
Instagramが、ついに3:4のアスペクト比に対応した。スマートフォンの標準的な縦長写真をそのまま投稿できるようになり、プラットフォーム上でのビジュアル表現の自由度がさらに広がる。
これまでInstagramでは、縦長写真の最大アスペクト比は4:5に制限されていた。そのため、スマホでよく使われる3:4の写真は上下が自動でトリミングされ、構図が変わってしまうことが多かった。今回のアップデートによって、撮影時に意図した画角を忠実に再現したまま投稿できるようになる。
写真機能の再評価が進む中での3:4対応
Instagramの責任者であるアダム・モッセーリ氏は、自身のThreads投稿で「ほとんどのスマートフォンカメラはデフォルトで3:4で撮影される。今後はそのままの形で表示できるようになる」と述べている。新たな3:4対応は、シングル写真投稿だけでなく複数画像を含むカルーセル投稿にも適用される。
この変更は、2025年1月に実施されたプロフィールグリッドの正方形表示から長方形表示への切り替えに続くものだ。当時、モッセーリ氏は「現時点でInstagramに投稿されるコンテンツのほとんどは縦向き」だと語っており、縦長コンテンツへの最適化を継続して進めていることがうかがえる。
Instagramがサービスを開始した2010年当初、正方形(1:1)の写真のみを受け付けていた時代からは隔世の感がある。2015年には、縦長の4:5への対応が加わり、表現の幅は広がっているが、それでも3:4のような縦に長い写真には制限があった。
しかし近年、ショート動画(Reels)やDMを中心とするエンゲージメントの変化により、Instagramは写真投稿アプリという枠を大きく超えている。
Instagram自身も、静止画の投稿よりも動画やメッセージ機能を重視する姿勢を明確にしてきた。実際、2024年にはフィード上のコンテンツの過半数がAI推薦のReelsで構成されているという。
それでも、写真投稿は友人や知人との交流において根強い支持がある。特にビジュアルクオリティにこだわるクリエイターやブランドにとって、写真の表示比率は重要な要素だ。今回の3:4対応は、直接的なリーチを狙う施策ではないかもしれないが、表現の精度を高めたいユーザーにとっては実用性の高いアップデートと言える。
Instagramは今後も動画ファーストの方針を貫くと見られるが、こうした小さなアップデートの積み重ねが、結果的にユーザーの多様な利用スタイルに寄り添う形になっていくのだろう。
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(画像:Meta)