲間を呼び出す方法だ。

ゲームの初期から味方にできる 「ゴーレム」 は、スポナーを作って呼び出すことができる。近距離攻撃をするゴーレムと遠距離攻撃をするゴーレムのように、異なる攻撃特性を持った混成軍団を作っておくことで、色々な敵に対処できるはずだ。

呼び出せる仲間の数は、画面右下にある 「創造の炎」 の上限まで。スポーンした仲間はワールドに存在し続ける限り 「創造の炎」 を占有するため、特定のゴーレムを呼び出しすぎて他のゴーレムが呼び出せない、とならないように注意。

呼び出した仲間には、「勇気の旗」 を使って行動を指示する。プレイヤーについて来させたり、特定の場所で待機させたり、指示した方向に攻撃させることも可能だ。他社のタイトルで恐縮だが、任天堂の『ピクミン』シリーズをイメージするとわかりやすいかもしれない。

攻撃の際に重要になるのが、プレイヤーが攻撃できないものを仲間に依頼すること。プレイヤーはピグリンなどの敵モブには攻撃することはできるが、ピグリンが無限に出現する 「ピグリン ピッド」 のような敵の建造物には攻撃することができない。

こういった敵の建造物を破壊するには、ゴーレムなどの仲間に頼る必要がある。周囲に出現するピグリンはプレイヤー側で処理して、仲間には建造物の破壊を優先的に割り振るなど、状況に合った判断が必要だ。

チュートリアルが終わるといよいよ実戦となる。キャンペーン序盤はピグリンの襲撃に遭っている村に行って、撃退するという流れになる。

これまでの『Minecraft』にも犬などのペットを連れてあることはできたが、大量のゴーレムたちを引き連れてフィールドを移動するのは本作の特徴のひとつ。『Minecraft』をプレイしたことがある方なら、その光景だけでも楽しめるだろう。

道中には採取する素材だけでなく、荊など触るとダメージが入る植物が置いてあったり、ジャンプ力やダッシュ速度が一時的に上昇する植物等も生えているため、目に入ったものはさまざま試みてみるべき。うまく活用すれば、戦闘に有利に進められるようになるかもしれない。

ストーリーを進めていく上で、何度もピグリンの大量襲撃に遭遇することになる。ストーリー序盤でピグリンの襲撃に役立つのは、防壁や矢の塔。特に矢の塔はピグリンたちに自動で矢を放ってくれるため、村のあちこちに置いておきたいところ。

対戦モード

キャンペーンモードで本作の世界観を楽しんだなら、次はいよいよ対戦モードで、自身のストラテジー力を試しに行こう。

本作の対戦モードでは、最大4人で構成されるチームが2つ作られ、プレイヤーはどちらかのチームに割り振られる。それぞれのチームには 「基地」 が設けられており、相手チームの基地を先に壊した方が勝ちとなる。

相手チームに基地を壊されないようにするには、自分のチームの基地を守るための防衛施設が必要だ。防衛施設の建設に必要な資材はチーム内で共有することになるため、チーム内でコミュニケーションを取りながら、効率よく資材を収集して行こう。

資材が揃ったら、相手チームに簡単に攻め込まれないような防衛拠点を築く必要がある。まずは防壁を作って、基地にダイレクトに攻撃できないようにしておくのが無難だろう。全方位を防壁で囲ってしまうと自分たちも入れなくなってしまうため、出入りのためのゲートをつけるのをお忘れなく。

外側の防壁ができたら、内側の防衛力も強化しておく。相手チームが簡単に進入できないように入り組んだ構造にしたり、特定の場所に誘導するように道を作っておいて、入ってきた敵を矢を放つ塔で一網打尽にしたり。攻め込んだ敵の意表をつくことも大事かもしれない。

ちなみに、拠点内に強化ハブを建設することで、より耐久度の高い壁を作ることもできる。矢を放つ塔などもアップグレードで強化できるほか、壊れかけの防御施設は「大工の小屋」を作ることで修復も可能だ。

基地の防衛施設がある程度整ったら、いよいよ相手チームの基地を攻めに行く。相手チームも基地の周辺に防御施設を作っているはずなので、ゴーレムなどの味方モブを引き連れて突撃しよう。できればチームの複数人で同時に攻撃できれば、より効率よく攻めることができるはずだ。

……と、ここまで紹介した行動はあくまで一例で、対戦モードでは相手チームの動きを見ながら柔軟に行動することが求められる。

たとえば、開始直後に相手チームがいきなり攻め込んできたら、資材の収集や防衛施設の建設よりも先に相手チームを基地周辺から排除しなければならない。もし余裕があるのなら、この混乱に乗じてチームの1人がゴーレムを引き連れて相手チームの基地を攻めるという戦略もアリだろう。

