7月9日、AppleはMacBook ProのTouch Bar非搭載モデルを突然アップデート。新型モデル 「MacBook Pro, 13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 Ports」 の販売を開始した。
同モデルがアップデートされるのは2017年6月以来、約2年ぶり。新たにTouch BarやTouch IDなどが搭載されるなど大きく進化しているのが特徴だ。
果たして新型モデルは前モデルからどれくらいの進化を遂げたのだろうか。当記事ではその違いについて詳しく紹介する。購入を検討する際の参考にしていただけたらと思う。
13インチMacBook Pro(2019) エントリーモデル |
13インチMacBook Pro(2017) Touch Barなし |
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ディスプレイ | 13.3インチRetinaディスプレイ 広色域(P3) True Toneテクノロジー |
13.3インチRetinaディスプレイ 広色域(P3) |
解像度 | 2,560 x 1,600ピクセル(227ppi) | |
Touch Bar | ○ | × |
Touch ID | ○ | × |
ストレージ | 128GB SSD モデル (256GB/512GB/1TB/2TBに変更可能) 256GB SSD モデル |
128GB SSD モデル (256GB/512GB/1TBに変更可能) 256GB SSD モデル |
プロセッサ |
第8世代の1.4GHzクアッドコアIntel Core i5 オプションで以下に変更可能 |
第7世代の2.3GHzデュアルコアIntel Core i5 オプションで以下に変更可能 |
メモリ | 8GB 2,133MHz LPDDR3オンボードメモリ (16GBに変更可能) |
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グラフィック | Intel Iris Plus Graphics 645 | Intel Iris Plus Graphics 640 |
本体サイズ | 幅30.41 × 奥行き21.24 × 高さ1.49 cm | |
重量 | 1.37kg | |
通信 | Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 5.0 |
Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 4.2 |
カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | |
ポート | Thunderbolt 3(USB-C)ポート × 2 | |
オーディオ | ハイダイナミックレンジステレオスピーカー 3つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
ハイダイナミックレンジステレオスピーカー 2つのマイクロフォン 3.5mmヘッドフォンジャック |
キーボード トラックパッド |
バタフライ式キーボード 感圧タッチトラックパッド |
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バッテリー | ブラウジング:最大10時間 iTunesムービー再生:最大10時間 |
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カラー | シルバー スペースグレイ |
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価格(税別) | 128GB:139,800円〜 256GB:159,800円〜 |
販売終了
以前の価格は |
Touch BarとTouch IDが新たに搭載
最も大きな変化は、Touch BarとTouch IDが搭載されるようになったこと。
Touch Barは、メインディスプレイとは別に搭載されているサブの有機ELディスプレイだ。通常であればファンクションキーがある場所に配置されている。
このTouch Barに表示される内容は起動しているアプリケーションによって変化する仕様で、例えば音楽や動画を再生しているときはシークバーが表示されたり、画像編集アプリではコントラストや露光量、彩度のスライダー調節が可能。テキストを打っているときはフォントサイズなどのテキストオプション、各種ツールが表示されるといった具合だ。
また、Touch Bar右端には常に音量調節ボタンや画面の明るさ調節ボタンなどが用意されていて、これを押すことでそれぞれの項目を調節できるコントロールバーが表示される仕組みとなっている。
