昨年末の総務省からの要請で、携帯キャリア各種は「実質0円」で携帯を販売をすることができなくなった。
これは長期利用ユーザーと乗り換えによる短期利用ユーザーとの間の不公平さを是正するために行われたわけだが、やはり値段が高いスマホを積極的に販売するためには高額キャッシュバックをつけて端末代を0円にする方法がキャリア側にも、ユーザー側にも都合が良かったはず。
その是非については様々意見があるところだと思うのだが、実質0円が廃止されてからのスマホ販売台数はどうなったかが明らかになったのでお伝えする。
2月のスマホ販売台数は1月比で47.9%減
実質0円を廃止してから早くも1ヶ月近く経過したわけだが、実際どれくらいスマホの販売台数が減少したのか。
調査会社のBCNによると、2月の国内スマホ販売台数は1月比で47.9%という結果になったことを発表している。また、前年同月比においても17.5%と非常に低調な販売数であったことが明らかになった。
大手キャリア各社だけに限ってみると、スマホ販売台数(前年同月比)は、ドコモが31.4%減、KDDIが32.4%減、Softbankが23%減という散々たる結果に。キャッシュバックが存在していた1月までの駆け込み後なので、販売台数が大きく落ち込むのは分かっていたことだが、いかに高額キャッシュバックが販売に影響を与えていたかがよく分かる数字となっている。
スマホメーカー別の販売台数(1月比)だが、キャッシュバックの対象になっているケースが多かったAppleのiPhoneは28.1%と大幅減。ただでさえ国内での販売が振るわなかった「iPhone 6s」シリーズに拍車がかかる形となりそうだ。
ちなみに一番販売台数が落ち込んだのはソニーモバイルでなんと41.7%減という結果に。売り上げが大幅に減少するのは大きな痛手になりそうだ。
大手キャリアや販売されるスマホメーカーには大打撃となった「実質0円」の廃止だが、その一方で恩恵を受けている会社もある。それは、格安スマホメーカーや格安SIMを販売するMVNO事業者だ。
「Y! Mobile」は驚異の70.2%増(前月比)を記録するなど、1月に比べて2月のMVNO事業者は非常に高い伸び率を記録しており、ユーザーは割安な料金プランを求めていることが明らかになっている。
高額キャッシュバックは利用期間の違いによる不公平感があったのは事実だが、通信料が引き下げられることがなく、結局ただユーザーの負担だけが増える形となった今回の問題。売り上げが大幅に減少したキャリア側、実質負担が増えるユーザー側、どちらにもほとんどメリットもない。多少は期待していたつもりだったが、非常に残念な結果になってしまった。
[ via SankeiBiz ]