また、チームは4人で構成されているため、資材班と建築班、敵陣への攻撃班など役割分担するのもありかもしれない。ただし、素材を集めるアレイや建築するためのアレイは3個ずつと限られるため、最も効率よく拠点を作るには各人の協力が不可欠になる点も忘れてはならない。

なお、相手チームだけでなくピグリンが襲ってくることもあるが、そのピグリンたちを引き連れて相手拠点に攻め込んだりもできる。うまく活用しよう。

実際にプレイしてみて感じたこと

今回、先行プレビューイベントで筆者は3媒体vs 3媒体の計6媒体が参加するチーム戦に参加した。第1戦目では、序盤のうちに資材をある程度集めていたものの、拠点に防衛施設を作っていくうちにみるみる資材が不足してしまい、中盤あたりから素材の回収に追われることになってしまった。

途中、敵チームの拠点に攻め込んでみたものの、やはり慢性的な資材不足は自チームの戦力の引き上げに繋げることはできず。そのうちに敵チームが攻め込んできたりと、対応が後手に回ってしまったことであえなく敗北してしまった。

2戦目は、1戦目の結果を踏まえて素材の収支を見ながら建築を進めることに成功。そして早い段階でスケルトンを多数生成し、一気に敵陣内に攻め込むことにも成功した。このまま大きなダメージを相手チームに与えることができるか!?と期待したが、相手チームの資材を回収していた人員が拠点に戻ってきたことで、形勢は一気に不利に。

一度退却して戦力を整えようとしたところ、今度は敵チームが上位資材を使用したゴーレムを引き連れてやってきたり、門の前に砲台を設置したりと猛攻を見せてきたことにより、再び敗北を喫してしまった。悔しい。

筆者が個人的に重要だと思ったのは、資材を集めるのと同時に早い段階で上位の資材を獲得したり、アップグレード構造物を作ること。それにはチーム内で積極的にコミュニケーションを取ったり、リーダーシップを発揮することも重要になるだろう。

もちろん、戦況を見ながら味方のサポートをする役割の人もいても良いだろう。チーム全体の戦力底上げにつながる行動をすれば、相手に先んじて行動できるようになるはずだ。

ちなみに、本作にはゲーム内チャットは用意されていないため、フレンドや家族と一緒にプレイする場合にはDiscordなどのチャットアプリを利用すると良い。

戦況にもよるが、1試合はおおよそ10〜20分前後で終わることが多いため、割と気軽にはじめることができるのも本作の良いところ。また、試合の結果が何かに影響することはないため、試合の勝ち負けに必死になる必要がないのも特徴となる。ゲーム初心者から達人級の人まで、幅広いユーザーが遊べる設計になっているところは『Minecraft』フランチャイズらしい設計だと筆者は感じた。

一方で、試合結果によって何らかの報酬を得られるなどのインセンティブ要素がないため、試合進行をセオリー化してしまった場合、割と早い段階で飽きが来てしまうかもしれないと心配にもなった。そのため、毎回同じような行動を取るのではなく、次のマッチングでは意図的に違う行動を取るなど、ユーザー側にも飽きない工夫が必要になるかもしれない。

ちなみにMicrosoftによると、生成されるマップは常にランダムであるため、二度とおなじ戦いにはならないという。また、谷や塔の位置など毎回違う場所に生成されることから、戦い方は試合ごとに変わるはずだ。

ストラテジー作品が大好きな筆者にとって、『Minecraft Legends』は実は密かに楽しみにしていたタイトルだった。キャラクターも可愛いし、何より初のPvPということでどんな作品に仕上がっているのか、気になっていたのだ。

実際にプレイしてみて感じたのは、資材集めや建築などオリジナルの『Minecraft』の世界観を維持しながらも、新たなゲーミング体験がしっかりと作り出すことができている点はとても素晴らしいということ。

『Minecraft』でワイワイ楽しくプレイしていた時の感覚が、今度はチームバトルで楽しめるのは今からとても楽しみだ。前述したように不安要素もちょっぴり感じているものの、マップのランダム生成や、順次違うユーザーとマッチングすることで戦況が大きく変わるのであれば、予想以上に長くプレイできるのかもしれない。

そのあたりは正式リリース以降に実際にプレイして確かめるほかなさそうだ。

『Minecraft Legends』エグゼクティブプロデューサーのデニス・リース氏にインタビュー。シリーズの統一感をもたせながら新たなストラテジー作品を作るための工夫とは
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※画面は開発中のものです。

(画像提供:Microsoft)

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