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HyperX Cirro Buds Pro レビュー|低遅延とANCでゲームプレイを快適にする完全ワイヤレスイヤホン

HP傘下のゲーミングブランド 「HyperX」 は今年6月、完全ワイヤレスイヤホン 「HyperX Cirro Buds Pro」 を国内で発売した。

本製品は、ハイブリッド型のANC (アクティブノイズキャンセリング) 機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホン。静かな環境で集中してゲームや音楽を楽しめるほか、Bluetooth 5.2に対応していることから、遅延を気にせずゲームをプレイできるのが特徴だ。

今回、HyperXから 「Cirro Buds Pro」 の実機を提供いただき、徒歩や電車での移動時に音楽を聴いたり、自宅で音楽鑑賞をしたり、ゲームをプレイしたりしながら、実際に数週間ほど使ってみることができた。日常的な使い心地も踏まえながら、本製品についてのレビューをお届けしたい。

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見た目はスポーティー、タッチセンサーなど使いやすさ◯

「HyperX Cirro Buds Pro」 は、COMPUTEX 2023ではじめて登場したHyperXの最新完全ワイヤレスイヤホン。国内では今年6月に販売が開始されている。

カラーはブルー・ブラック・タンの3色展開で、今回筆者はブルーモデルを提供いただいた。

充電ケースやイヤホン本体は光沢のないマットな素材が採用されている関係で、高級感のあるイヤホンというよりはややスポーティーな印象が強い。

充電ケースとイヤホン本体はどちらもIPX4相当の防滴性能を備えているため、ジムでのトレーニングや、ジョギングなど軽めのスポーツとの相性は良さそうだ。

充電ケースは上向きに開く仕様で、中には横向きにイヤホン本体が収納されている。

イヤホンは大きすぎず小さすぎずの標準的なサイズで、重量は片耳8.54g。使われている素材の関係か、取り出すときや装着するときにちょっぴり指が滑りやすく感じたので、落下などには注意していただきたい。

イヤホン形状はカナル型で、先端にはイヤーピースがついていて、耳の穴にググッと入れ込むようにして装着する。イヤーピースはS・M・Lの3種類が付属してくる。

イヤホンの丸い形状のおかげで、耳に装着するときには正しい位置に一発ではめられる上に、付け心地もしっかりめ。耳から簡単に落ちてしまうことがないので、安心感が感じられる。

ただし、2〜3時間連続で本製品を装着してゲームをプレイしてみたところ、徐々に耳が痛くなってきてしまった。本体に柔らかい素材を使っているわけではないので当然ではあるのだが、耳の痛みを感じてきたら目の休憩も兼ねて一旦ゲームを中断するなど、長時間使い続けるならユーザー側でうまく調整したい。

イヤホン中央にあるHyperXのロゴ部分はタッチセンサーになっていて、タップしたり、長押しすることで様々な操作が可能。

  左イヤホン 右イヤホン
1回押し メディアの再生・停止
着信に応答
メディアの再生・停止
着信に応答
2回押し 前のトラック
着信拒否
通話終了
次のトラック
着信拒否
通話終了
3回押し ゲーミングモード/ノイズコントロールオフの切り替え
長押し 音声アシスタントのアクティブ化 ANC/アンビエントモードの切り替え

センサーの感度は良好で、2回押しなどの操作もきちんと認識できていることが多い。ただし筆者の操作の仕方の問題なのか、長押しが作動しないことがたまにあるため、完璧に操作できるようになるには多少は慣れが必要になるかもしれない。

再生モードはANC、アンビエントモード(外部音取り込み)、ゲーミングモード、ノイズコントロールオフの4種類が用意。それぞれのモードの詳細や最大バッテリー駆動時間は以下。

モード 機能 最大駆動時間
ANC アクティブノイズキャンセリングをオンにする 4.5時間
アンビエントモード マイクを使用して外部音を聞こえるようにする 5時間
ゲーミングモード オーディオレイテンシを抑えてANCを有効にする 4時間
ノイズコントロールオフ アンビエントサウンド、ANC、低レイテンシモードを無効にする 7時間

筆者はゲームプレイ時にはゲーミングモード、移動時の音楽の聞き流しにはANCもしくはアンビエントモードを使っている。

また、ペアリングに関しては、ペアリング用のボタンが用意されているのではなく、「前回接続したデバイスに繋ぐことができなかった場合に自動でペアリングモードをオンにする」 という仕様が採用されている。

デバイスを切り替えたいときには、単純に前のデバイスで接続を切ってしまえば、自動でペアリングモードになって新しいデバイスと接続可能になる。わざわざ専用アプリを開いたり、ボタンを長押ししたりという操作が不要なので、シンプルに接続できて便利だ。

