Appleは昨年3月に、作業空間をクリエイティブでパワフルなものにするデスクトップ型Mac 「Mac Studio」 を発売した。
あれから約1年が経過しようとしているが、直近ではM2 Pro/M2 Maxチップを搭載した新型14/16インチMacBook Proが登場したこともあり、Mac Studioの新型モデルの登場にも期待したいところ。
しかし、その期待とは裏腹にMac StudioにはM2世代機は投入されない可能性があるという。米Bloombergの著名記者Mark Gurman氏は、自身のニュースレター 「Power On」 の最新号のなかで発言している。
Mark Gurman氏によると、Mac StudioはM2世代のSoCを搭載した新型モデルは登場する予定がないとのこと。次世代機が出るとしたらM3あるいはM4チップが搭載されたものとなり、ここしばらくは新型モデルは登場しない可能性があるというのだ。
なぜ直近でMac Studioに新型モデルが用意されていないのか。その理由としてMark Gurman氏はMac Proの存在を挙げている。
まもなく発売するとみられているMac Proは、M2 ProやM2 Maxの上位プロセッサとなるM2 Ultraを搭載することが予想されている。これにMac Studioまで発売したら、Mac Proとのカニバり (食い合い) が発生することから、AppleはMac Studioを投入するメリットが薄い、という指摘だ。
また、Mark Gurman氏はMac Studioの後継モデルが今後一切出ないことまで視野に入れているようだ。
もしMark Gurman氏の指摘が正しいなら、Mac Studioユーザーにとってはかなり悲しい話だ。本来Mac Studioは、実質的に27インチiMacの代わりとして投入された製品であり、Mac miniよりも高い性能を持ったフラグシップに近いデスクトップデバイスなはずだ。
同時にStudio Displayという高価なディスプレイまでセットで販売したことから、決してAppleが軽い気持ちで投入してきた製品でもないはず。
また、AppleはMac Proの新型モデルを投入することは以前より計画していたはず。その上でMac StudioとMac Proが競合するのは事前に分かっていたことではないのだろうか。
Mac StudioはM2 Max/M2 Ultraチップが搭載されることが予想される。M2 Maxは (実質的に) 完成しており、あとはM2 Ultraを作るだけ。M2 Ultraに関しては、Mac Proにも搭載されるのなら、Mac Studioに搭載することも難しくないはず。
もし、AppleがMac Studioの次世代機を投入しないというなら、のちにMac Studioユーザーは再び難民化する可能性がある。買い替え先として、Mac ProかMac miniのどちらかを選ぶほかなくなってしまうからだ。筆者のようにiMacから流れてきたユーザーもいるはずで、一緒にStudio Displayも購入している可能性もあることから、いまさらディスプレイ一体型のiMacに戻ることも難しいだろう。
流石に後継モデルは登場するだろうと筆者は予想するが、もし今後の話が事実ならなぜMac Studioは作ってしまったのか。Mac StudioはMac Proが登場するまでの繋ぎでしかなかったのだろうか。
Appleの未発表製品に関して高い予測精度を誇るMark Gurman氏の予測であることから信憑性はそれなりにあるが、Mac Studioを愛用する筆者としてはあまり信じたくない話である。
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