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M1チップ搭載Macのベンチマークスコアまとめ。プロセッサ、グラフィック、SSDいずれもIntel Macを上回る結果に

AppleがMacのために設計した初めての自社製チップ 「M1チップ」 を搭載したMacBook Pro・MacBook Air・Mac miniが本日発売した。

これまでにAppleが作ったチップの中ではもっともパワフルな性能を持つという 「M1チップ」 。発売に伴い、各種ベンチマークスコアなどが明らかになっているので、同記事ではそれらの詳細についてまとめてお伝えする。

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CPU性能について

まずはCPU性能について。M1チップにネイティブ対応済みの 「Geekbench 5」 で計測した、MacBook Pro・MacBook Air・Mac miniの3台のベンチマークスコアが公開されている。

各モデルのシングルコアスコア・マルチコアスコアは以下のとおり。比較対象としてIntelプロセッサを搭載した16インチMacBook Pro・27インチiMac・Mac Proの最上位モデルの結果も一緒に掲載している。

製品名 プロセッサ シングルコアスコア マルチコアスコア
MacBook Pro Apple M1 1689 7288
MacBook Air 1678 7225
Mac mini 1689 7401
MacBook Pro (16-inch 2019) Intel Core i9
(8コア/2.4GHz)
1095 6869
iMac (27-inch Retina 2020) Intel Core i9
(10コア/3.6GHz)
1251 9021
Mac Pro (2019) Intel Xeon W-3265M
(24コア/2.7GHz)
1116 18960

またMacBook Pro・MacBook Air・Mac miniにおいて、最新のIntelプロセッサ搭載モデルのベースモデルと比較してどれほどの性能向上があったのかについても以下にまとめてみた。

  MacBook Pro MacBook Air Mac mini
Intel
(i5-8257U)
M1 Intel
(i3-1000G4)
M1 Intel
(i3-8100B)
M1
シングルコアスコア 925 1689 1102 1678 897 1689
マルチコアスコア 3852 7288 2842 7225 3202 7401

注目すべきはシングルコアスコアの高さ。ベンチマークランキングでは、3台とも16インチMacBook ProやMac Proなどの高性能モデルを抜いてシングルコアスコアのトップ3を独占するという結果に。

マルチコアスコアにおいては、さすがにMac ProやiMac Pro、27インチiMacを超えることはなかったが、それでも旧型Mac Proや16インチMacBook Proを超えるスコアを叩き出している。

ちなみに、MacBook Airのスコアがシングル・マルチともに少し低くなっているが、これはファンレス仕様であることが影響しているものと思われる。また、Mac miniのマルチコアスコアが少し高いのは、バッテリー駆動であるMacBook ProやMacBook Airほど省電力性が求められていないからであると推測できる。

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「Rosetta 2」 エミュレーション時のスコア

非ネイティブ対応の 「Geekbench 5」 を 「Rosetta 2」 でエミュレーションした状態で計測したベンチマークスコアも公開されている (via MacRumors) 。

Rosetta 2

Intel Mac向けのアプリをM1チップ搭載Macで自動変換して動作できるようにするためのソフトウェア。

発見されたベンチマークスコアはMacBook Airのもので、シングルコアスコアが1313、マルチコアスコアが5888となっている。ネイティブ対応済みGeekbench 5で計測したMacBook Airのスコアや各種Intel Macのスコアと並べると以下のとおり。

製品名 プロセッサ シングルコアスコア マルチコアスコア
MacBook Air
(ネイティブ対応したGeekbench 5で計測)
Apple M1 1678 7225
MacBook Air
(非ネイティブのGeekbench 5で計測)
1313 5888
MacBook Pro (16-inch 2019) Intel Core i9
(8コア/2.4GHz)
1095 6869
iMac (27-inch Retina 2020) Intel Core i9
(10コア/3.6GHz)
1251 9021
Mac Pro (2019) Intel Xeon W-3265M
(24コア/2.7GHz)
1116 18960

さすがにネイティブ対応Geekbench 5で計測したスコアと比べると、2割ほどパフォーマンスは下がるものの、それでもシングルコアスコアにおいては最新のiMacや16インチMacBook Proよりも高いスコアになっていることが確認できる。もしM1チップ搭載Mac向けに最適化されていないアプリを使う上でも、十分なパフォーマンスを発揮してくれそうだ。

GPU性能について

グラフィック性能については、ベンチマークソフト 「GFXBench 5.0」 によるテスト結果から性能が明らかになっている (via tom’s HARDWARE) 。結果は以下のとおり。

比較対象として 「GeForce GTX 1050 Ti」 と 「Radeon RX 560」 があげられている。これらは数年前のGPUであるため比較はフェアとは言えないかもしれないが、とはいえAppleのM1チップはこれらを上回る性能であることは確認できる。

「GFXBench 5.0」 はスマートフォン向けのベンチマークソフトであることから、 PC用グラフィックカードのベンチマークテストには適していない可能性がある。上記の結果はあくまで参考程度に捉えておくべきだろう。

SSDパフォーマンス

M1チップ搭載MacのSSDのベンチマークスコアも明らかになっている。MacRumorsのフォーラムに投稿されたMacBook Airの256GB SSDのベンチマークスコアは以下。

  書込速度 読込速度
MacBook Air(M1) 2190MB/s 2676MB/s
MacBook Air(2019/2020) 1007MB/s 1319MB/s

Intelプロセッサを搭載したMacBook Air(2019/2020)と比較すると、読み込み・書き込み速度ともに約2倍になっていることが確認できる。AppleはSSDのパフォーマンスは最大2倍高速になったと発表時に伝えていたことから、おおよそそのとおりの結果になっていることが分かる。


以上が現時点で明らかになっている各種ベンチマークスコアだ。これからさらに多くの報告が上がってくることが予想されるが、今回登場したM1チップ搭載MacBook Pro・MacBook Air・Mac miniは、いずれもIntelプロセッサを搭載した多くのMacよりも高性能な結果になっていることが確認できた。Appleの言うとおり 「かなりパワフルな性能」 を持っていることに違いはなさそうだ。

ここ数日のうちに筆者のもとにもMacBook Pro・MacBook Airが届く予定なので、各種性能については今後公開予定のレビューをチェックしていただきたい。

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