2月25日、米Microsoftはスペインのバルセロナで開催されるMWC 2019を前に、新製品発表イベントを実施し、期待の新型MRヘッドセット 「HoloLens 2」 を発表した。
「HoloLens 2」 は、2016年に発売した 「HoloLens」 の新型モデル。視野角・解像度など基本的なスペックが向上しているだけでなく、着け心地の改善といった以前から要望があった箇所が改善。さらに目や指のトラッキングに対応するなど新機能が追加されている。
新型MRヘッドセット「HoloLens 2」が発表
登壇したホロレンズの父:アレックス・キップマン氏
今回発表された 「HoloLens 2」 は前モデルから大幅なアップデートが実施されたモデルになっている。視野角が従来の2倍に拡大したほか、視野1度あたりのピクセル数が47ドット (前モデルは23ドット) とピクセル密度が向上し、より細かい文字が見えるようになったりグラフィックの向上が期待できる。
さらに、手だけでなく指の動きも認識できるハンドトラッキング機能に対応。デモでは仮想ピアノを複数本の指で弾くといったパフォーマンスが行われ、それぞれの指の動きをトラッキングするなど細かい動作を認識できるようになったことが示されていた。また、指だけでなく眼の動きもトラッキング可能になったほか、現実と仮想空間を簡単に行き来できるように画面のフリップアップにも対応した。これは多くのユーザーが希望していた機能だ。
長時間装着することを考慮しデバイスの軽量化とスリム化も実現。重量が軽いカーボンファイバー素材を使用した。さらに多くのユーザーの頭部にフィットするように改良を重ねた結果、フィット感が過去の3倍に向上したという。
内蔵プロセッサはSnapdragon 850。グラフィック処理を司るHPU (Holographic Processing Unit) は第2世代となっているが、具体的にどのように変化したのかは明らかにされていない。ちなみに、インターフェイスがUSB-Cに対応されているなど、地味ながら重要なアップデートが施されている。
ちなみに、今回の発表でEpic Gameのゲームエンジン 「UE4 (Unreal Engine 4) に対応することや、MozillaがHoloLens向けのWEBブラウザを開発していることが発表された。詳細は今後発表予定だというが、UE4については今年5月には利用できるようになるとのことだ。
要望が多かったフリップアップに対応
価格は最安3,500ドル、日本円にすると約38万5000円と現行モデル(3,000ドル)よりも高価になっている (月額125ドル、日本円で約1万4000円で購入も可能)。発売は2018年内で、販売国は米国、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、ドイツ、フランス、アイルランド、日本、中国の10カ国を予定。本日から、一部地域では公式サイトで予約受付が開始されているが、日本ではまだ予約受付は開始されていない。