
ストレージ製品ブランドの Lexar(レキサー)は、日本で事業戦略発表会を開催し、創立30周年を節目とした今後の製品戦略と日本市場での取り組みを発表した。AIの普及を見据えたストレージの新しい役割や、新製品ラインアップなどが紹介された。
Lexarは1996年、米カリフォルニアで創業。高性能メモリ製品やストレージソリューションを手がけ、現在は70以上の国と地域で展開。世界で1億人以上のユーザーに利用されているという。メモリーカード規格の策定にも関わっており、CFAやSDA、ITMAといった業界団体の設立メンバーとして、ストレージ規格の発展にも携わってきた。
ブランドのコアバリューとして掲げるのは「Professionalism(プロフェッショナリズム)」「Innovation(イノベーション)」「Service/Leadership(サービス/リーダーシップ)」の3つ。これらの価値観を軸に、製品開発やサポート体制の強化を進めているという。
今回の発表では、アルゼンチン代表サッカーチームとのスポンサー契約についても紹介された。チームが掲げる「勝利への強い意志」「情熱」「決して諦めない精神」が、Lexarのブランド文化と重なることが提携の背景にあるとしている。
このパートナーシップを記念した共同ブランド製品として、2026年上半期にポータブルSSD「Lexar Air Portable SSD」と「Lexar SL500 Portable SSD」の特別モデルを発売する予定だ。
AI時代を見据えたストレージ戦略「AI Storage Core」
発表の中心となったのが、AI時代を見据えた新しいストレージ戦略「AI Storage Core」だ。
これまでAI処理はクラウド中心で行われるケースが多かったが、近年はPCやスマートフォン、エッジデバイスなど、ローカル環境でAI処理を行う場面が増えている。こうした流れを踏まえ、Lexarはクラウドに依存しないローカルストレージ、いわゆる「サイドストレージ」の重要性が今後高まると見ている。
AI Storage Coreは「パフォーマンス」「信頼性」「柔軟性」を柱とするストレージアーキテクチャで、AI時代のデータ処理に適した製品群を展開していく考えだ。具体的には、以下の3カテゴリーのAIグレード製品を計画している。
- AI-Grade SSD:AI PCや高性能コンピューティング向け
- AI-Grade Storage Stick:接続するだけで容量拡張できるストレージ
- AI-Grade Card:8K映像やAIイメージング、エッジ解析向けメモリーカード
AI処理の普及によってデータ量はさらに増加すると見られており、高速処理と安全な保存を両立するローカルストレージの重要性が高まると同社は説明する。こうした需要を見据え、AIとストレージを組み合わせた新しい製品開発を進めていく方針だ。
日本市場に投入する新製品と新たな取り組み
発表では、日本市場に投入する新しいストレージ製品も紹介された。
「Lexar Professional SILVER PLUS microSDXC」は、最大容量2TBのUHS-I microSDカード。最大255MB/秒の読み込み速度を実現し、大容量データや8K映像の保存などを想定したモデルとなる。
「Lexar Air Portable SSD」は、重量約19gの超軽量ポータブルSSD。スマートフォン内の写真や動画を自動バックアップできる機能を備え、モバイル環境でのデータ管理を想定している。
ゲーミング用途としては「Lexar PLAY X PCIe 4.0 NVMe SSD」を投入。最大読み込み速度7400MB/秒の高速性能を備え、PCゲームなど大容量データを扱う環境に向けたSSDとなる。
このほか、次世代パッケージング技術を採用した新型SSDも紹介された。1回のパッケージング工程で2種類の規格を実現する構造を採用し、データの安全性を高めた設計が特徴。日本では3月末の発売を予定している。
さらに、金属素材を採用したメモリーカード「Lexar ARMOR GOLD SDXC」も披露。通常のプラスチック製SDカードと比べて4〜5倍の硬度を持つとされる、世界初のメタルSDカードだ。
同社の強みとして挙げられるのが、コントローラーとファームウェアを自社開発できる体制だ。20年以上にわたる技術開発の経験を背景に、製品の性能と信頼性を高めてきたという。製品は市場投入前に品質ラボで数千回から数万回の互換性テストを実施し、厳格な検証を行っている。
生産拠点は中国の蘇州と中山を中心に、ブラジルでもパッキングやテストを実施するなど、グローバルなサプライチェーンを構築している。
日本市場については、同社にとって「品質要求が特に高いプレミアム市場」と位置づける。日本での成功はグローバル品質の証明になるとの考えから、国内サポート体制の整備にも力を入れている。
具体的には、日本国内にコールセンターと技術サポートセンターを設置。製品販売後も継続的なサポートを行う「ライフサイクル保証」の考え方を掲げ、ユーザーとの長期的な関係構築を目指す。また、無料のデータ復旧ソフトやセキュリティアプリを提供することで、安心して利用できる環境づくりも進めるとしている。
販売面では、ヨドバシカメラやビックカメラ、エディオンなどの家電量販店に加え、カメラ専門店やオンラインストアなど幅広い販売チャネルで展開。AI時代に向けてストレージの役割が広がるなか、ローカルストレージを軸とした製品展開を日本市場でも強化していく考えだ。