Touch IDは指紋認証機能。MacBook Proの画面ロック解除や各種ログイン、Apple Payの支払いに使用することが可能。Touch Barは不要に感じている人が意外と多いが、Touch IDに関しては一度慣れたら手放すことができないくらい便利。Touch IDを搭載したiPhoneを使っている方には、おそらくその便利さは分かっていただけると思う。
True Toneディスプレイが搭載
2019年モデルで注目すべき点のひとつとして、ディスプレイに 「True Toneテクノロジー」 が搭載されるようになったことが挙げられる。
True Toneテクノロジーは、最新iPhoneやiPad ProなどのiOSデバイスやMacBook Proではすでに採用されていた技術。周囲の明るさや光の色を検知し、画面のホワイトバランスを自動調節することで正しい画面の色描写を実現するというものだ。
例えば、夕陽の元でMacBook Proを開くと画面はわずかに赤みがかった色に変化するなど。どんな光源の元でも、自然な色合いの画面を見ながら作業することができるため、目に優しく作業がしやすい。
安価モデルには基本的に搭載されていなかった機能だが、2019年モデルからMacBook Proのエントリーモデルでも利用できるようになっている。
TrueToneテクノロジーについてはMacBook Pro(2019) の上位モデルのレビューの記事が参考になると思われる。
関連記事 ▶︎【徹底レビュー】MacBook Pro 2019 13インチ:性能向上とキーボードの改良でいよいよ完成体に。2018年モデルとの比較も
プロセッサが第7世代→第8世代、デュアルコア→クアッドコアに
約2年ぶりの新型モデル登場ということもありプロセッサのアップグレードが行われている。
前モデル 「13インチMacBook Pro(2017), Touch Barなし」 は、Intelの第7世代デュアルコアプロセッサ 「Core i5(2.3GHz/Turbo Boost使用時3.6GHz)」 がデフォルトで搭載されていたが、新型モデルはIntel 第8世代クアッドコアプロセッサ 「Core i5 (1.4GHz/Turbo Boost使用時最大3.9GHz) が搭載されている。
13インチMacBook Pro(2019) エントリーモデル |
13インチMacBook Pro(2017) Touch Barなし |
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プロセッサ |
第8世代の1.4GHzクアッドコアIntel Core i5 オプションで以下に変更可能 |
第7世代の2.3GHzデュアルコアIntel Core i5 オプションで以下に変更可能 |
実際どれくらい性能が向上したのかはベンチマークスコアの結果を見たいところだが、プロセッサのコア数は同時に処理できる数に関係するため、マルチタスクが快適になっているとみられる。
ちなみにCTOオプションは、Intelの第7世代デュアルコアプロセッサ「Core i7(2.5GHz/Turbo Boost使用時最大4.0GHz)に変更可能だったが、新型モデルはIntelの第8世代クアッドコアプロセッサ (1.7GHz/Turbo Boost使用時最大4.5GHz)に変更可能だ。
グラフィック性能が向上
プロセッサのアップグレードとともにグラフィック性能もわずかながらに改善されている。
2017年のTouch Bar非搭載モデルに内蔵されていたグラフィックスは 「Intel Iris Plus Graphics 640」 だったが、7月9日に発売した2019年新型モデルに搭載されているのは 「Intel Iris Plus Graphics 645」 。
おそらくベンチマークスコア的にはほとんど差がないとみられるが、一応グラフィック能力は向上しているはずだ。
13インチMacBook Pro (4ポート, 2019) |
13インチMacBook Pro (2ポート, 2019) |
13インチMacBook Pro (2ポート, 2017) |
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Intel Iris Plus Graphics 655 | Intel Iris Plus Graphics 645 | Intel Iris Plus Graphics 640 |
ただし、13インチMacBook Proの上位モデルには性能的に劣ってしまう。4つのThunderbolt 3ポートが搭載された13インチMacBook Proにはさらに上の性能を持つ 「Intel Iris Plus Graphics 655」 が搭載されているからだ。
とはいえ、これらはすべてCPU内蔵グラフィックスなので外部GPU(dGPU) を搭載した15インチMacBook Proなどに比べるとグラフィック性能はやはり大幅に劣るため、13インチMacBook Proの中でどのモデルを買うか検討しているのであればあまり深く考える必要はないだろう。
価格が3,000円値下げ
今回の新型モデルの登場に伴って、MacBook Proのエントリーモデルは少しばかり値段が引き下げられている。
