
昨今、PCでFPS・TPSゲームをプレイするユーザーから 「ラピッドトリガー」 機能を持つゲーミングキーボードが人気を集めている。
ラピッドトリガーは、わずかにキーに触っただけでも入力が行われる、キーボードの高速入力技術。通常のキーボードよりも高速な反応を実現するため、 FPS・TPSゲームなど主に対人ゲームにおいて優位に立つのに役立つと話題だ。
今回、このラピッドトリガー機能を搭載したゲーミングキーボード 「MageGee ラピッドトリガー キーボード」 のサンプルを提供いただき、実際に使ってみることができたので、ゲームをプレイする上での使い心地など詳しく紹介したい。
「MageGee ラピッドトリガー キーボード」 87キー配列を使ってみた

「MageGee ラピッドトリガー キーボード」 は、メカニカルキーボードのコアユーザーである創業者によって作られた有線のゲーミングキーボードだ。68キー配列と87キー配列の2種類のモデルがあり、今回筆者は87キー配列を提供いただいた。
ちなみに、本製品を開発したMageGeeとは、2015年に中国・深センで誕生したゲーミングギアブランド。「Magic (魔法)」 と 「Geek (オタク)」 を組み合わせた名前が由来となっていて、主にキーボード、マウス、ヘッドセット、その他のコンピューターおよびゲーミング周辺機器を取り扱っており、スタイリッシュなデザイン、安定した品質、手頃な価格を特徴としている。
スムーズな押し心地がクセになるキーボード、クールなデザインも魅力的

本体サイズは362 x 134 x 45mm、重量は約1,167g。87キー配列はテンキーはないが、ファンクションキーはあることから、デスク上のスペースを節約しつつも、ファンクションキーは使いたいという人に便利。ただしキー配列はUS配列のため、JIS配列に慣れている人は少し練習が必要になるかもしれない。
本製品はキースイッチがひとつひとつ独立しているメカニカルキーボードで、耐久力が高くキーキャップも自由に変更できる。キーキャップのカラーは一番上の列が白っぽいグレー、一番下の列が黒っぽいグレーで中間はそのグラデーションになっていて、ゲーミングキーボードに多い無骨なデザインよりかはオシャレな印象を受ける。
キーキャップの文字は天面ではなく手前の側面に刻印されているため、使っていくうちに印字部分が掠れたり、汚れによって見えにくくなることはないはず。文字部分はRGBバックライトによって自分好みのライティングを楽しむこともできる。


背面にはキーボードの角度を調整できるスタンドが搭載。角度は2種類に設定できる。

キーボードの上部側面には、PCと接続するためのUSB Type-Cポートに加えて、ゲームモード・仕事モード・カスタマイズモードの3つのモードを簡単に切り替えることができる切り替えスイッチが搭載。各モードは専用ソフトを使うことで設定の内容を確認したり、より自分好みにカスタマイズできる。



付属品はPCと接続するためのUSBケーブルと予備のキースイッチ (4個) 、キーキャップを取り外すためのキーキャッププーラーが同梱。USBケーブルの長さは約1.5mで、PC側がType-A、キーボード側がType-Cとなっている。

デザインや仕様をチェックしたところで、さっそくPCと接続して使い勝手をチェック。キーはスムーズな押し心地でタイピングしやすく、文字入力もゲーム操作も快適。適度な反発があるため、入力している感覚が感じられて個人的には好印象だ。
タイピング音はカツカツカツ……と耳障りには感じないくらいの音で、メカニカルキーボードとしては比較的静かな部類に入るとは思う。念のため、友人に会社のデスクの隣の席程度 (1.5m程度) 離れて高速タイプ時の音を聞いてもらったところ、「そこまで気にはならない」 とのことだった。配信などではわずかに音が乗ってしまうことはあるかもしれないが、配信を妨げるほどの雑音にはならないはずだ。
カスタマイズは専用ソフトで

