Microsoft Edgeに新機能「Copilot Mode」実装。AIでブラウジング体験を刷新

Microsoftは、Microsoft Edgeの新機能として「Copilot Mode」を発表。本日より期間限定で提供すると発表した。

この「Copilot Mode」は、同ブラウザの使い方を大きく変える可能性を秘める。数十年にわたり、我々のブラウジングは基本的に同じ構造を保ってきた。検索し、ページを開き、読む。そして別のタブを開くーー。その繰り返しだった。

だが、AIの進化があらゆる領域に影響を及ぼしつつあるいま、Microsoftはその潮流をブラウザにも持ち込もうとしている。

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「Copilot Mode」とは何か?

「Copilot Mode」は、EdgeのなかにAIアシスタントを組み込むことで、ユーザーが次に何をしたいかを予測し、手助けしてくれる「実験的」な新機能だ。

新しいタブを開くと、検索・チャット・Webナビが統合されたシンプルな画面が表示され、ユーザーは自然言語で指示を出すだけで、まるでAIと会話するようにブラウジングし、目的の情報に素早くアクセスできる。

特に注目したいのが「マルチタブの文脈理解」だ。このマルチタブ文脈理解はCopilot Modeのコア機能のひとつで、現在開いているすべてのタブの内容をAIが把握し、関連情報を整理・比較する。

例えば、「ビーチに近くてキッチン付きのバケーションレンタルを探して」と話しかければ、Copilotは複数タブの情報を横断的に理解し、条件に合った宿泊施設を提示してくれる。ユーザーはもはや、いちいちタブを切り替えて情報を比較する必要がない。受動的な従来のブラウザから、能動的に助けてくれる相棒への進化と言えるだろう。

音声ナビゲーションとアクション機能も搭載

Copilot Modeでは音声入力による操作も可能になっており、「このページからスペック情報だけ拾って」や「iPhone 16とGalaxy S25を比較して」など、自然な話し言葉で命令できる。

今後は、ユーザーが許可すればブラウザ履歴やログイン情報などの文脈もAIが活用できるようになり、レストランの予約や商品の購入といった一歩進んだ操作も可能になる予定だ。

たとえば、「会社の近くでSUP(スタンドアップパドルボード)を借りたい」と言えば、天気情報を確認したうえで最適なレンタル先を探し、予約まで完了。さらに必要であれば、使い方のチュートリアル動画や、日焼け止めの必要性も提案してくれる。

また、今見ているWebページを開いたまま、Copilotをポップアップのように画面上に呼び出すこともでき、単位変換や翻訳、長文の要約なども元のページから目を離すことなくスムーズに行える。邪魔にならず、作業の流れを止めずに使えるのが魅力だ。

今後は「ジャーニー」と呼ばれるブラウジング履歴のトピック整理機能も追加される予定だ。過去に検索していたプロジェクトの進行状況をAIが把握し、次にすべきことを提案してくれる。

たとえば、「ネットショップの始め方」を調べたら、それに関連するチュートリアルや次のステップを提示してくれるといった具合だ。すべての操作には視覚的なサインが表示され、ユーザーが明確に制御できるよう設計されている。

オプトイン形式での提供。利用はあくまで “選択式”

Copilot Modeは、Microsoftのプライバシーポリシーに基づいて設計されており、データ収集は必要最小限かつユーザーが許可した範囲に限定される。

AIによる情報処理も、すべてユーザーがオンにしたときにだけ有効となるオプトイン方式を採用している。視覚的なフィードバックによって、Copilotがどのように動作しているのか常に確認できるのもポイントだ。

この「Copilot Mode」は、Copilotを提供している地域において、WindowsとMacのEdgeユーザー向けに無料で提供する。提供は期間限定となっており、利用は公式サイトから可能だ。今後もユーザーのフィードバックを反映しながら、さらに多くのAI機能を加えていく方針だ。

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「Copilot Mode」はGoogleのAI機能への対抗と見て良いか

Copilot Modeは、AIを駆使したブラウジング体験において先行するGoogleの取り組みに対する、Microsoftの対抗策と見ることもできる。

Googleは、検索エンジンにおけるAIの活用や、ChromeブラウザでのAI機能の実験などを通じて、ユーザーの意図を汲み取り、より効率的な情報アクセスを実現する道を模索してきた。Googleは既存の強力なサービス群にAIを統合することで、その利便性を高めている。

一方、Microsoftは、ブラウザそのものの体験を「AI中心」に再構築することで、Googleとは異なるアプローチで次世代のブラウジングを提案しようとしていると言える。Copilot Modeは、Googleの動きに追随しながらも、Microsoft独自の強みを活かしたアプローチでブラウザ体験の変革を目指していると言えそうだ。両者の競争が、ユーザーにとってより革新的なブラウジング体験をもたらすことが期待される。

(画像提供:Microsoft)

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