【比較】MacBook Pro(2019)とMacBook Pro(2018)のスペック・仕様の違いを徹底比較

2019年5月22日、Appleは突如としてMacBook Proの新型モデル ｢MacBook Pro (2019)｣ を発表。Apple公式サイトで販売を開始した。

Appleによると、今回発表された新型モデルはプロセッサのアップグレードによって史上最速のMacBook Proに進化したとのこと。また、トラブルが頻発していたバタフライキーボードが改良されるなど、プロセッサ以外にも変更が加えられているとのことだ。

果たして新型モデルは、前モデルに比べてどれほど性能が強化されているのだろうか。当記事では、MacBook Pro(2019)とMacBook Pro(2018)のスペックや仕様を比較した。新型モデルを購入しようと考えている方はぜひ参考にしていただきたい。

また、記事下には2018年モデルと2019年モデルの比較表や、2019年モデルの13インチと15インチの比較表も掲載しておいたので、気になる方は最後までチェックを。

【追記】2019年7月10日
13インチ ｢MacBook Pro｣ のTouch Bar非搭載モデルがアップデートされ、Touch BarとTouch IDが新たに搭載されるようになった。同モデルについては比較記事 ｢MacBook Pro(2019)のエントリーモデルは前モデルから何が変わった？｣ ｢MacBook Pro 2019とMacBook Air 2019、どのモデルを買うべきか考えてみた｣ を公開しているため、そちらに興味のある方はぜひご覧いただきたい。

本体デザインは変更なし

上記画像はMacBook Pro(2018, 13-inch)

｢MacBook Pro｣ は、Macシリーズの中でもプロ向けモデルとして販売されているノートブック端末。とても高い処理性能を持っていることもあり、多くのユーザーに愛されているデバイスだ。

今回発表された ｢MacBook Pro (2019)｣ は、2016年モデルから採用されている現行デザインをそのまま踏襲したものになっているため、当然ながら2018年7月に発表された ｢MacBook Pro (2018)｣ とデザインの違いはほとんど存在しない。

プロセッサは最大8コアに。史上最速のMacBook Proが誕生

それでは新型モデルはどこが変わったのか。

スペック上の違いはCPU (内蔵プロセッサ) のみ。特に大きな変化を遂げたのは15インチモデルで、Intelの第8世代/第9世代プロセッサ ｢Intel Core i7もしくはIntel Core i9｣ が搭載、MacBook Proシリーズで初めて最大8コアのプロセッサを利用できるようになった。また、13インチモデルも同じ4コアのままだが、プロセッサの性能は2019年モデルの方が上となる。

ベンチマーク

MacBook Pro 2019年モデルは、13インチモデルも15インチモデルも2018年モデルよりも性能の良いプロセッサが搭載されたが、ベンチマークスコアはどれほど向上したのか。

こちらがGeekBenchのベンチマーク結果。

13インチモデルのスコアは微増といったところだが、15インチモデルは約1.5倍のスコアを叩き出している。しかも、マルチコアスコアに関しては3万点を超える結果となっており、iMac Proなどのプロ向けデスクトップモデルに匹敵する性能になっているというのだから驚きだ。

このことから、2018年モデルから買い替える場合は15インチモデルの方がより買い替えの恩恵を得ることができるだろう。とにかく性能が高いラップトップ端末を求めているなら、今回の15インチMacBook Pro(2019)を購入するべきだ。

キーボードが改良され、より静かに。信頼性も向上

上記画像はMacBook Pro(2018, 13-inch)

2016年のメジャーアップデート以降、なにかとトラブルが頻発していたMacBook Proのバタフライキーボード。2018年モデルでは従来よりも静かにタイピングできるよう改良が施された第3世代のバタフライキーボードが搭載され、確かに改善はみられたものの、依然としてキーボードの故障率が高いとユーザーから不満が上がっていた。

これを受けて、Appleは2019年モデルで新たな素材を使用したバタフライキーボードを採用した。その名も ｢改良された第3世代バタフライキーボード｣ 。世代こそ第3世代となっているが、2018年モデルに搭載されたキーボードとは明らかに違うものになっている。

まず大きな変化があったのはキーボードの打鍵音。2018年モデルでは第3世代のバタフライキーボードが搭載されたことで打鍵音が静かになったと話題になったが、2019年モデルはさらに静かにタイピングできるようになっている。

というのも、2018年モデルではキーボードをゆっくりタイプするとそこまでうるさくはなかったのだが、急いでタイプするとどうしても ｢カチャカチャ｣ という不快な音が鳴ってしまっていた。しかし2019年モデルは比較的急いでタイプしても ｢トストス｣ という静かな音になっていて、打鍵音でストレスを感じることはかなり少なくなった。

さらに打鍵音だけでなく、打鍵感にも変化が。以前は長文をタイプすると手が疲れてしまうことが多かったが、2019年モデルではキータッチが柔らかくなった関係で、以前よりも手が疲れにくくなった。

[ img via iFixit ]

これらの変化を実現した ｢改良された第3世代バタフライキーボード｣ には一体どのような改良が加えられたのか。丁寧な分解レポートに定評のあるiFixitが分解して確認したところ、キーボードのスイッチを覆うメンブレンの素材がポリアセチレン製からナイロン製に変更され、よりクリアで手触りが柔らかくなっていることが確認できたという。各キーの下にあるドームスイッチに改良が施されていることも確認されている。

これらの改良により、2019年モデルは2018年モデルに比べてタイプ時の静粛性が向上、キータッチが柔らかくなったほか、更にキーボードが故障しにくい構造になったのではないだろうか。もし2018年モデルのキーボードに不満があるのであれば、2019年モデルの購入は大きな恩恵があるかもしれない。

ただし、2019年モデルの登場と同時に、Appleは ｢MacBook、MacBook Air、MacBook Pro キーボード修理プログラム｣ を発表している。同プログラムの対象には2018年モデルだけでなく2019年モデルも記載されているため、改良が施されたとはいえ、まだ問題が完全に解決できたわけではないということになる。｢2019年モデルに変えたから絶対に故障しない｣ とまで言い切れるものではないため、その点は注意していただきたい。

以上が新型MacBook Pro (2019) の変更点。プロセッサとキーボード以外に何か大きな進化があったわけではないため、2018年モデルから買い換える必要性は薄いと思われるが、2018年モデルの性能に満足していない方や、それ以前のモデルをお持ちの方は買い換えても良いのではないだろうか。

新型MacBook Pro (2019) はApple公式サイトから購入可能だ。