まもなく配信予定のiOS 14.5には、iPhone 11シリーズのバッテリー状態報告システムを再調整する機能が搭載されていることがわかった。
現地時間3月31日、Appleは開発者向けにiOSの最新ベータ版 「iOS 14.5 beta 6」 を配信すると同時に、「iOS 14.5 のバッテリーの状態報告の再調整について」 というサポートページを公開。
iPhone 11シリーズにおいて、バッテリー状態の予測が精度を欠く症状が確認されており、今春に配信予定のiOS 14.5で同問題を修正する機能が搭載されていることを報告した。
▶︎ iOS 14.5 のバッテリーの状態報告の再調整について – Appleサポート
iOS 14.5、バッテリー状態の予測が精度を欠く症状が修正へ
Appleの報告によると、iPhone 11シリーズには “バッテリー状態の予測が精度を欠く症例” が確認されていたとのこと。
問題が報告されているのは、iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxの3モデルで、このバグにはバッテリーの消耗が想定外に速いという症状があり、ピークパフォーマンス性能が低下するという症例もわずかながら報告されているとのこと。
この問題を修正する機能が、今春に配信予定の 「iOS 14.5」 に搭載されている。インストールすることで、iPhone 11、iPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Max のバッテリーの状態報告システムが、バッテリーの最大容量やピークパフォーマンス性能を再調整するようになるという。
再調整は 「iOS 14.5」 がインストールされたiPhone 11をいつもどおり充電する際に自動で行われる。ユーザーが何か特別な操作をする必要はない。
ただし、再調整には長くて数週間かかる可能性があるとのこと。バッテリーの状態報告システムによる再調整中である旨は 「設定」 > 「バッテリー」 > 「バッテリーの状態」 にメッセージが表示されるため、すぐにわかるようになっている。再調整が終わると、このメッセージが自動で削除されるとのことだ。
再調整が終わると、バッテリーの最大容量(%)とピークパフォーマンス性能が更新されるという。再調整中には最大容量のパーセント値に戻ることはなく、再調整が完了したあとに正しい数値が表示される。
また、ピークパフォーマンス性能も更新される場合があるとしているが、これについてはさほど顕著ではなく気付かないことが多いとAppleは説明している。
バッテリーの状態報告の再調整の結果、バッテリーの状態が著しく劣化していることが判明した場合は、バッテリーの修理サービスを案内するメッセージが表示されるという。
症例としてはわずかではあるものの、再調整をしてもバッテリーの修理サービスを案内するメッセージが新たに表示されることがあり、その場合はApple正規サービスプロバイダでバッテリーを無償交換することが可能。交換すれば最大限のパフォーマンスや容量を取り戻すことができるという。
iPhone 11ユーザーの取るべき行動
- iOS 14.5をインストール
- バッテリーの状態報告システムの再調整 (普段の充電サイクルで行われる)
- ①無事に再調整が終わると 「バッテリーの状態」 に表示されているメッセージが削除される。②もしくは 「再調整できませんでした」 と表示される。③バッテリーが劣化している場合はバッテリーの修理サービスを案内するメッセージが表示される。
- ①の場合は問題なし。②の場合はApple正規サービスプロバイダでバッテリーを無償交換。③の場合はバッテリー劣化しているため修理するなどの必要あり
ちなみに同問題に関する問い合わせは、再調整プロセスが終わるまではバッテリーの状態の報告が正確ではない可能性があるため、iOS 14.5インストール後の再調整プロセスが終わるまで待つよう、Appleは伝えている。再調整後の自動診断の結果、修理が必要な場合にバッテリー交換を行うというフローになることに注意いただきたい。
なお、所有デバイスが製品保証やAppleCare+、または消費者法の保証対象になっている場合に、この問題が起きているバッテリーについては再調整が一通り済むまで修理保証を一時的に延長する。
もし、バッテリーが劣化しているというメッセージが表示されたあとや、バッテリーに不審な症状が起きたあとに、保証対象外のバッテリー修理をすでに有償で済ませている場合は、AppleCareへ問い合わせて欲しいと伝えている。
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