iPhoneの充電が1週間に一度だけで済む。そんな夢の技術があるのは知っているだろうか。
昨年夏頃に開発されたスマホ用の「水素電池」技術はそれらを可能にする。もしiPhoneに搭載されれば最後の充電から1週間近く持つ計算になるという。そんなiPhoneが発表された時には、僕だったら「絶対に欲しい!」と思ってしまいそうだが、そんなスマホが現実のものとなるのは割と近い未来であることが明らかになった。
「iPhone 8」で搭載か バッテリーライフは1週間
燃料電池開発企業のIntelligent Energy社は、未来のバッテリー技術の「水素電池」をスマホに搭載する開発を行っている。同社のCEOヘンリー・ウィナンド氏はBloombergの取材に対し、2018年までにこの技術をスマホ用バッテリーとして実用化することを目指していると発言している。
この「水素電池」バッテリーは、水素を原料にして電気と水蒸気を生成する技術で、少量の水素に対し多くの電力を作ることができるという。一度充電すると、1週間ほど無給電で動作させることができる夢の技術で、もし実用化されればスマホのバッテリーライフは大きく向上することになる。
昨年の夏にIntelligent Energy社は、実際に「iPhone 6」に同バッテリーを搭載する実験を行った。この実験はフラグシップスマホで行った世界初のものとなり、実験にはAppleも参加しているという。
結果は約1週間ほど無給電でスマホのバッテリーが持つことが明らかになり、今後の開発に向けて好結果が出たとのことだ。ちなみに発電過程において、バッテリー内で水蒸気が発生するのだが、この実験に使われた「iPhone 6」には水蒸気を逃す小さな空気穴が開けられていたとのこと。
エネルギー源の水素はどこから調達するのか
1週間もスマホを充電せず使えるのは非常に嬉しいことだが、ただ問題がないわけではない。
この技術に一つ問題があるとすれば、それはエネルギー源となる水素の注入だ。「iPhone」を1週間充電をしなくてもいい代わりに、充電が必要になった時はiPhoneにプシュッとガスを装填する必要があるということだ。
ごく普通の家庭には、「iPhone」に注入するための「水素」が存在するはずもなく、もしこの充電方式を採用された場合、ユーザーはそれぞれ水素の入ったボンベかタンクのようなものを持つ必要がある。水素タンクのようなものを各家庭に配置するのは簡単ではなく、少し現実的ではなさそうにも思える。
これらの問題をどのようにクリアーするかは不明だが、もし本当に2年で実用化された場合、早くても「iPhone 8」以降での採用になる。バッテリーライフが大きく改善されるまで2年は待つ必要がありそうだ。
[ via BGR ]