僕たちが普段から持ち歩いているiPhoneは、非常に身近な存在だ。iPhoneは家の鍵や財布の次くらいに大事な持ち物で、もしかすると外出する際なんかは、どのアイテムよりも先にiPhoneを手に取る人もいるくらいの不可欠な存在だ。
そんなiPhoneを突然失くしたり、壊れた時のことを想像してほしい。iPhoneに旅行で撮った思い出の写真や、大事な友人との連絡先、ゲームのデータが入っていたら、どんなことになるかは想像に難くない。
そんな有事に備えて、普段からフルバックアップを取ることを怠ってはいけないと思うのだが、毎回バックアップを取るのはかなり面倒くさいのも事実。僕なんかは割と面倒くさがりなので、そういうのはついつい後回しにしてしまいがちだ!
それでは、iOS端末を使っている人は、普段どのようにデータを管理しているだろうか。多くのユーザーはiCloudやiTunesを使ってバックアップ管理をするか、少し上級者だとGoogle DriveやDropboxなどのクラウドストレージなどいろんな手を使って、外部にデータを預けていたりするかもしれない。
自分でちゃんとデータ管理できているなら問題ないが、もっと簡単にバックアップを取ることができるとしたらどうだろう。iMobie様から提供していただいた「AnyTrans」であれば、必要なデータを必要な分だけバックアップを取ることができるので紹介させていただく!
【追記】
2016年9月6日、「AnyTrans 4」のアップグレード版で、UIが変更になったり、処理速度や転送速度が向上している「AnyTrans 5」がリリースされている。当サイトで変更点等を解説しているので、気になる方は以下のリンクからどうぞ。
また、アップグレードでUI等が変更になり、当サイトのスクリーンショットは古くなっているので、詳細な操作方法などは公式ホームページを参考にしてほしい。最新バージョンでの機能の変更はないようなので、「AnyTrans」でどんなことができるのかについては以下を読んでいただきたい。
「AnyTrans」はiPhoneから直接データを引き出せる!
iMobieの「AnyTrans」は、iOS端末内のデータを管理するためのデータ転送アプリだ。Macに「AnyTrans」アプリをインストールすることで、iPhoneやiPadなどのiOS機器のバックアップを取っておくことができる。
「AnyTrans」は各種ファイルのインポートとエクスポートができ、MacとiOS端末との間でデータ転送をすることができる。転送できるファイルはオーディオファイル、ビデオファイルなどはもちろん、写真やiBook用のpdf、アプリやPodcast、ボイスメモを含むメモ、メッセージ、連絡先、カレンダー、Safariのブックマークや履歴など多種多様だ。
もちろんバックアップを取ること自体はiTunesでも可能なのだが、「AnyTrans」は例えば、iPhoneに入れているPDFデータやカレンダーデータ、音楽データをiPhoneから直接Macに引っ張ってくることができるなど、本家のiTunesでも不可能なデータのやり取りをすることができる。
この機能を使えば、もしMacのiTunesから音楽を削除してしまったとしても、iPhoneから再度データを引っ張ってくることで音楽データの復元をすることができる。ということは、iPhoneに音楽を入れておくことで、Macのバックアップにすることもできるということだ。
一応、アプリ内でもプレイリストの作成や管理もできるようだ。僕はiTunesがこの世にリリースされてからずっとiTunesを使用していて、特に困ることはないので「AnyTrans」で音楽の管理をしたいとは思わないが、iTunesでの管理方法に嫌気が差しているという人は使ってみてもいいのかもしれない。
iOS端末間でアプリ内データをコピーできるのが超便利!
