ひとえにゲーミングPCといっても、エントリーモデルからハイエンドモデルまで様々なゲーミングPCが存在する。
性能PCゲームをプレイするにはCPU、メモリ、グラフィックなどの各種パーツをある程度の性能のもので揃える必要がある。プレイするゲームがある程度決まっていれば、どのPCを購入すればいいかは自ずと決まってくるものの、もしそうでない場合、あるいは数年先を見据えてある程度の性能を確保しておきたい、と考えるならば選択肢は一気に広がる。
今回はその選択肢のひとつとして、Lenovoのミニタワー型デスクトップPC 「Legion T550i」 をご紹介したい。
本機はゲーミングPCのなかでも比較的エントリークラスのモデル。ただし上位モデルではRTX 3070を選択できるため、多くのゲームを快適にプレイすることが可能だ。
(製品貸出:レノボ・ジャパン)
スペック表
今回レビューしたモデルのスペックは以下。
製品番号 | 90NC006XJM |
---|---|
OS | Windows 10 Home (64bit) |
プロセッサー | Intel Core i7-10700 (8コア/2.9GHz/TB時4.7GHz/キャッシュ16MB) |
メモリ | 16GB (8GB×2) |
仕様 | メモリスロット:4 規格:DDR4-2933 SDRAM UDIMM (最大128GBまで) |
HDD容量 | 2TB (7200rpm/シリアルATA/3.5インチ) |
SSD容量 | 256GB (PCIe NVMe/M.2) |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER (6GB GDDR6) |
イーサネット | 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T |
ワイヤレスLAN | Wi-Fi 6対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) |
Bluetooth | Bluetooth v5.1 |
インターフェイス (前面) |
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インターフェイス (背面) |
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インターフェイス (グラフィック) |
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本体サイズ | 約幅185 × 奥行き457 × 高さ456mm |
重量 | 約14kg |
電源 | 650W/AC 100V(50/60Hz)【80PLUS GOLD】 |
価格(税込) | 223,080円 (クーポンで120,463円) |
「Legion T550i」 のデザイン
上記が 「Legion T550i」 の本体。本製品はミニタワーケースを採用したゲーミングデスクトップPCだ。
前面上部に大きめのロゴマーク (LEDランプ) が搭載されているものの、全体的なデザインはシンプルで、派手なゲーミングPCを好まない方にオススメと言えるだろう。
本体サイズは約幅185 × 奥行き457 × 高さ456mm。縦に長いデザインはやや存在感あり。机の上に置くには少しサイズが大きめなので、基本的には床置きを推奨。
電源ボタンやUSB-Aポート、3.5mmオーディオジャックは天面に搭載されていて、床置きでもアクセスしやすくなっている。
背面上部には、持ち上げるために手を入れるスペースが用意されている。このおかげで持ち運びは比較的楽チン。
背面には各種ポート類が搭載されている。搭載ポート一覧は以下のとおり。
- USB-C (USB 3.0) ×1
- USB-A (USB 3.0) ×2
- USB-A (USB 2.0) ×2
- イーサネットコネクター×1
- マイクロホン×1
- ライン入力×1
- ライン出力×1
グラフィックスカードの入力端子は以下。
- DisplayPort ×1
- Dual link DVI-D×1
- HDMI ×1
注意していただきたいのが、ディスクを入れる光学ドライブとSDカードスロットが用意されていないこと。
ゲーム用途であればSDカードスロットは不要かもしれないが、光学ドライブがないとゲームディスクを挿入してプレイするゲームができないため、必要な場合は別途外付け光学ドライブを用意しよう。
