
Instagramは4月17日、新機能「ブレンド(Blend)」を正式にローンチした。ユーザーとその友人のおすすめリール動画をひとつのフィードにまとめて表示する、DM起点のパーソナライズドな共有機能だ。
「ブレンド」とは何か?
「ブレンド」は、ダイレクトメッセージ(DM)内のチャットを起点として作成する、新しい形式のフィード機能。最大の特徴は、参加メンバーそれぞれの興味関心に基づいたリール動画がミックスされ、1つの共有フィードとして表示される点だ。
たとえば、ユーザーAとユーザーBが1対1のチャットで「ブレンド」を作成した場合、Aにとっておすすめのリール、Bにとっておすすめのリール、さらに二人が共通して興味を持ちそうなコンテンツが一つのタイムラインに集約される。
利用はDMから。完全招待制のオプトイン形式

ブレンドの作成はDMのチャット画面から行う。チャット画面右上に表示されるブレンド専用アイコンをタップし、「招待する」を選択すると、相手に参加リクエストが送られる。1対1のチャットの場合は、相手が承諾することでブレンドが作成される。グループチャットでは、メンバーのうち誰か1人が参加すれば自動的に有効化される仕組みだ。
参加後は、DM内のブレンドアイコンをタップすることで、いつでもブレンド専用フィードを確認できる。このフィードは日々更新され、最新のおすすめコンテンツが反映される仕組みになっている。
ブレンドで再生される各リール動画には「〇〇(アカウント名)におすすめ」と明示されるため、どのメンバーがどの動画を推しているのかが一目でわかる。動画を視聴中にリアクションを送ると、それはDMのチャット欄に反映され、リアルタイムで感想を共有できる。
つまり、ただ動画を“見る”だけではなく、リアルなコミュニケーションを伴った“視聴体験”が設計されている。TikTokなどの短尺動画文化の中にあって、Instagramは“つながり”を強化することで独自性を打ち出していると言える。
注意すべきは、「ブレンド」は通常のリールタブとは完全に別の仕組みであり、アプリ上でDMチャットからしかアクセスできない点だ。アプリ全体のUI/UXを崩すことなく、よりパーソナルな体験を強化するアプローチといえる。
また、ブレンドは完全オプトイン形式の機能であり、ユーザーはいつでも参加・退出を選ぶことができる。招待された側も強制的に参加させられることはないため、プライバシー面でも配慮がなされている。
Metaの狙いは 「DM空間の再定義」
Instagramは近年、ストーリーやDMといったクローズドな空間でのユーザーエンゲージメントを重視する傾向にある。今回の「ブレンド」も、そうした流れの延長線上にある。Meta全体としても、「パブリックからプライベートへ」という流れを強調しており、ユーザー同士の繋がりを深めるためのツール開発に積極的だ。Facebookのグループ機能強化や、WhatsAppのコミュニティ機能なども同様の流れに位置づけられるだろう。
(画像提供:Meta)