本製品の設定を変更するには、専用ソフトをダウンロードする必要がある。専用ソフトはこちらのWebサイトからダウンロード可能だ。今回はWindows PCでソフトをダウンロードして使ってみた。
ソフトはシンプルなUIで動作も軽く、操作しやすい。目玉機能であるラピッドトリガーの設定は 「キーストローク設定」 の部分から可能だ。
「現在のモード」 部分には、快適モード・急速モード・ゲーミングモード・カスタマイズモードの4つのモードが表示されるが、ラピッドトリガーの設定を自分で変更したい場合にはカスタマイズモード一択となるため、まずはカスタマイズモードをクリックして設定を行っていく。
ラピッドトリガーの仕組みについて簡単に説明しておくと、キーボードは 「アクチュエーションポイント」 と呼ばれる位置までキーを押し込むことでキーを押したと認識し、「リセットポイント」 と呼ばれる位置までキーが戻ることでキーを離したと認識する仕組みになっている。
一般的なキーボードではこの両方のポイントの位置が固定されているのだが、ラピッドトリガー機能を搭載した本製品ではこれらのポイント位置を変更でき、キーがわずかに動いただけで入力が反映されるため、従来よりもはるかに高速な入力が可能になる。例えば、キャラクターの動きを細かく止めたり、すぐに逆方向に移動でき、ゲームにおいて有利に立ち回ることができるようになる。

ラピッドトリガーはすべてのキーに一律で設定することもできるが、キャラクターの移動に関しての反応速度を早めたい場合には、移動キーのみに限定して設定した方が使いやすくてオススメだ。例として、一般的にキャラクターの移動に使われることが多いA・W・S・Dを設定してみた。
ラピッドトリガーを設定したいキーをクリックして選択状態にし、右の方にある 「Full Quick Trigger」 のトグルをオンにすることで、選択したキーにラピッドトリガーの設定ができる。感度は下にあるスライドで0.2mm〜2.5mmまで0.1mm単位で設定可能だ。
ラピッドトリガー搭載キーボードの中には、せっかく設定してもゲームプレイ中にキーが押しっぱなしになってしまうなどの不具合が生じるものもあるが、本製品でラピッドトリガーを設定した状態でゲームをプレイしてみたところ、特に不具合が起こることはなく、安定してプレイすることができた。


ちなみに、設定画面ではラピッドトリガーだけでなく、キーマッピングやマクロの設定も可能だ。もしキーボードが正しく動作しなくなったり、設定をやり直したいときには、専用のショートカットキー 「Fn + Esc」 で初期設定にリセットできるので覚えておこう。
まとめ:安価なラピトリ搭載キーボードが欲しい人にオススメ

「MageGee ラピッドトリガー キーボード」 は、ゲーマー向けに特化した設計が施されており、特にFPSやTPSといった対人ゲームでの競技性向上を目的としたキーボードだ。単なるメカニカルキーボードではなく、ラピッドトリガー機能によって入力の即応性を高めることで、プレイヤーのパフォーマンスを引き上げることを狙っている。
Amazonで約13,000円台とゲーミングキーボードとしては安価ながら、ゲーミングキーボードとして必要な機能はほとんど備わっている上に、ラピッドトリガーも不具合なく使えたことから、コストパフォーマンスに優れたゲーミングキーボードだと感じた。
従来のメカニカルキーボードと比較すると、ラピッドトリガー機能による高速入力はゲームの細かい操作性を向上させる。たとえば、FPSゲームでは敵の位置を素早く察知し、瞬時に方向転換して射撃する動作が重要になるが、ラピッドトリガーを活用することで、通常のキーボードよりも無駄な動作を省いた機敏な操作が可能になる。また、キー入力のリセットポイントを浅くすることで、移動キーの反応速度を極限まで高め、ストッピング(キャラの動きを一瞬で止めるテクニック)や、ジャンプ・リーンのスムーズな連携といった高度な操作も容易になる。

実際に本製品を使ってゲームをプレイしてみると、キーの反応の良さやタイピングのしやすさが際立つ。キャラクターの操作はもちろんなのだが、ゲーム内チャットの入力も快適で、何をするにも困ることはなかった。ミリ秒単位の反応速度が勝敗を分けることも珍しくなく、ラピッドトリガーによる入力遅延の短縮が、結果的に勝率アップに直結する可能性がある。プロや上級者はもちろん、ゲームを本格的に楽しみたいプレイヤーにとって、これは非常に大きなアドバンテージとなるだろう。
使っていて少し気になったのは、専用アプリの翻訳が完全ではないことと、設定の各項目がわかりにくいこと。慣れれば問題なく設定できるのだが、ラピッドトリガー搭載キーボードを初めて使う人はどこを設定すればいいのか混乱してしまうこともあるかもしれない。サポートは日本語にもしっかり対応しているため、もしわからないことがあればAmazonの商品ページなどから販売元に問い合わせてみていただきたい。
「MageGee ラピッドトリガー キーボード」 は、Amazonで購入可能だ。現在、販売元から当サイト限定のクーポンを発行いただいていて、クーポンコード 「YELYMGGRT」 を入力することで現在の販売価格からさらに10%オフで購入できる。クーポンは2025年3月31日まで有効だ。