ちなみに拡張性の高いケースというわけではないが、M.2 SSDや3.5インチHDDの追加は可能。本体側面のパネルを外すことで、これらの内部ベイが用意されている。ベイは2つ用意されていて、1台だけHDDやSSDを取り付けることが可能だ。
当レビュー機の初期ストレージは、2TBのHDDと256GBのSSDによるデュアル構成。HDDの2TBは容量十分だが、SSDに関しては256GBではやや心許ない。複数のゲームで高速なローディング体験を実現したいのであれば、SSDの追加実装を考えるのもアリ。
搭載されている電源ユニットは、最大出力650Wの80PLUS GOLD対応のATX電源。将来的にグラフィックスカードの交換などを考えている方には重要な項目だが、650Wもあればそれなりにキャパシティはあると言えるだろう。
ちなみに本機はWi-Fi 6とBluetoothが利用できる。Wi-Fi 6に対応したルーターであれば安定的かつ高速に通信することが可能だ。
性能をチェック
それでは、ここからは 「Legion T550i」 の性能をチェックしていこう。
「Legion T550i」 のプロセッサは、Core i5-10400もしくはCore i7-10700から選択可能。今回レビュー用としてお借りしたモデルにはIntel Core i7-10700が搭載されていた。
CINEBENCH R23で計測したベンチマーク結果は、シングルコアスコアが1155、マルチコアスコアが9256。他のプロセッサと比較した結果は以下のとおりだ。
グラフィックスカードはNVIDIA GeForceのGTX 1650 SUPER、GTX 1660 SUPER、RTX 2060・RTX 2070 SUPER、RTX 3070と幅広い選択肢が用意されている。今回お借りしたモデルはエントリークラスのGTX 1660 SUPERが搭載されていた。
3D Mark (Time Spy) でベンチマークを計測したところ、スコアは6274。詳しい結果は以下のとおり。
今回レビュー用としてお借りしたモデルは、プロセッサ・グラフィックともに、ゲーミングデスクトップPCとしてはまずまずの性能。もし同じモデルを購入したとしても、一般的なゲームであれば中程度〜高画質で快適にプレイできるだろう。
試しに、筆者のお気に入りの都市開発シミュレーションゲーム 「Cities Skylines」 や、ターン制シミュレーションゲーム 「シヴィライゼーション VI」 をプレイしてみた。
どちらも一度にたくさんの演算処理が行われるタイミングがあり、性能の低いPCではカクつくことがあるが、Legion T550iでは高画質でプレイしていても安定してプレイできたように思う。
そのほか、「ファイナルファンタジーXIV」 や 「ファイナルファンタジーXV」 での動作もあわせてチェックしてみた。
「ファイナルファンタジーXV」 は高品質だと多少の重さを感じるものの、やや快適にプレイできた。標準品質程度にグラフィックを落とすと平均FPS60以上になる。また、「ファイナルファンタジーXIV」 は平均FPS60以上を維持しており非常に快適にプレイできた。
FFシリーズはグラフィックが綺麗なのでできれば高画質でプレイしたいところだが、最高画質にこだわらないならGTXシリーズでも十分にプレイすることは可能だ。
ただし、最近では『Microsoft Flight Simulator』などさらに高いグラフィックスを要求する作品も多くなっているため、予算に余裕があるようならもっと上位のグラフィックスカードを選択することを個人的にはオススメしたい。
まとめ
「Legion T550i」 は価格の割に性能に優れたミニタワー型ゲーミングPC。本体デザインもシンプルなものになっているため、目立たないゲーミングデスクトップPCを探している人にはオススメのモデルだ。
天面に用意されたUSBポートや電源ボタンなど、ユーザビリティもよく考えられている。欲を言うならUSB-Cポートも天面にあればもっと良かったが、長めのUSB-Cケーブルさえあれば解決できる問題ではあるため、大きな支障にはならないはずだ。
筆者がお借りしたIntel Core i7-10700/GTX 1660 SUPERモデルでのゲームプレイは比較的良好だったことから、とりあえず一般的なゲームを遊ぶ上では十分なスペックと言えるだろう。もしもっとグラフィック性能を求めるなら、RTXモデルを購入すればOKだろう。
また、これほどの性能でありながら価格が86,605円(税込/クーポンあり)〜とコストパフォーマンスに優れる点も見逃せない。価格を抑えつつ、快適なゲーミングデスクトップPCが欲しい方はぜひ購入を検討してみてはどうだろうか。