5月19日、米Googleは開発者会議 「Google I/O 2021」 をオンラインで開催。冒頭の基調講演の中で、「Googleマップ」 の今後のアップデートについて発表した。
Googleの発表によると、Googleマップには100をこえる改良が存在するとのこと。改良の多くはAIを活用したものになっていて、中にはスマートフォンのリアカメラを使用したARナビ 「ライブビュー」 の大幅強化などが用意されているという。
ライブビューが屋内ナビゲーションに対応
「ライブビュー」 は、前述のとおりスマートフォンのリアカメラを使用したARナビゲーション。たとえば地図情報からではなかなか理解しづらい渋谷の分かりづらい地形でも、スマートフォンのカメラをかざせば自身がどちらに向かえばいいのか分かるナビゲーションが画面に表示される。
この機能はこれまで屋外でしか利用できなかったが、今後は屋内でも利用できるようになるとのこと。今回の 「Google I/O 2021」 基調講演では、東京駅構内でナビゲーションを利用していたデモが公開された。この機能があれば新宿駅や池袋駅、横浜駅など “ダンジョン” とも呼ばれる高難易度駅も簡単に攻略できるようになるはず。
The magic of Live View now works indoors, so there’s no more missing the train because you can’t find the ticket booth.
Start using indoor Live View in Zurich’s top train stations this week and Tokyo’s next month. #GoogleIO pic.twitter.com/fKS36WLGap
— Google Maps (@googlemaps) May 18, 2021
同機能は今週から利用できるようになり、日本では来月から東京で利用できるようになるとのこと。
ライブビューで周囲のお店を表示できるように
これまで、「ライブビュー」 は目的地までのナビゲーションを表示するための機能だったが、これからは周囲の施設の位置がARで把握できるように。
自身がいる場所でライブビュー機能をオンにすると、周囲の建物やランドマークの情報が表示されるとのこと。さらに、それらの施設の営業時間が分かるようになっているなど、どのお店でご飯を食べるか従来の地図より視覚的に分かりやすくなるはずだ。同機能は2021年8月より提供開始され、対応都市は徐々に拡大する計画。
2D地図のさらなる詳細化。関連情報の提示も
地図情報のさらなる詳細化も世界50都市で進められる。歩道や横断歩道、安全島(道路内に歩行者が安全にいられるスペース)などの詳細が表示されるように。
道路の混雑具合を考慮して、迂回ルートを提示するスマートなナビゲーションもできるようになるとのこと。
さらに時間帯によって、ユーザーが行く機会の多い店舗がすこしだけ強調され表示されるシステムも導入される。たとえば朝なら喫茶店のスポットがわずかに大きく表示される。昼は観光名所、夜はディナーのお店などが対象になるとのことだ。
In the coming weeks you’ll see more relevant places when you open your map.
We’ll show you coffee shops on weekday mornings, dinner restaurants in the evening, and tourist attractions when you’re traveling. #GoogleIO pic.twitter.com/qW2lLJnpWv
— Google Maps (@googlemaps) May 18, 2021
事故が発生しにくい道路をナビするSafe Routingオプションも新たに用意される。普通であれば最短・最速で到着できるルートを案内するものだが、特段急いでいないようなら安全に運転したいと考える人もいるかもしれない。道路や天気、交通状況などの情報を考慮し、なるべく安全に運転できるルートを提示できるものになるという。
GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏によれば、世界では毎年1億件もの自動車事故が発生しているとのこと。これらを減らすことがGoogleの目標として挙げられている。