このアプリを使ってみて一番便利だと感じたのは、iOS端末に入っているアプリを別のiOS端末に直接転送することができるという点。
新しいiPhoneを購入した時などに重宝する機能で、新しいiPhoneを手に入れた時、古いiPhoneからデータ移動をしなくてはいけないわけだが、iCloudなどでデータの転送をすることができないアプリも数多く存在するため、年に1回iPhoneを新しくする僕としては、データ移行は非常にストレスのかかるものだった。
「AnyTrans」を使うことで、旧iPhoneから新iPhoneにスムーズにアプリデータを移行することができるので、iPhoneの乗り換えも楽チンになった。ゲームのデータも楽に引き継ぎできるので、スマホゲーマーにとっては非常にありがたい機能だ。
また、この機能は僕らが日常的に使っている「LINE」のデータ移行にも役立つようだ。LINEは機種変更の際、新機種へのデータ移行のサポートはしているものの、通常の方法では今までのトーク履歴などのデータが消失してしまう。一応、過去のトーク内容を保存する方法もあるのだが、何個も手順を踏まなくてはいけないのでちょっと面倒だ。
僕は今回機種変更をしたわけではないので試してはいないが、機種変更の際に数クリックでLINEのデータを丸ごと新機種に移行出来るのはかなり便利だと感じている(詳しくはこちらで手順を確認してもらいたい)。
この機能の使い方は非常に簡単で、まず移したいiOS端末のトップの画面から「Apps」を選択。すると、iOS端末にインストールされているアプリが一覧で表示されるので、転送したいアプリを選択する。
そして、画面右上にある「デバイスへ転送」をクリックすることで、別のiOS端末に転送が開始される。容量が多かったり、ファイル数が多かったりすると結構時間がかかるので時間がある時に実行するようにしよう。
しばらく待っていると、アプリを転送したというメッセージが出てくるので、これで作業は完了だ。
注意して欲しいのは、この機能を利用するにはMacに転送したいiPhoneを2台接続し、どちらにも移行させたいアプリをインストールしておく必要がある。詳しくは以下を確認してほしい。
【関連】関連データを含んでいるiPhone、iPadアプリを転送
その他、iCloudのアカウントを入力することで、iCloud内のデータを直接管理することもできたり、iPhoneのフルバックアップを取ることもできる。iCloudのアカウント情報は同アプリに残ることはないとのことなので、安心して使うことができそうだ。
サクサク動作で、表示も分かりやすい!初心者でも簡単にバックアップ可能
肝心の使用感についてだが、僕は縁あっていろんな会社のデータ転送ソフトを使わせてもらっているが、他社製品に比べてシンプルで分りやすいデザインをしていると感じている。また、バックアップを取ることに関しては様々なデータに対応しているため、特に困ることが少ないはず。
ただ、MacにiPhoneを接続した時の読み込みは、多くのデータファイルを読む必要があるからなのか本家のiTunesよりも多少時間がかかるイメージだ。またデータ転送の速度もかなり早いというわけではなく、大容量の転送が必要になると時間がかかることもしばしば。
それ以外は、アプリ自体の動作は割とサクサクしている上に、iTunesに似たデザインをしていることもあり、操作に困ることは特になさそうだ。専門的な知識や手順を必要とされることも少なく、Mac初心者でも簡単に操作できるのは非常に好印象だ。
複数のiOS端末を持っている人や新しいiPhoneを購入予定の人にオススメ
「AnyTrans」は、iOS端末のバックアップを取る時や、紛失や破損などいざという時にデータの復元が出来る。操作も簡単で使いやすく、誰でもファイルを転送できる優れたアプリで、iOS端末を普段iTunesで管理していて、特に複数のiOS端末を持っているユーザーにはお勧めだ。
僕も今回のレビューを書くために、いろんなデータをバックアップとして転送してみたが、普段使っているデータで転送できないものはなく困ることはなかった。ただ、どうしても容量が大きいファイルや複数のファイルを一気に転送するとなると時間がかかり、しばらくの時間iPhoneを使用できないということもあった。
この「AnyTrans」の一番便利な使い方は、iPhone内のデータ全てをバックアップするのではなく、iTunesでバックアップの取ることができないデータを転送するために使用するのが良いと感じた。ただiTunesよりも分かりやすいという意味では、iTunesの代替ソフトとして使用するのもアリなのかもしれない。
普段、バックアップが取れないデータを管理している人や、iTunesでの管理に困っている人など一度この「AnyTrans」を使用してみてはいかがだろうか。
また、現在製品版は通常5,999円のところ3,999円で提供しているとのことだ。もし気に入った人は安くなっている今のうちに購入することをオススメする。
体験版のダウンロード・製品版の購入は以下からどうぞ。