MetaがAIスタートアップ「Limitless」買収。ハード提供とデスクトップアプリは終了へ

Metaは12月5日、会話記録に対応したペンダント型デバイスを販売するAIスタートアップ「Limitless(旧Rewind)」の買収を発表した。この買収に伴い、Limitlessは同デバイスの販売を終了している。なお、すでにデバイスを購入済みの既存ユーザーへのサポートは1年間継続すると発表している。

LimitlessはもともとAIによる情報取得支援ツールを手がけていたが、昨年ハードウェア企業へと大きく舵を切り、99ドルのAIペンダント「Limitless Pendant」を発売。この製品は、衣服にクリップのように装着したり、ネックレスのように身につけたりできるウェアラブルで、いわゆる「AIピン」市場の一角を担っていた。

「Limitless Pendant」はこれまで月額課金で提供されてきたが、既存ユーザーは今後サブスクリプション料金を支払う必要がなくなり、当面の間、無料の「Unlimited Plan」に移行される。また、デスクトップ上の操作を記録して検索可能な履歴として残すソフトウェア「Rewind」は、段階的に終了していく予定だ。

LimitlessはMetaとのビジョン共有を理由に買収受け入れに至ったと説明している。Metaは現在、Ray-Ban Metaシリーズを中心にAR/AIグラスに注力しており、Limitlessは同分野を支えるReality Labsのウェアラブル部門に合流する見込みだ。独自のAIペンダントをMetaが新たに展開する可能性は低く、既存製品の開発強化に人材を投じる形になりそうだ。

Limitless創業者のDan Siroker氏はコメントの中で、AI・ハードウェア市場が急速に変化し、OpenAIやMetaといった巨大プレイヤーが直接AIデバイスを開発し始めたことで、スタートアップが独自デバイスで戦うことが難しくなったと指摘している。

Limitlessは既存ユーザー向けにデータエクスポート機能を提供し、アプリ内からデータ削除も選択できるようにする。なお、同社はa16zやFirst Round Capital、NEAなどからこれまでに累計3300万ドル以上の資金を調達していた。

情報ソース

(画像:Limitless)

Meta
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