おそらくAppleのファンであれば、忘れもしないあの発表イベントーー。故スティーブ・ジョブズ氏が、サンフランシスコで開催された「Macworld 2008」で登壇し、茶封筒の中から「MacBook Air」を取り出したのは、もはや10年も前のことだ。
Appleは2008年1月15日に、同イベントで「MacBook Air」を発表した。
当時、「世界最薄」のキャッチフレーズで発表された「MacBook Air」は厚さ最大1.94cmと、紛れもなく薄くて魅力的な端末だった。競合他社も薄型ラップトップは販売していたものの、あれほど洗練されたデザインで、あれほどの薄さと軽さを実現した製品は存在せず。観客の拍手喝采の中、「MacBook Air」はこの世に生を受けたのだ。
「MacBook Air」の発表から10年、Appleのラップトップは大きな進化を遂げた
「MacBook Air」は、Appleのラップトップ端末として初めて光学ドライブ装置を廃止した端末で、CDやDVDを読み取ることができなかった。また、マルチタッチトラックパッドを搭載し、初めてSSDストレージが採用された製品でもある。
その後、「MacBook Air」は何度かのアップデートが実施されており、2010年には新しいデザインが採用された新モデルが登場。13.3インチモデルに加えて、11インチモデルが登場した。
その後、何度かのマイナーアップデートを経て、2016年には11インチモデルの販売が終了している。現在は13.3インチモデルのみが販売されているが、Appleが今後も「MacBook Air」シリーズを存続させる予定なのかは明らかになっていない。
「MacBook Air」が誕生してから、今に至る10年間で、「MacBook」シリーズは大きく進化を遂げてきた。
まずは「MacBook Pro」。現在のモデルは、「Touch Bar」と呼ばれるタッチスクリーンが搭載されており、バーの右端には指紋センサーが搭載されている。また、感圧タッチトラックパッドが搭載されるなど、ハードウェア面で大きな進化を遂げている。
また、「MacBook Pro」と「MacBook Air」の他に、「MacBook」というエントリーモデルも復活を遂げている。現在は2015年に発売した「MacBook 12-inch」のマイナーアップデートモデルとなる「MacBook 2017」が販売されている。
「MacBook Pro」と「MacBook」は、いずれも画面はRetinaディスプレイを搭載し、画面の表示が綺麗になっている。また製品の小型化が進んでいるため、当時世界最薄と謳われた「MacBook Air」が、現在では最も厚いMacBookとして存在している状況だ。
製品名 | 高さ | 幅 | 奥行き | 重量 |
---|---|---|---|---|
MacBook (12-inch) | 0.35〜1.31 cm | 28.05 cm | 19.65 cm | 0.92 kg |
MacBook Air (13.3-inch) | 0.3~1.7 cm | 32.5 cm | 22.7 cm | 1.35 kg |
MacBook Pro (13-inch) | 1.49 cm | 30.41 cm | 21.24 cm | 1.37 kg |
MacBook Pro (15-inch) | 1.55 cm | 34.93 cm | 24.07 cm | 1.83 kg |
ただし、10年前に発表された「MacBook Air」は、現在の「MacBook Pro」や「MacBook」のベースとなる端末になったに違いない。少なくともデザイン的には、全てのMacBook製品は「MacBook Air」の派生系であることは見ればすぐに分かるはず。
そういう意味では、スティーブ・ジョブズ氏の生み出した「MacBook Air」は、現在のApple製品に影響を与え続けているとも言えるだろう。
前述の通り、「MacBook Air」はしばらく大型アップデートが実施されておらず、近い将来、Appleのラインナップから外されてしまう可能性がある。スティーブ・ジョブズ氏の遺作の一つである、同端末が今後どのような扱いになるのか、とても気になるところだが、昨年6月にスペック向上が実施されていることから、まだしばらくは販売が継続されることが予想される。
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