13インチMacBook Pro(2ポート, 2019) | 13インチMacBook Pro(2ポート, 2017) |
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128GB:139,800円〜 256GB:159,800円〜 |
128GB:142,800円〜 256GB:164,800円〜 |
128GBモデルで3,000円、256GBモデルで5,000円の値下げ。おかげでMacBook Proを最安14万円(税別)で購入できるようになった。
ちなみにすべての13インチMacBook Proの価格比較は以下の通りとなっている。Thunderbolt 3ポートの数や性能が大幅に異なるため、価格差がつくのは当たり前ではあるのだが、それでも見た目がほぼ同じMacBook Proを14万円で購入できるというのはかなりのインパクトだ。
13インチMacBook Pro (2ポート, 2019) 下位モデル |
13インチMacBook Pro (2ポート, 2019) 上位モデル |
13インチMacBook Pro (4ポート, 2019) 下位モデル |
13インチMacBook Pro (4ポート, 2019) 上位モデル |
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139,800円〜 | 159,800円〜 | 198,800円〜 | 220,800円〜 |
その他の変更点
大きな変更点は上記の通りだが、そのほかにもいくつか変更点があったので触れておきたい。
最大ストレージ容量は2TBに
まずはMacBook Proの内蔵ストレージのCTOオプションの容量が最大1TBから2TBに変化したということ。これまでは256GB/512GB/1TBの3ラインナップだったが、2019年モデルは256GB/512GB/1TB/2TBの4ラインナップに変更されている。
Bluetoothのバージョンが4.2から5.0に
Bluetoothのバージョンが最新の5.0に置き換えられた。Bluetooth 5.0は低消費電力を維持したまま、通信距離が最大で4倍に、さらにデータ転送速度も最大で2倍になるなどの改善がおこなれており、音声通信の遅延などが解消されている。
マイクの数が2個から3個に
音声通話をするのに必要な内蔵マイクの数が、「MacBook Pro, 13-inch, 2019, Two Thunderbolt 3 Ports」 から3つに増量されている。前モデルは2つだったため、以前よりもクリアな音声を通話相手に届けることができるはずだ。
まとめ:気になるのはバッテリー持ち
以上が、13インチMacBook Proのエントリーモデルの新旧比較。Touch BarやTouch IDに目が行きがちだが、その他の部分についても地味ながら進化を遂げていることがわかる。
ただし、注意して欲しいのはTouch Barが搭載されたことで、以前のようなバッテリー持ちが実現できなくなっている可能性があるということ。
Appleの説明によると、MacBook Proはすべてのモデルで最大10時間駆動できるとのことだが、実際上位のMacBook Proも10時間もつことはほぼなく、現実は6~7時間程度のバッテリー持ちとなる。
つまり、新たにTouch Barが搭載されたMacBook Proも同じように6時間程度しかバッテリーが持たない可能性があるということだ。
そういう意味ではバッテリー持ちを選ぶならMacBook Air、性能を取るなら上位の13インチ/15インチMacBook Pro、そしてその中間を取るなら今回比較したMacBook Proのエントリーモデルということになるだろうか。
- MacBook Airを買うべき人
バッテリー持ちを重視する場合。もしくはライトユーザー。 - MacBook Pro (上位モデル) を買うべき人
高い性能が必要な場合 - MacBook Pro (エントリーモデル) を買うべき人
性能と価格の中間を取りたい場合
MacBook Proはやはり高価な買い物。一度購入したらすぐに買い換えるのが難しいため、実際に購入する場合はぜひ大いに悩んで購入していただきたい。Apple公式サイトで各Macを比較するのも手だろう。
Aple公式サイトで購入する場合は以下のリンクからどうぞ。各Macの比較はこちらからどうぞ。
▼ Apple公式サイトでMacBook製品をチェック
・MacBook Air
・MacBook Pro
▼ Macアクセサリ
・Magic Keyboard
・Magic Trackpad
・Magic Mouse
・その他
▶︎ 学生・教職員向けストア
ちなみに、MacBook Airや上位のMacBook Proの性能や仕様を確認したい場合は以下のレビュー記事をご覧いただきたい。
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