充電ケースは横長タイプで、大きさは約4.5 × 6.4 × 2.5mm、重量は39.4g。ポケットに入れて持ち運ぶことはできるが、ちょっぴり厚みが感じられるデザインのため、筆者はカバンやポーチなどに収納して持ち運んでいる。

充電ケースの正面にはボタンとLEDインジケーターが搭載。ボタンを押すことでLEDインジケーターが点灯し、点灯状態によってバッテリー残量がどれほどあるか確認できる。

LED点灯パターン バッテリー残量
点灯(グリーン) 100%
点滅(グリーン) 71%〜99%
点滅(ホワイト) 30%〜70%
点滅(レッド) 30%未満

バッテリー持ちは、イヤホン単体で最大7時間、ケースで充電しながら使った場合は最大28時間。

底面には、ケース自体を充電するためのUSB Type-Cポートが搭載されている。

イヤホンや充電ケースの充電にかかる時間はイヤホンが40分、ケース単体が2時間で、大体3時間あればイヤホンもケースも満充電できる。急速充電などには対応していないため、バッテリー残量は常に気をつけておきたい。

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サウンドは低音強め、低遅延モードでゲーム時の遅延はほぼなし

Cirro Buds Proの音の傾向は、低音が強めの迫力重視型。爆発音のような重低音との相性がかなり良いので、FPSゲームや映画鑑賞などには最適なイヤホンだ。

音楽を聴くときには、低音がしっかりめなのでピアノ音楽やジャズ、ポップスなどの楽曲が楽しめる印象だった。低音が前に出やすい楽曲を聴くと、中音が少し埋もれやすい印象も受けるが、細かいことは気にせずどっしりとした音を楽しみたい人にはオススメと言えるだろう。

ANCはエアコンや水槽のエアーポンプの作動音のような継続的なノイズはしっかり消せていたが、キーボードの打鍵音のような高いノイズまでは消すことができなかった。とはいえ、ゲームや音楽を楽しむ上で邪魔な音は比較的シャットアウトできていたように感じた。

アンビエントモードは、あえて外部の音を取り込むことで、イヤホンを外すことなく外の音を聞くための機能。電車のアナウンスを聞いたり、道路で周囲の車の走行音を聞くなど周囲の状況を把握するのには十分使うことができた。

イヤホンのアンビエントモードは自分の発した声がこもって聞こえてしまうため、あまり会話などには適さないことが多いが、Cirro Buds Proもその例に漏れず会話は難しかったので、あくまで外の音を取り込むだけの用途として使っていただきたい。

そして本製品においてもっとも重要なモードが 「ゲーミングモード」 だ。90msの低レイテンシでイヤホンをゲーム機などに接続し、ゲームプレイ時に音の遅延を最小限に抑えられる。ANCも自動でオンになるため、一瞬でゲームに集中できる環境を構築できる。

実際にゲーミングモードでNintendo Switchの『スプラトゥーン3』をプレイしてみた。筆者は出張などにNintendo Switchを持っていって『スプラトゥーン3』をプレイすることがあるのだが、一般的なワイヤレスイヤホンだと遅延が少し感じられ、10分に1回はプツッと一瞬接続が切れることもあり、いつも我慢しながらプレイしていた。

しかし、Cirro Buds Proをゲーミングモードで使ってみたところ、明らかに一般的なイヤホンよりも遅延が少なく、しかも接続も安定した状態でプレイすることができた。Cirro Buds Proを使い始めてからは、遅延や接続切れにストレスを感じることなく、とても快適に『スプラトゥーン3』をプレイできている。

ゲーミングモードは、YouTubeなどでの動画の視聴時に人物の口の動きと音声の遅延が少なくなるという恩恵もあるため、ゲームプレイ時だけでなく、イヤホンの遅延が気になるタイミングでは、積極的に活用していきたい。

まとめ:遅延なし&大迫力のサウンドで、ストレスなく楽しいゲームプレイを実現

Cirro Buds Proを数週間使ってみて、一番感動したのがやはりゲーミングモードの遅延が少ないこと。筆者の大好きな『スプラトゥーン3』が、出先でこんなに快適にプレイできるようになるとは思わなかった。

また、低音強めということもあり映画鑑賞にもオススメ。筆者は先日、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』 をCirro Buds Proを使って視聴したのだが、終始迫力満点で楽しむことができた。

ANCやアンビエントモードなども備えており、日常的に使うイヤホンにも適していることから、1日を通して使い続けることができる完全ワイヤレスイヤホンだと言えるだろう。イヤホンでゲームをする機会がある人は、Cirro Buds Proを使ってみてはどうだろうか。

Cirro Buds Proは、Amazon.co.jpなどで12,590円(税込)で購入可能だ。