遂に開幕 「IFA 2024」。日本からは10社程度、東京都も出展へ

今月6日からドイツ・ベルリンで開幕する家電・エレクトロニクス見本市 「IFA 2024」 。100周年という大きな節目を迎える今年は、世界最大規模になる。

本イベントの開催に先立ち、IFAの運営体である 「IFA Management Gmbh」 のCEOライフ・リントナー氏が来日し、今年のIFAの規模感や取り組みなどを聞くことができた。

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ライフ・リントナーCEOが来日、2024年のIFAの取り組みなどについて語る

そもそも 「IFA」 とはどんなイベントなのか。遡ること約100年の1924年。当時のドイツ政府が 「放送」 などの電波技術を世に披露する場として始まり、現在では世界有数のコンシューマーエレクトロニクスおよび家庭用電化製品の展示会となっている。

100年の歴史のなかでは、1930年にかの有名な天才物理学者アルベルト・アインシュタイン氏が登壇したり、1931年には世界初の完全電子式テレビシステムの公開デモンストレーションが行われたり。

1939年には一時的に名称が 「Grosse Deutsche Funk- und Fernseh-Ausstellung」 に変わり、すべての人々が手頃な価格で購入できるよう設計されたテレビ受信機 「アインハイツ・フェルンゼー・エンペファンガー E1 (**Einheits-Fernseh-Empfänger E1**)」 が発表される (のちの大戦勃発で計画は頓挫) など、テック分野においてさまざまな歴史を刻んできた由緒あるイベントだ。

1924年から1939年までは毎年開催され、1950年から2005年までは隔年での開催となっていたものの、2006年からは再び毎年開催されるように。

新型コロナウイルスのパンデミックの影響で2020年と2021年は開催不可となったが、2022年からは復活している。昨年は49カ国から2,000以上の企業が2,000以上の企業が出展しており、138カ国から182,000人が来場した。

そんなIFAだが、今年は 「Innovation For All」 をテーマにリブランディング。前述のCEOライフ・リントナー氏の指揮のもと世界最大規模での開催となる予定だ。開催期間は9月6日〜10日。

この 「Innovation For All」 は、若年層にも響くものを目指すためのスローガンで、ロゴやビジュアルについてもカラフルなものを使用し、多様なブランド・聴衆を惹きつけたいという狙いがあるという。

「IFA 2024」 の会場はベルリン郊外にあるMesse Berlinだが、今年はベルリン中央駅にも会場を設置する。ここは主にOEM・ODMの会場となり、BtoBの商談ができるエリアとなる。

これまでもBtoBエリアは用意されていたものの、展示会場との区切りはあくまで仕切りで分かれていたに過ぎず、メディアやインフルエンサーが間違って入ってしまうことが度々起こっており、同エリアを見た結果、「IFAは面白くない」 と誤った印象を抱いてしまう。これを解消するため会場をクリアに分けることが必要だったという。

また、テクノロジーの展示会ということで、文化とテクノロジーの両者が融合する展示会を目指し、エンターテインメントの要素を多く取り入れる。

その際たる例としては、前夜祭となる9月5日夜にはライアン・アダムスを招いたコンサートを開催する予定だ。また、ショルツ独首相も駆けつけ基調講演を行ったり、ベルリン市長も登壇する予定だ。

一方で、日本企業の出展状況は必ずしも活発ではない。日本からはソニーやパナソニック、シャープといった企業10社程度が出展するほか、東京都および東京ベイeSGプロジェクトのパートナー企業も出展する。

同じアジアの経済大国である中国の企業は、製品の6割ができた段階で出展するのに対して、日本企業は完成してから出展する傾向にあるという。IFAは日本企業の積極的な参加を求めており、特にデジタルイメージング分野の企業に期待しているとしていた。

関連リンク
IFA Berlin (6-10 September 2024) Innovation for All

ITテック取材
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