Appleは毎年、iOSに大きな変更を加えるメジャーアップデートを、年に1回実施している。特に、「iOS 10」や「iOS 11」などではUIの大幅変更が実施、さらには他端末との連携強化が行われたおかげで、Appleの製品は順調に進化を続けている。
しかし、その一方で大きな変更に伴い、細かいバグや問題が多発しているのが現状。ユーザーからは新機能の追加よりも安定性の向上を求める声も上がっている。
その状況に問題意識を持ったAppleは、iOSの開発スケジュールに変更を加える可能性があるようだ。
iOSの開発は2年スパンになる可能性
Bloombergによると、Appleは「iOS」の開発スパンを1年から2年に伸ばす予定であるとのこと。
もちろん、毎年何かしらの新機能が発表される可能性はあるが、これまでのように新機能がバンバン発表されるといったことはなくなるのかもしれない。
ただし、この方針変更によってAppleのソフトウェア開発陣は、新機能の開発にじっくりと時間をかけることが可能になる。
新機能の完成度によっては、リリース延期も容易くなるはずで、未完成の機能を無理にリリースして、結果的に発生した不具合をユーザーに謝罪する必要もなくなるはず。
これは、ソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長Craig Federighi氏が、すでにAppleのソフトウェアエンジニアたちに伝えた方針で、すでにこのスケジュールで動いているものと予想される。
この方針の決め手になったのは、最新OSに多くの不具合が存在したことであるのは間違いない。さらには、当初「iOS 11」のリリース時に搭載されるはずだった「Apple Pay Cash」や「Message on iCloud」など、一部の新機能の導入が遅れに遅れたことも関係するはずだ。
ちなみに、「Apple Pay Cash」については先日ようやく使えるようになったものの、「Message on iCloud」は「iOS 11.3」でリリースされる予定。ちなみに、複数のオーディオ機器で同時にAirPlayができる「AirPlay 2」に関しては、今年の春にリリース予定の「iOS 11.3」でようやくアンロックされるものとみられている。
Appleが開発ペースを落とすことで、ユーザーの手元に届けられるOSは常に安定したものが届けられるようになるかもしれない。ただし、これまでAppleが自慢気に語ってきた最新OSの普及率は少々下がってしまう可能性がある。
その理由は、最新OSの魅力が減少してしまうからだ。当然、メジャーアップデート時にはこれまで同様にインストール率は高まることが予想されるが、目玉の新機能が少なかった場合に、最新OSをインストールすることへの期待感は少なくなるだろう。
Appleは最新アップデートをユーザーに促すために、どのようなアプローチを行うのだろうか。また、新製品の販売にどのように影響するのか、それらにも注目だ。
ちなみに、このスタンスは早速今秋にリリースされる「iOS 12」から実施される見通し。すでに「iOS 12」は品質の向上をメインとし、新機能の搭載は控えめになることが予想されている。
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