新型MacBook Proのキーボードは、本当に故障を防ぐことはできるようになったのだろうか。
今月12日、Appleは新製品「MacBook Pro 2018」を発表した。この新型モデルには「第3世代バタフライ構造キーボード」が採用されており、前モデルで問題視されていたキーボードのタイプ音を静音化しただけでなく、故障が多発した原因の”ホコリの侵入”を防ぐ工夫も凝らされていることが明らかになっていた。
これは、キーボードの故障に悩まされてきたユーザーや、故障を危惧して製品の購入を見送ってきたユーザーにとって喜ばしいニュースとなったが、果たしてその実力はどの程度なのか。新製品を分解することで有名なiFixitが徹底検証を行っている。
膜のおかげである程度ホコリの侵入を防げたものの、完全に防ぐことは不可能
iFixitは、新型キーボードがホコリの侵入をどれだけ防ぐことができるようになったのか検証を行った。
検証方法は、塗料で塗った粒子をキーボードに吹き付けることで、ホコリからキーボードを守ることができるのかを視覚的に確認するというもの。
検証結果は以下のとおり。iFixitの分解レポートではキーの下にシリコン製の薄い膜が導入されており、ホコリや液体の侵入を防ぐことができるようになったことが判明していたが、今回の検証ではこのシリコン膜が一定の効果を発揮しホコリの侵入を防ぐことに成功したことが明らかになった。
ただし、すべての粒子の侵入を防げたわけではなく、キーボードを使用しているうちにいくらかの粒子はバラフライ構造に到達してしまったことも確認できたとのことだ。つまり、ホコリがキーボード内に入り込んでしまうことでキーボードが故障する可能性は依然として残されているということになる。
とはいえ、故障する可能性がだいぶ少なくなっていることから、キーの故障による修理依頼は減る可能性がとても高い。ちなみに、iFixitは2017年モデルでも同様のテストを行っているが、こちらはすぐにホコリが侵入し故障の原因になってしまったとのこと。
キーボードの故障を心配している人に対して、今回の検証はとても興味深いものだ。もし、これまでMacBook Proのキーボードの故障を懸念して購入を控えていたのなら、今度こそ購入する良い機会なのかもしれない。ただし、ビーチや砂漠など砂やホコリが飛び交う場所で使用することを想定しているのであれば、あまりオススメできないが。
ちなみに、iFixitによると新しいバタフライ構造キーボードでは、スペースキーが再設計されているとのこと。これまでのスペースキーでは壊さずにキーキャップを取り外すことができなかったが、第3世代キーボードでは壊すことなく取り外すことができるようになったと報告している。また、シリコン膜を導入するために各キーの厚みは1.5mmから1.25mmに薄くなったという。
第3世代バタフライ構造キーボードに薄い膜が導入されたことに対しては、主に静音化のためではなくホコリの侵入による故障を防ぐために行ったことであることが、Appleの内部文書から明らかになっている。すでに、Appleは同キーボードの修理方法をまとめた動画を作り、従業員向けに配布しているようだ。
また、この新型キーボードは現時点では「MacBook Pro 2018」専用となっており、従来のMacBook Proはもちろん、MacBookに導入されることはないとのこと。Appleは先月から旧機種のキーボードに対して交換プログラムを実施しているが、交換に出しても新型第3世代のバタフライ構造キーボードになって帰ってくるわけではないので、その点は注意していただきたい。
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