
『メタルギアソリッド』の生みの親である小島秀夫氏が、AR分野に注力するNiantic Spatialとタッグを組む。発表の場となったのは、本日配信されたコジマプロダクションの「Beyond the Strand」特別番組だ。
Niantic Spatialは、かつて『ポケモンGO』や『ピクミンブルーム』を展開していたNianticが社名変更した新ブランド。ゲーム事業の大半を『Monopoly GO』のScopelyに売却し、ARアプリケーションに専念する方向へ舵を切った。今回の小島氏とのコラボレーションは、その新体制を象徴する動きとも言える。
「現実世界とつながる」AR体験を構想
公開されたティザー映像では、「スクリーンを越えた未来へ」というメッセージと共に、ARグラスやスマートフォンを通じて現実空間にデジタルオブジェクトを重ね合わせる様子が示された。まるで『ポケモンGO』を思わせる体験だが、小島氏の発想はより踏み込んでいる。
「山を登っているときでも、そこにエンターテインメントがある」と小島氏は語る。「まるで現実の『デス・ストランディング』だ。人とつながることもできるし、自分の街の環境ともつながれる。これまではVRだったが、今回はリアルな環境と接続することを考えている」
Niantic SpatialのCEOジョン・ハンケ氏も「今の社会に必要なのは、人々を分断ではなく結束させる体験だ」とコメント。ストーリーテリングとテクノロジーの掛け合わせが、その答えになる可能性を示した。
プロジェクトの詳細やリリース時期はまだ明らかになっていない。ただ、「現実世界でのデス・ストランディング」というフレーズから想像できるように、単なる位置情報ゲームの延長線に留まらない新しいAR体験が期待できそうだ。
同配信では、映画版『デス・ストランディング』やアニメスピンオフ、新作『OD』のトレーラー、そして『Physint』のキャスティング情報も公開されている。小島氏の動向は相変わらず業界の注目を集め続けている。
(画像:KOJIMA PRODUCTIONS)